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コラム

安楽島の角なしサザエを青ゆず蒸しに

鳥羽市安楽島、出間リカさんに感謝しながら、素直にサザエの海の香りを楽しんだ。青ゆずと一緒に鼻を刺激する、海の贈り物といったところだろう。まことに鳥羽の海は豊かだ。出来上がりに搾り込んだ青ゆずの香りが素晴らしい。蒸し煮にしても身(足)は柔らかく甘味があるし、磯の香りもする。くるくる巻いたわたのうまさたるや、名状しがたい。まずは身とわたを食べ、酒の肴に貝殻に残った汁をすする。この汁だけで2合酒が飲める。酒は高知県土佐市の「亀泉 本醸造」だけど、飾り気のない剛の酒で、サザエの真味を邪魔せず、盛り立てる。
コラム

安楽島のウラウズガイ、きれい

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんにいろんな貝を送って頂いた。その中にボクの好きな素敵な巻き貝、ウラウズガイが入っていた。海辺で手軽にとれ、食べられる生き物のことを「磯もの」という。ウラウズガイなどはその最たるものである。しかも後に述べるように、宝物が隠れている。今回、ひとつずつ、くるくる爪楊枝で取り出しては食べ、取り出しては食べ、遠い鳥羽の海を思い出しながら食べる。三重県鳥羽は離島が多く、また深い入り江が多い。当然、磯の生物の宝庫だし、当たり前だけど「磯もの」も多い。ウラウズガイは徳島県宍喰では「抜けず」という。身が取り出しにくいという意味だけど、今回はきわめてスムーズに取り出せる。取り出して小石状のフタを小皿にチンコロリンと落とす。足の食感と甘味、強い磯の風味、わたのほどよい苦みが、やけにいいのである。酒は手土産にもらった兵庫県西宮市の「白鹿」アルミ缶で、予想外にうまし。
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安楽島の金色の貝はナミマガシワか?

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんにいろんな貝を送って頂いた。今回は悩ましいものが多く、悩ましいというか懊悩した。中に金色の二枚貝があって、ナミマガシワとしたが、これ本当にナミマガシワだろうか?貝殻の裏側は色が多彩だけど、金色は見たことがない。なんとなく持っているといいことありそうでもある。
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冷凍「たるいか」でいろいろ

ソデイカは主産地の日本海で「たるいか」、沖縄県では「せーいか」 という。流通上では「赤いか」と呼ばれることがあるのでやっかいである。最近では標準和名ソデイカと表示されていることも多い。非常に大きくなるイカで過去に12㎏の個体を買ったことがあるが、生は刺身にしても歯がたたない。これが冷凍すると柔らかくなり、味が出てくるから不思議だ。町ずしが出前用によく使うのも、味がいいからだ。比較的スーパーで見かける機会が多いが、ほぼ総てが皮を剥いて真四角に切った冷凍ものである。こんな見た目なので安いのかな? と思うと予想外に高い。なぜ、冷凍ものなのに、こんなに高いのか? このイカ、冷凍した方がおいしいからだ。刺身は薄く切りつけてすだちと醤油、わさびで食べる。大イカなのにきめ細やかな舌触りで非常にうまし。
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石巻産ヤマトシジミは北上川のものかな?

ヤマトシジミには島根県や三重県、青森県のように全国的な産地と、宮城県のようにローカルな産地に分かれる。日本全国にこのような流通範囲の狭い産地があるが、宮城県石巻のものは北上川水系もしくは万石浦のものだ。特に北上川のものは「べっこうしじみ」として有名である。久しぶりの石巻産は砂出しをしなかったのに、砂を噛んでいなかった。身に張りがありふくらんでいて、元気はつらつである。みそ汁にするとやけにおいしい。大坂市、『とりゐ味噌』の赤だしと相性抜群であった。
コラム

7月のザルガイは初めてで、まさに美味

4月に手に入れたザルガイは殻長55㎜とちょっと小振りだった。今回、鈴木項太さん(項明水産)に送って頂いた、7月半ばの個体は殻長85㎜もある。同じ一色(愛知県西尾市一色)のものなので、個体群は同じかも知れない。7月半ばの個体は持ち重りがする。湯引きしてみたら、あっと驚くほど肉厚だった。ザルガイ科特有の強い甘味と強い食感があり、貝らしい風味もある。一個一切れではなく、半分に切るべきだったかも、と考えて仕切り直しをすると、半分でちょうどほどよい大きさで、おいしさがじわりじわりとくる。トリガイ、いしがきがい(エゾイシカゲガイ)、本種がザルガイ科の流通3種だけど、トリガイ以外は手に入れるのが至難である。三種三様においしい。三種とも食べているときは、それこそがいちばんと思うということは、味の実力にほどんど差がないということだ。
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ナガニシとイトマキナガニシは味は同じ

神奈川県小田原市小田原周辺で食用とする巻き貝はサザエやクボガイ・バテイラ類、アワビ類など磯ものと呼ばれるもの。ボウシュウボラ、ヤツシロガイなどで、非常に種類が少ない。これに刺網で揚がるナガニシ類(イトマキボラ科ナガニシ属)が加わる。ナガニシ類の同定は非常に難しいが、ナガニシとイトマキナガニシの2種としていいと思っている。水揚げ量が少ないために、小田原では食用にしていなかった。ただし、一日に2、3個必ず揚がるので、知る人ぞ知る、となっている。これを青木太一さん、『すし処 海攻(Carry on)』にいただく。イトマキナガニシ科のナガニシ類は味は同じである。量的にいちばん多いのは日本海のコナガニシであるが、これが「夜泣き貝」として珍重する広島県にも送られている。コナガニシ、ナガニシ、イトマキナガニシの味は同じである。巻き貝の中でももっとも甘味が強く、食感が程よく、貝らしい風味もある。問題は身(足)以外は食用にならないことで、今回いただいた6個でも、3人前あるかないかだ。非常に小さいけど、味は特大である。一度食べたら忘れられない味と言ってもいいだろう。広島県、石川県七尾、鳥取県境港で歩留まりが極端に悪いのに好まれているのは、味のせいだ。
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アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産

