マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み

マツブ(エゾボラ属)の刺身

マツブの刺身

マツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。
唾液腺にはテトラミンが含まれる。
テトラミンは死亡例はないものの、めまい、目のちらつき、船酔いに似た症状が出て、ひどいと嘔吐感に襲われる。
要するに酒を飲んだときのようになる。
第二次世界大戦のとき、戦後の酒のない時期に唾液腺を食べていた人に聞いたが、非常に酒によった状態に近いものだったそうだ。
加熱してもテトラミンの毒性は消えないので、必ず除去してから調理すること。

先端が尖ったもので貝殻に穴を開ける

殻口の上部ににアイスピックなどでこつこつと叩いて小さな穴を開ける。
マツブ(エゾボラ)はエゾボラ属のなかでは比較的貝殻が薄くて穴を開けやすい。
アツエゾボラ、ヒメエゾボラは貝殻が厚いのでやりにくい。
焼きツブにする場合はゆでて、ゆで汁は捨て、身を取り出して唾液腺を取る。軽く水洗いして貝殻に戻すといい。


筋肉を切るため体層の上部にアイスピックを刺す

穴にアイスピックを差し込み、アイスピックを上下に動かして筋肉を切る。
アイスピックはまずは上に差し込み、切っ先を螺旋の中心部に当てたまま下に向かって筋肉を切るように動かす。


フォークなどで感触を確かめながら抜く

軟体にホークなどを刺し、何度か感触を確かめながら抜く。
このとき無理をしては軟体が切れてしまうので、硬かったら再度アイスピックなどでもう一度筋肉を傷つける。


筋肉が適当に切れていれば軽く抜ける

筋肉を切り、フォークで抜け具合の感触を確かめながら抜く。
筋肉が適当に切れていれば、軽く抜くことができる。内臓は多少残っても問題はない。


唾液腺は足の中心部にある

足の部分を包丁で割ると、白もしくは黄色みを帯びた柔らかな塊がでてくる。
この部分を取り除く。


最初は塩なしでただもんで、仕上げに塩を加えて揉む


足の部分は最初は塩を加えず、よくもんでぬめりを出す。
あまりぬめりを感じなくなったら仕上げに塩もみして水洗いをする。
ぬめりは種によって取りやすかったり、取りにくかったりする。
水分をよくきり、薄く切りつける。


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