初めてのピンクペッパーでクロダイのカルパッチョ

目立たないけど、とても可憐な小さな花そのもののようだ


ピンクペッパーは懐かしい味がした。
子供の頃は草木の実を見ると、「食えるか? 食えないか?」とよく話したものだ。
1960年前後まではそんな時代だったとも言える。
食べられる実を教わると、食べてみるのが当たり前だった。
その無数に食べた実のどれかに似ている。
同じような赤い実だったけどなんだったのだろう?
辛みはあまり強くなく、ちょっとだけ酸味があり、
口の中に爽やかさ、いい香りが広がる。
酸味もある。

ピンクペッパーは薄く切りつけて塩・オリーブオイル・にんにくで味つけしたクロダイにぴったりはまる。
今回のクロダイは明らかに旬を迎えていた。
とても脂がのっていて、おいしかったのもあるが、このぴったり感はまるで寸法を計ったようだ。
ボクが作るカルパッチョのテーマは「野に咲く花の名前は知らない」だけど、ピンクペッパーは野に咲く花のようでもある。

合わせたのは安いジンの水割りだけど、滅法合う。

クロダイはまた旬を迎えている


八王子総合卸売センター、福泉でなんとなくクロダイを買う。
市場に魚がなく、選択の余地がなかったのもある。
ただ触っただけで上物とわかるもので、大分県産なので仕立ても素晴らしい。

あざとい色だけど、控えめでしかも芯のある味


近所の大きなスーパーに行き、教えてもらったマダガスカル産のピンクペッパーを買う。
初買いした途端に色があざといので避けていたものだと気がついた。

まるでキャンバスを張るようにベースを広げる


皿にオリーブオイル、にんにく、塩を置き、薄く広げる。
これがボクのカルパッチョのベースとなる。
ここにコショウなど香辛料を振ることもある。

とんとんとんとん叩いてベースに馴染ませる


クロダイはできるだけ薄く切り、貼り付けていく。
貼り付け終わったらできるだけ重いスプーンでベースとクロダイを叩いて馴染ませる。
かなり執拗に叩く。
上にも少量のオリーブオイルをかける。
後はピンクペッパーとルッコラで野に咲く花を、雑草の景色を思い浮かべてお絵かきをする。


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