アカガイの産地別比較を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。・アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身・アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産アカガイ本ページ東京都豊洲市場は国内でもっとも値の張る水産物を扱っている。すし屋だらけの東京ではアカガイはこれまた、豊洲場内でもっとも重要な水産生物で、日本全国から最高峰のものがやってくる。現在の最高峰は宮城県閖上・渡波、西日本の瀬戸内海周辺、大分豊前海で、それに準じるのが三河産だと思っている。今、豊洲でいちばん高値がついているものを集めてるが、兵庫県播磨灘産はいくつか集めた中でももっとも高値をつけていた。兵庫県の方に聞いたら、「県内でも西部の網干あたり(姫路市)でとれたものじゃないか」という。殻長10cm・165g前後で、すし屋が好んで使うサイズである。このあたりを揃えて送り出してくる産地が高評価を得る。それにしても高い。都内の高級店では最低でも1かん、3000円はくだらない値段である。アカガイは1個の値段で1かんのすしの値段が推測できる、のでわかりやすい。
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アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ

アカガイの産地別比較を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。・アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身・アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ本ページ・アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産アカガイアカガイはフネガイ科リュウキュウサルボウ属の二枚貝だ。貝殻は真っ白だけど褐色の殻皮(貝殻を覆う膜)で覆われ、黒い毛が生えているので、とても薄汚れて見える。北海道南部から九州、ロシア沿海州、中国黄海・渤海、東シナ海までの内湾の泥っぽい浅場にいる。新潟県村上市岩船の底曳き網に物は試しにと、明徳丸さんにいただいてきた。日本海側にアカガイの産地はない。たぶん浅い泥場が少ないせいだろう。とにもかくにも新潟県村上市岩船沖のアカガイは貴重である。非常に味のいいアカガイだった。香りもあるし、渋甘味もある。食感も申し分がない。ただし、残念なことに赤みが弱い。この色だと、都内では売れない。今回の1個体だけでは岩船のアカガイの評価はできない。また行きますので、くださいね。できれば数個体手に入れて食べてみたい。
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アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ

アカガイの産地別比較を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。・アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身・アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ本ページ・アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産アカガイアカガイはフネガイ科リュウキュウサルボウ属の二枚貝だ。貝殻は真っ白だけど褐色の殻皮(貝殻を覆う膜)で覆われ、黒い毛が生えているので、とても薄汚れて見える。北海道南部から九州、ロシア沿海州、中国黄海・渤海、東シナ海までの内湾の泥っぽい浅場にいる。東京都内で閖上産(宮城県名取市)が喜ばれ、高値をつけたのは入荷が安定していること、大きさが揃っていたことからだ。そこに愛知県産、大分県産や山口県産などが混ざってはいたが、入荷が不安定だった。この閖上至上主義が根底からくずれたのは、悲しむべきことではあるが東日本大震災のためだ。徳島県徳島市沖洲の市場はなんども見ているが、アカガイがまとまって揚がっているのを見ていない。豊洲(東京都豊洲市場)で見つけて少しびっくりした。徳島に電話したら、とれているという。漁獲量に波があるようなのだ。殻長10〜11cm ・165g前後は豊洲でいちばん高値をつけるサイズである。ちなみにこの日、最高値をつけていた播磨灘産(兵庫県)、宮城県渡波(宮城県石巻)と同じ値段をつけていた。刺身は特上の味だった。同日に比較した閖上産と比べても、違いはほとんどない。アカガイらしい香りが鼻に抜けるし、苦甘さが非常に強く、後味が短いけど、舌においしい感覚が残る。このクラスになると比べようがないとしかいいようがない。
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アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ

アカガイの産地別比較を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。・アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身・アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ本ページ・アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産アカガイアカガイはフネガイ科リュウキュウサルボウ属の二枚貝だ。貝殻は真っ白だけど褐色の殻皮(貝殻を覆う膜)で覆われ、黒い毛が生えているので、とても薄汚れて見える。北海道南部から九州、ロシア沿海州、中国黄海・渤海、東シナ海までの内湾の泥っぽい浅場にいる。江戸前握りのすしダネとしてはもっとも重要なものだ。アカガイがないと、のれんが出せないというすし屋も少なくはない。昔、『すきやばし次郎 旬を握る』(単行本は1997年)という本に閖上アカガイを絶賛する文章が載っていた。当時、「閖上」はワープロソフトで変換できなかった、それほど目立たない地名だった。この書籍以後、「アカガイは閖上」というのが一般にも一人歩きし始める。なぜ閖上なのか? 築地場内で珍重されたのは東京湾産だったが、これが宮城県産に取って代わったのである。場内の仲卸の経木の座布団の上には圧倒的に宮城県産が多く、「閖上」の文字があっちこっちにあった。宮城県産は、中国産ほどではないが、入荷が安定していた。一定の大きさで例えば1かんの握りにちょうどいいものが揃っている。貝殻が薄めで鮮度もいいし、身がふっくらしているし香りもいいので、高いのは当たり前だった。これが激変したのは2011年3月の東日本大震災である。悲しいことに閖上が被災し、供給がとまったのだ。国内においてもっとも需要圧のある東京で、もっとも需要の高い春に閖上からアカガイが来ないのですし屋は大打撃を受ける。そこで、国内の産地の見直しが始まり、瀬戸内海周辺や大分県からアカガイがやってくるようになる。写真は山口県宇部市産である。山口県の瀬戸内海側は宇部市だけではなく、アカガイの生息しやすい河川の流れ込む入り江、泥場が多い。ちなみに築地の時代はアカガイはアサリの4倍から5倍くらいの値段だった。これは今も変わらない。山口県産アカガイの値段は今、アサリの5倍以上の値段をつけるので、復活した宮城県閖上と変わらない、ということになる。貝殻の特徴はころんとしていて、殻が薄いことだ。
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アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ

