12cm SL 前後になる。殻は厚く堅く、表面はなめらか。なで肩で肩に太い螺肋がある。殻口は雄は赤橙色、雌は淡黄褐色。[北海道噴火湾産]
アツエゾボラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属外国名
学名
Neptunea heros (Gray,1850)漢字・学名由来
漢字 厚蝦夷法螺
由来・語源 1936年、黒田徳米の命名。貝殻が厚いエゾボラ属の巻き貝という意味。
エゾボラの「法螺」は巻き貝のこと、「蝦夷」は現在の北海道など北国を表す。
波部忠重・伊藤潔はヒシエゾボラとしていたこともある。模式産地/アラスカ・マッケンジー川沖。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深100-200m。
銚子以北、北海道〜ベーリング海。生態
ー基本情報
生息域は銚子以北だが、主に北海道で水揚げがある。エゾボラ属は主に生食用に利用されている。エゾボラの「真つぶ(まつぶ)」、「Aつぶ」に対して、本種は「Bつぶ」と関東の市場では呼ばれている。本種はBツブの代表的なものでもある。
刺身になる足の部分の色が黄色く、貝殻に厚みがあるのでエゾボラよりも安いが、味はいい。
珍しさ度 食用貝だが、比較的料理店が買っていくもので、流通上でも料理店相手の市場などに多い。水産基本情報
市場での評価 関東では比較的見かける機会の多いつぶ。
漁法 カゴ漁
産地 北海道道東選び方
原則的に生きているもの。持ち重りして、蓋などを触ってよく動く、もしくは急激に引っ込むもの。味わい
旬は春〜夏。
足(刺身にする部分)はクセがなく、貝特有の臭みもないが、黄色味が強い。
甘みがあり、食感もいい。ワタなどから濃厚なだしがでる。栄養
ー危険性など
テトラミンは主にNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれる。足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。Neptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。発症する唾液腺の量は個人差がある。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アツエゾボラの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身)、焼く(焼きつぶ)クリックで閉じます
アツエゾボラの刺身 貝殻から出し、足(刺身にする部分)の部分を包丁で割り、唾液腺を取りヌメリを取る。最初はよくもみ上げる。ヌメリが少なくなったら今度は塩を加えて仕上げもみをする。よく水洗いして、水分を拭き取り、できるだけ薄く切る。マツブ(エゾボラ)と比べると足の色合いが黄色い、足のふたに近い部分が黒くとれやすいなどは気になるものの。「つぶ」らしい食感と甘味が楽しめて美味。
アツエゾボラの焼きつぶ 北海道の名物、「焼きつぶ」は普通、ヒメエゾボラでやるものだが、比較的小振りのものがやってきたらアツエゾボラを焼いてもうまい。ざくざくと表面を流水で洗う。足を引っ張りだして包丁で切り唾液腺をとる。これを天火などで焼く。噴いてきたら酒と醤油で味つけする。クリックで閉じます関連コラム(料理法・レシピ)
マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
ツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。 唾液腺にはテトラミンが含まれる。 テトラミンは死亡例はないものの・・・ 続きを開く好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)