アカガイの産地別比較を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。・アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身・アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ本ページ・アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産アカガイアカガイはフネガイ科リュウキュウサルボウ属の二枚貝だ。貝殻は真っ白だけど褐色の殻皮(貝殻を覆う膜)で覆われ、黒い毛が生えているので、とても薄汚れて見える。北海道南部から九州、ロシア沿海州、中国黄海・渤海、東シナ海までの内湾の泥っぽい浅場にいる。取り分け、東京湾(江戸湾)のアカガイは有名だったし、たぶん19世紀初めに江戸前握りずしが完成したとき以来のすし種だ。江戸前のアカガイは最初は隅田川河口域、やがて千葉県方向に産地を移していく。千葉県浦安(市川市)、船橋、検見川(千葉市)、袖ケ浦、木更津、富津とだんだん江戸城から離れていく。すし種でアカガイを「検見川」というのは日本橋魚河岸(1600年前後〜関東大震災の1923年くらいまで)と東京築地での呼び名でもある。現在、閖上(宮城県名取市)が一般には有名だが、本来は東京湾こそ本場だったのだ。1960年後を知るすし職人は「昔の青柳は使いやすい大きさで貝殻が薄かった」という。ちなみに築地市場(現豊洲市場)の仲卸の創業者には、浦安や船橋出身者が少なくない。これも、主に千葉県の業者がすしダネとしてのアカガイなど二枚貝を主として扱っていたことによる。
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おいしいザルガイ、今年は多いなー

豊洲市場(東京)で見て、八王子にも来ていて、岐阜県多治見市『オオマツフード光ヶ丘店』で見つけて買った。すべて三河湾産で一色(愛知県西尾市)水揚げだろう。ザルガイは矢鱈にうまいので、ついつい買ってしまう。すべてほぼ同じ大きさで殻高60㎜ほどで小振りである。豊漁ならせっせと食べようと言うことで、今季3度目の剥き身にして湯にくぐらせる。氷水にとって水分を切り、足の部分(鳥のクチバシ状)のワタを押し出す。本当はひとつひとつ開いて湯通しした方がいいが、面倒なので手抜きする。本種などトリガイ以上に味があり、トリガイに負けないほど食感がいい。今年はたっぷりザルガイが手に入り、楽しめている。
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アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身

アカガイの産地別比較を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。・アカガイ産地食べ比べ 番外編 中国産アカガイの刺身本ページ・アカガイ産地食べ比べ1 東京湾富津産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ2 山口県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ3 徳島県産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ4 新潟県岩船産アカガイ・アカガイ産地食べ比べ5 播磨灘産アカガイアカガイはフネガイ科リュウキュウサルボウ属の二枚貝だ。貝殻は真っ白だけど褐色の殻皮(貝殻を覆う膜)で覆われ、黒い毛が生えているので、とても薄汚れて見える。北海道南部から九州、ロシア沿海州、中国黄海・渤海、東シナ海までの内湾の泥っぽい浅場にいる。10年くらい前、知り合いのすし職人をつかまえてはいろんな話を聞いた。都下(東京都24区以外)のすし屋にある春の日に来た若い客が、「やっぱりアカガイは閖上ですよね」、というので「違いますウチのはニーハオです」と言ったら変な顔をしていたらしい。それでもつまんだか、つままなかったかは知らないが、夜、1人前4000円(税込み)で閖上(宮城県名取市)産が出せるわけがない。閖上という言語が一人歩きしているのだ。しかも国内産地で閖上が最上位ではなくなっているのである。ということで今回の味見も中国産である。3月の中国産アカガイはボクには極上である。アカガイは香りだ、と思っているが、いいと思うな中国産アカガイの香りも。身(足)の甘味もひものうるわしくコリコリ感もいい。今年は、5年振りに日本中のアカガイを食べてみることにしたけど、中国だって充分うまいのである。問題は産地毎に比べてどうかだ。ちなみにアカガイといったら日本酒である。岐阜県多治見市の三千盛の本醸造は辛口すぎた。
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サラガイか?アラスジサラガイか? 白貝は2種類

八王子総合卸売センター、福泉に厚岸から「白貝」が来ていた。「白貝」は北海道などで「ほっきがい(ウバガイ)」と一緒にとれる。「白貝」が来ているということは「ほっきがい」の漁期でもあるということだ。今、流通上、「白貝」とされている二枚貝を同定するときの検索項目の整理をしている。たぶん、この国に住む人の0.01%すらわからない話だが、たまにはこんな話もしてみたい。「白貝」はとても普通の食用貝で関東各県、東京のスーパーではそれほど珍しくはない。1990年代にはこんなことはなかった。比較的珍しかったといっても間違いではない。なぜ、スーパーに並ぶ機会が増えたのか?アサリがとても危険な状況に置かれていて、急激に減少しており、それをおぎなっている中国、朝鮮の産地も決して安泰ではないからだ。さて、この「白貝」には2種類の二枚貝の総称だが味はまったく同じである。別に2種類を1種類と考えてもなんら問題はない。でも、ボクには意味がある。ちなみに貝の収集家にも意味がない話なので、「白貝」の検索項目を調べているのは、国内で数人くらいかも。今、市場で「白貝」の荷を見つけると、目をつぶって、これはアラスジサラガイ、これはサラガイと3個ずつ選び、その通りであることを確かめるということをやっている。別に難しいことではないが、目を開けてまざまざ見るよりも正確に区別できる。貝殻の撮影をして中間的な個体を探しているので、同定は早くなければならない。写真は2種類のニッコウガイ科サラガイ属、市場で「白貝」とされる二枚貝である。非常においしい貝なので、同定などしないで日常的に食べてほしいものである。
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アサリの伝説、木更津ブルーはボクの独り言

言った憶えがあるので否定できないので非常に困った。問題は「(アサリの)木更津ブルーは本当ですか」という話である。たしかに初めてこの言葉を吐いたのはボクだと思う。国内、中国など海外でみてもアサリの青い個体の比率は低いのに、千葉県木更津、富津のアサリは青い個体の比率が高い。「木更津ブルー」はそこから飛び出した言語なので、犯人はボクだ。でも今頃、どこで、どのような媒体で見たのか知らないけれど、わざわざ聞いてくるなんて、思いもしなかった。ついでに、とあるDと撮影中に「空の色のようなブルーのアサリを見つけると、幸せになる」と言った気がする。また、サービス精神旺盛なボクは、今回も、「青い、ブルーのアサリを見つけると幸せになれるという木更津の伝説があるんです。もちろん木更津に限りません。四つ葉のクローバーよりも確実に幸せになると思います」と言ったけど、本気にしなかったと思うけど、どうでしょうね。ちなみに幸せになれる保証はない。
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安楽島のイワガキでフライを作ったら目から鱗だった

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんに送って頂いた貝類の中にイワガキが入っていて、大小あって、大を蒸し、小をカキフライにした。これが想像以上のおいしさだった。あまりにもおいしくて、今夏はイワガキのフライを何度も作った。イワガキとマガキは近縁種なのでそんなに違いはない、と思っていたのが大間違いだった。
ゆでサザエ
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安楽島のサザエはゆでるだけでうまし!

サザエでもっとも簡単な料理法は、塩ゆでである。今回は、三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんに送って頂いた貝類の中にサザエがたっぷり入っていた。撮影していろんな料理にしたが、たっぷり入っていたので、何個かをそのまま水洗いして水を張り、塩を加えた鍋に入れて火をつけた。たぶん約8分くらいゆでてそのまま鍋止め(鍋のまま冷ます)する。ゆで汁は吸物程度の塩分濃度である。このやり方は昔々、防波堤釣りで川奈港(静岡県伊東市)に通っていたことがあり、そこでお昼ご飯を一緒に食べていた(引退した)漁師さんに習ったもの。島根県隠岐では少量の水分で蒸すという話を聞いたが、要はゆでるだけなので、さほど深く考える必要はない。最近までやや濃い目の塩水で煮ていたが、最近薄味でもいいと思うようになっている。ふたの隙間に貝剥き(貝棒)を入れて軟体部分を取りだし、砂を噛んでいたらゆで汁で洗う。あとは酢みそでもいいし、意外にそのまま食べてもおいしい。ルール無用なので好きなように食べるといい。ちなみに知り合いの居酒屋オヤジのおすすめはタバスコ&マヨ(ネーズ)だ。醤油で食べてもいい。ちょっと変だけど、ウスターソースで食べてみた。これが変だけどうまい。ときどきサザエは苦みだなんて通っぽいことを言う人がいるが、そんな人にはワタだけ食べてもらってもいい。ボクは通などになりたくもなし(一応一茶風に)、なのでワタの苦みはちょっぴりでいい。このどうにでもしてね、というのがサザエのよさだ。
ツバイの塩ゆで
コラム

和名が消えるかもわからない、ツバイ

ツバイは小型の巻き貝なので主に煮つけや塩ゆでで食べられている。身(軟体)は取りだし安く、煮ても軟らかく、甘味が強い。ワタに苦みがなく味わい深いので子供にも人気がある。安い上に、甘味があるので日本海側ではおやつとして食べたという人も少なくない。
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難易度高めのオニサザエ

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんに送って頂いた貝類の中にオニサザエが入っていた。せっかくなので「食用貝類基本のキ」を書く。オニサザエは食用貝だが、認知度はきわめて低い。知っていたら学者級である。オニサザエはアッキガイ科テングガイ属の巻き貝だ。この属の巻き貝は国内に約16種いるが、大型は総て食用貝である可能性が高く、おしなべて味がいい。本種は房総半島・能登半島以南の浅い磯(岩礁域)に生息している。褐色で岩そのものの色合いで黒褐色で、非常に刺々しい。棘はざらついて長い。ちなみに同じアッキガイ科テングガイ属のオニサザエ、センジュモドキ、ガンゼキボラの3種は同じように浅い岩礁域にいて、同じ食文化を作っている。手に入れていないがセンジュガイもそこに入ると思われる。4種は非常に似ていて、貝の同定に熟達していないと区別がつかないので、よくとり違えられていることも知って置くべきだ。ただし実見した限りでは、いちばん小売店などで見かける機会が多いのがオニサザエで、また地方名も多い。『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)とボク自身が集めた呼び名を整理するとその特徴が浮かんでくる。「棘」や「針」、「鬼」がつく名前が多いのは棘だらけだから。鳥羽市安楽島の「がんこーじ」は直感的だが「岩」に関係しているでは、と考えている。同様な例では「岩ぼら」がある。「さざえ」と呼ぶ地域があるがこれも「細石」の転訛だとしたら石のことだ。「鬼の手拳」、「鬼の手ご」なども貝殻が非常に硬いことと、その刺々しいところから来たのだろう。
コラム

アカガイ、サトウガイ、サルボウガイの比較

食用リュウキュウサルボウ属3種の比較。愛知県一色はいまだに浅瀬が健全な状態で保たれている。東京湾も昔はこうだったのだろうという、そんな生き物が現に存在している。江戸前、東京湾には古くは干潟にサルボウガイがいて、少し沖にアカガイがいた。東京湾でも外湾にはサトウガイがいたのである。今、この3種は生息しているものの、ほぼ水揚げがない。余談になるが、サルボウガイとサトウガイの模式標本産地(学名がついたとき基準とした標本)は東京湾、アカガイはなぜか北海道となっている。対するに一色には今回のリュウキュウサルボウ属(アカガイ属)3種が漁業の対象として成り立つほど生息している。3種の比較。値段。このサルボウガイ、サトウガイ、アカガイの値段は、サルボウガイがいちばん安く、サトウガイが真ん中あたり、アカガイがいちばん高い。特に国産のアカガイは非常に高価で、市場で見かけるのは中国産ばかりとなっている。3種の比較。足の色。サルボウガイは黄色みの中に赤みが差す。サトウガイは黄色みは弱いが赤みもそんなに強くない。アカガイは赤みが強い。3種の比較。味。3種とも非常においしい。サルボウガイ、サトウガイは味が似かよっている。サトウガイの方が大きくなるので高いだけかも知れない。アカガイも味では上の2種とあまり変わらない。問題はアカガイならではの香りである。この香りだけで財布の紐が緩むと言ってもいいだろう。項明水産、鈴木項太さんに感謝致します。項明水産https://komeisuisan.com/
コラム

ザルガイ佃煮で茶々漬

子供の頃、桑名の殿さん ……♪ 茶々漬♪ をおぼえて、茶がけ(徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)で茶漬けは茶がけ)を食べるときよく唄ったものだ。そのときはこんこで茶漬けだったけど、大人になって自分が稼いだ金で、桑名の「しぐれはまぐり」を買い、茶漬けにのめり込んだことがある。次いで、東京都浅草橋の『鮒佐』のアサリの佃煮。でも2025年の今、佃煮屋で貝の佃煮を買うのは無理だ。1食分で定食が食べられてしまう。だからある程度の量の貝があると、佃煮を作る。トリガイをはじめザルガイ科の二枚貝はすべておいしいけど、ザルガイは取り分け味がいい。煮上がった佃煮はバットなどに移して冷ます。出来上がった佃煮は平凡な作り方なので平凡においしい。ザルガイは煮てみて初めて気づいたことだけど、硬くなりにくく、内臓がやけにおいしい。たっぷり酒が飲めた日だったら1尾分で正一合はいける味である。
コラム

コウイカでお好み焼きは贅沢だけどおいし

幼稚園くらいからお好み焼きは自分で作っていた気がする。「なぎたん(長方形の野菜を切る包丁)」でキャベツを切ることから始める。小麦粉を溶き、卵を割り入れて、キャベツを入れて、カッカッカッカと匙で生地に空気を含めるように混ぜるのが基本。カッカッカッカと匙で、は徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)特有のものかと思ったら、徳島市内でも兵庫県でも大阪府でも奈良県でも同じだった。今では1枚に卵は2個、それに高級なコウイカを加えるなんて、びっくりしたな、もー、だ。ついでに少しだけ塩で、最近マヨネーズも。フライパンに油を入れて、熱くなったらゆくり真ん中が盛り上がるように流し込む。別にボクだけがやっていることだろうけど、できるだけ早く裏返す。これまたボクだけのことだろうけど、絶対に上から押さえない。蓋をして火を通す。ふたたび裏返してやや強火にして、蓋をしないで香ばしく焼き上げる。このとき何度かひっくり返して焦がす。最後にイカリソースの「関西あまから」を塗ってマヨをかけて出来上がりだ。見た目は超いい加減、作り方もウルトラC級にいい加減だ。板東粉と鰯粉をかけたが、撮影時にはかけていない。これが実においしいのは、明らかにコウイカのせいだと思う。分厚いのに硬くなく、甘味がある。生地にコウイカのうま味が移っていることも舌で感じられる。悲しいのはイチミツボシ、加賀屋の甘すぎるお好み焼きソースがないことだ。やはり徳島県の田舎もんのお昼には、お好み焼きが似合う。
コラム

サラガイのチャーハンとそばつゆで作ったワカメ汁

マルスダレガイ目マルスダレガイ科スダレガイ属の二枚貝を同定中なので、机の上が図鑑、専門書10冊と貝殻でいっぱいいっぱいになっていた。要するに、悪戦苦闘していたのである。猛烈に頭が忙しい最中なのに腹が減る。お腹と背中がくっつくぞ、となり、冷凍庫を漁る。見つけたのは正体不明のこれまた二枚貝の剥き身だ。これを解凍する。ご飯をチンして、ねぎを刻む。卵を割ってかき混ぜる。鉄のフライパンを熱して、卵を入れて、片面が焦げたら剥き身とご飯を同時に入れる。炒めたら加減をみて(貝に塩気があるので)塩コショウ。さらに炒めてねぎを散らして、またまた炒めて出来上がり。同時にそばのつけつゆを水で割って温めて、わかめの汁を作る。
郷土料理

小さいけど非常に美味、ミクリガイ

ミクリガイの仲間(エゾバイ科ミクリガイ属)は、主に煮て食べる巻き貝である。煮て食べる巻き貝には、同じエゾバイ科の「磯つぶ(エゾバイ)」、「白ばい(エッチュウバイ)」、バイ科のバイなどがあるが、味の点ではこれらを凌ぐと思っている。比較的通好みの、知る人ぞ知る、といった巻き貝だが、この小さな巻き貝のことも知って置いて損はないだろう。ミクリガイの仲間の巻き貝はみな小さいく、模様が様々でとても美しい。本州、四国、九州の比較的暖かい浅い海域で至って普通に見られる。食用となるミクリガイ属はミクリガイ、九州東シナ海側のクロスジミクリ(ミクリガイとされることが多い)、ミオツクシ、シマアラレミクリ、トウイトガイ、マユツクリガイなどだ。ときどき市場流通もするが、産地周辺で消費されることが多い。このわずかに市場流通していたものが、ここ十年来、より希なものとなっている。明らかに生息数が減少しているのだと思うし、浅場のカゴ漁など貝をとる漁が衰退しているのもある。そして最大の、減少の原因は、日本列島の海岸線の乱開発だと思っている。沿岸域の浅場では、今、巻き貝など軟体類だけではなく、魚類も減少傾向にある。ミクリガイの仲間で比較的見かける機会が多いのはミクリガイだ。ときどき全国流通もするが、同種内での色・模様や形の変化が大きい上に、非常に地方名が多いため、貝専門の仲卸(市場の魚屋)にすら認知度が低い。また、近年、プロの料理人の水産物への関心が、ますます薄れている気がする。今やプロといえども、目立つものには強い関心を示すのに、地味なものには無関心なのである。流通が不安定なものは儲からないので、ミクリガイの仲間には興味がわかないというのもあるだろう。■写真は愛知県西尾市一色産ミクリガイ。
コラム

「磯つぶ」とはエゾバイのことである

巻き貝は、一般的な生活をしていると食用として遠い存在でしかない。唯一身近な存在がサザエだと思うが、他になにか、というと出てこない人が多いはずだ。そんな食用巻き貝の代表的なもののひとつがエゾバイである。エゾバイはエゾバイ科エゾバイ属エゾバイ(Buccinum middendorffi、市場では「磯つぶ」)なので、「蝦夷=北」の「蛽=巻き貝」を代表するものと言っていいだろう。貝殻の巻き始めを上にして立てたときの長さは5cmほどなので、とても小さい。小石のようにごつごつして貝殻が硬い。『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局 20170130)に東北以北の潮間帯(潮の満ち干で海水に使ったり干上がったりする浅場)に生息しているとあるが、東北に本種がいるとは思えない。探せば見つかる程度にはいるのだろうか? 主な産地は北海道太平洋側である。北海道日本海側にはいないはずだし、内浦湾(噴火湾)からの流通も見ていない。ちなみに日本の貝類図鑑は主に貝の収集を行っている人達のために作られている。貝殻偏重で、その貝自体に興味のある人のためではない。北の貝は収集の対象ではないので、かなり長いこと北の貝に関しての、生息域などなどの進歩が見られないのが残念でならない。
料理法・レシピ

「ほらがい」、ボウシュウボラ・ナンカイボラの下ろし方

ホラガイ科ホラガイ属の巻き貝は国内に2種。琉球列島にいるホラガイと、ボウシュウボラである。ボウシュウボラには深場にいるタイプがあってナンカイボラとされている。この2タイプは味が微妙に違うが、日本各地で区別しないで「ホラガイ」と呼ばれている。ともに貝らしい強い食感があり、貝らしい風味が強い。巻き貝を食べている、という感じが強くする。ボウシュウボラの方が食感が強く、貝らしい風味も強いが、どちらもとてもおいしい。写真はナンカイボラタイプだ。
コラム

貝類の同定は大変であーる、一色の貝類

愛知県西尾市一色から連れて帰ってきた貝殻に埋もれて、時間を忘れるし、食事は金ちゃんヌードルだし、で大変だった。過去の写真データ在庫まで遡る必要があるので、計4日間も要した。
コラム

Neptuneaは苦痛の種

ちょっとだけ面倒な貝の話なので、わかる人だけに。八王子卸売協同組合、舵丸水産にきていた「真ツブ・赤ツブ」を同定する。北海道根室産だが、当然、太平洋側だろう。Neptunea(エゾバイ科エゾボラ属)の巻き貝はいたって普通の食用貝だけど、同定しようとすると、とてもやっかいである。今回の、Neptuneaは非常に小型で殻長(貝殻を立てたときの高さ)は90〜110mmしかない。比較的同定しやすいものばかりだけど、エゾボラモドキは北海道道東らしい形態である。クリイロエゾボラも幼貝だけど、疑問の余地がない。真ツブ(エゾボラ)も貝殻の形態は安定している。フジイロエゾボラは同じようなものにウネエゾボラ、ウスムラサキエゾボラ、ドウナガエゾボラがいるが、このあたりの検索項目に関しては、北海道まで行き、専門家と議論してみたいところだ。写真は上3つがフジイロエゾボラ、下左端がエゾボラモドキ、左から2番目がクリイロエゾボラ、下の右2つがエゾボラ(真ツブ)。
コラム

茨城県産(?)ケンサキイカで「イカじゃが」

茨城県産だと思われるケンサキイカは、底曳き網ものなのでとても安い。このような「そうざい種」を探すのが最近、とても、難しくなっている。作り始めて約20分ほどで出来上がるので、これがこの日の朝ご飯のおかず、となる。それにしても、我ながら醤油人間だと思う。醤油がないと朝ご飯が始まらない。起き抜けの「おめざ(甘いもの)」の甘さを、9時前の朝ご飯の醤油で洗うといった感じだ。自宅で肉を食べないので、今回のものは「肉じゃが」ではなく、「イカじゃが」である。魚でも同じようなものを作るが、魚や軟体類、希に甲殻類などで味の方向性が変わってくるのも楽しい。ケンサキイカは思った以上に煮汁に水分を放出して縮むけど、おかずに見た目は関係ないと思っているので、これで、いいのだ!そんなことを度外視しても、イカのイカらしい風味とうま味で煮染まったじゃがいものうまいことよ。穀物めいたじゃがいもがなぜ、おかずになるのか、ときどき考えても仕方ないことを考える。個人的には醤油と、動物性のうま味を吸収したじゃがいもは、最強のご飯の友である。もちろんイカだって、主役は「わたしよ」と、その甘味・うま味をちゃんと口の中に残す。これに秋田県男鹿市、船川のワカメのみそ汁、うどの酢漬けで、ほぼ一汁一菜である。これで朝・昼ご飯の友となり、夜はちょっとお値段の高い、「晴れ風」というビールの友とする。貧乏暮らしなので、贅沢はビールだけだ。
コラム

コタマガイの話

北海道から九州の外洋に面した砂浜に生息している。ハマグリと同じマルスダレガイ科の二枚貝で、少しだけハマグリに似ているが、一回り小さい。貝殻が正三角形に近く厚みが薄い。独特の模様があるが、とてもバラエティに富んでいる。標準和名(図鑑に掲載されるときの名)コタマガイは、正しくは「こだまがい」で東京周辺で使われていた呼び名である。漢字にすると「小玉貝」だが、由来はいろんな説があるがはっきりしない。成長すると貝殻の大きさが7㎝超える。なんだ7㎝かと思われるかも知れないが、二枚貝としては大きい方だ。国内ではいたって平凡な食用貝で、たぶん水揚げ量もそれほど少なくない。不思議な二枚貝で、ある日突然、砂浜に大量発生することがあり、ニュースになったりする。我が家に初めて来たのは何十年も前のことで、知人のまた知人というか見知らぬ人から大量に送られてきた。たぶん鳥取県の方からで、こちらもニュースになっていたようで、浜辺は本種を探す人だらけだという。渚を裸足で歩いていると、足の裏に貝が当たり、それこそごろごろと見つかる。ただし、そんな騒ぎも貝と一緒にあっと言う間に消えてしまう。秋田県の方にももらったことがあるし、宮城県からも送られてきたこともある。ちなみに、送られて来た理由は共通して、「貝の名を教えて?」というものだ。突然とれるけど、突然いなくなって何年もとれない。また突然とれる、というのを繰り返す、だから名前を忘れてしまうようなのだ。一端とれ始めると、渚を歩くだけで、ごっそりとれ、見た目がきれいなので印象に残るのだ。
コラム

白貝は今のところ2種類の総称

以下は少し抽象的だし、専門的なので、読みたくない人は読まないで欲しい。貝の同定は、ときに貝屋にならないとダメだ。貝屋は1種類、もしくは近似種をできるだけたくさん並べて比較する。ちなみに、同じ屋のつく虫屋も同様のことをやっている。同じ仲間(属)、もしくは同じ種を並べて変化を楽しんでいる。ちなみにボクは変化に苦しんでいる。貝屋とは非常に粘り強く、自分なりに種の形態の特徴付けができないとならない。ボクたちはアナログの世界にいるが、科学というのはこの世界を、仮にデジタル化することであるかも知れない。特に貝類の巻き貝など姿形が限りなくアナログで、種と種の段差が見つからないことが多い。千葉県立博物館で貝類学者の照屋清之介さんと、遺伝子に関する雑談をしているとき、巻き貝などは同属で交雑が激しく、種と種の間がはっきりしない、などという話が出た。しかも貝類の形態学の対象のひとつが貝殻だという特徴がある。多くの貝類の種のタイプ標本(種の名/学名をつけるときに基本となる標本)は貝殻だけではないのだろうか。さて、今回の、一般に白貝とされるものに話を移す。昔、白貝はサラガイ、アラスジサラガイ、ベニザラガイの3種だと思っていた。ただ、ベニザラガイが混ざる可能性はとても低いという話を聞いて、自分なりに調べてなおしてみると、「ベニザラガイは流通しない可能性が高い」という自分なりの結論に達した。となると白貝は、サラガイ、アラスジサラガイの2種という事になる。この2種にもアナログ的な部分、種と種の不明確な領域がある。だから白貝とはなんだ? と考えると、かなり手こずることがある。ちなみに3月3日の道東産(北海道東部太平洋側)の白貝は、サラガイ(内側が黄土色)とアラスジサラガイ(内側が赤紫)が半々であった。もちろんベニザラガイはいなかった。
コラム

相模湾小田原産アカニシの酢みそ和え

神奈川県小田原魚市場の隅っこにいた小振り(95mm SL・99.5g)のアカニシを連れ帰ってきた。アンコウやヒラメを狙う沖合いの刺網に混ざったものなので、水深60m以深にいたものだろう。ちなみに、アカニシは、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』には潮間帯から水深30mにいるとあるが、そんなに浅い場所で産卵期とはいえキアンコウがとれるわけがない。ウチワエビやアオミシマと一緒に競りに出されていたもので、これを小田原では、「くちもの」という。巻き貝は生息場所によってアナログな変化が見られる。貝の専門家ではないものの、気になって仕方がない。このアカニシの過去の全データを色合い、貝殻の厚み、角のあるなしで水深、生息環境がわかるのではないか? と比較してみた。今回の相模湾の比較的深場の貝殻と比較した挙げ句、結局水深による変化も生息環境での違いもわからなかった。やはり巻き貝の形態変化は門外漢にはわからない。
コラム

中国産ホンアメリカイタヤの話

イタヤガイ科の二枚貝であるホタテガイのことは誰でも知っているだろう。ホタテガイが一般的になったのは養殖されるようになってからだ。それまで本州以南でもともと食べられていたイタヤガイ科の二枚貝はイタヤガイ、ヒオウギガイ、ツキヒガイ、アズマニシキ、アカザラガイなどなどで、どすべて水揚げ量は少ないし、一般的ではない。今現在、イタヤガイ科で一般的な食用貝はホタテガイだけだ、と言えるだろう。さて、それでは東京など関東周辺のスーパーに行って、イタヤガイ科の貝を探すとしよう。もちろんホタテガイはすぐ見つかると思う。ただ、それ以上に目立つのは中国産イタヤ貝という小振りの貝柱だ。業務用のスーパーなどでは至って普通の冷凍食材だし、一般的なスーパーでも荒天で不漁が続いているときなどには刺身として並んでいる。しかも加工品がとても多彩で安いのである。我がデータベースには2004年から画像があるので、もっと歴史は遡りそうである。今や「イタヤ貝」は国内では、この国を原産地とするイタヤガイ以上に一般的だと思う。ではこの中国産イタヤ貝とはいかなる生き物なのか?日本で考えられた標準和名はホンアメリカイタヤという。「ホン」とは当然「本」のことで、このあたり難しい話になるので避けるが、当然、単にアメリカイタヤというそっくりな二枚貝もいる。両種とも北アメリカ大陸東岸のカナダ・アメリカ沿岸域にいる。ホンアメリカイタヤの方が北に生息域を持つ。もちろん国内に生息しているイタヤガイとは貝殻の形、大きさからして縁もゆかりもない。
コラム

相模湾小田原産ナガニシの刺身

神奈川県小田原魚市場の隅っこにいたナガニシを連れ帰ってきた。たぶん刺網に混ざったものだろう。アッキガイ上科イトマキボラ科ナガニシ属は千葉県立博物館、照屋清之介さんが遺伝子の解析を行っている最中である。相模湾のナガニシが標準和名ナガニシであるのか、不明ではあるが、現在のところはナガニシとしておきたい。ナガニシの仲間の足(筋肉)は巻き貝の中でも屈指の美味である。問題は非常にちょぼっとしか筋肉がとれないということ。内臓は食用不可なので非常に歩留まりが悪い。またこのナガニシ属を好んで食べる地域は少なく、広島県、鳥取県の一部、そして石川県七尾周辺である。七尾の町を歩いていると、身を取り出すために、「あかにし(コナガニシ)」の貝殻をたたき割る音が聞こえてきたものだが、震災・豪雨の後、大丈夫だろうか?
コラム

標準和名、チョウセンハマグリの話

ハマグリにも種があることから。今現在、国内で消費されているハマグリの値段は、同じ大きさならハマグリがチョウセンハマグリよりもやや高く、この2種よりも安いのが中国産のシナハマグリと台湾産のタイワンハマグリである。種を見分けるのは意外に難しいが、最近では産地表示がしっかりしているので、産地で判断できる。今回のチョウセンハマグリは鹿島灘・山陰地方以南の外洋に面した砂地に生息している。ハマグリそっくりだが、殻が硬く厚みがあり、ハマグリのような多彩な文様はない。大きくなるので、宮崎県産などは白い碁石の材料となる。比較的一般的な食用二枚貝だが、本種の標準和名を知っている人はほとんどいないだろう。茨城県、千葉県、宮崎県が産地として有名である。チョウセンハマグリという和名は江戸時代末期に作られた貝類図鑑『目八譜』からとったものだ。なぜ、「朝鮮」なのか?作者の武蔵石寿は250石取りの歴とした旗本であり、教養人であった。江戸時代の教養人、例えば儒者の雨森芳洲などにとって「朝鮮」という言葉はある意味、「遠い地」とか、「身近にないもの」とかの意味があった。どちらかといえば、憧れの何か、を指す言葉が「朝鮮」だったのだと考えたい。ハマグリは実際に使われていた一般的呼び名だが、チョウセンハマグリは武蔵石寿などが名づけた少しだけ博物学的(いろいろ調べてアマチュアなりに研究する)な呼び名だ。江戸住まいの武蔵石寿にとってハマグリは江戸湾に普通にいる身近な存在だったが、九十九里や相模湾で揚がるチョウセンハマグリは「遠くから送られてくるもの」という意味で名づけたのだと思われる。1980年くらいまでの築地市場(現豊洲市場)では外洋に面した砂浜育ちのチョウセンハマグリを「ばち」と呼ぶ人が少なくなかった。江戸湾(東京湾)にいるハマグリは本場ものの「本はま」、九十九里などにいて送られてくるものは、「場違い」なので「ばち」だ。ちなみにアカガイ類(フネガイ科サルボウガイ属)に関しても、江戸湾でたくさんとれたアカガイは「本玉」といい、外洋九十九里などにいるサトウガイを「ばち玉」という。2025年現在、国内産のハマグリの減少がはなはだしく、普段見かけないので、本種を「ばち」と呼ぶ人はほぼいなくなり、「地はま」に変わっている。■写真は千葉県産のチョウセンハマグリ。
郷土料理

ヤリイカげそと生ワカメの炒り煮

毎年のことだけど2月の市場は客が少なく、魚介類も少ない。こんなときはイカだ、となる。昔はスルメイカが安かったので一択だったけど、最近、イカ全種が高いので、その日にいちばんお買い得なイカを買う。この朝、比較的お買い得だったのは、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にあったのは産地不明の雄のヤリイカである。最近、早朝に和菓子、11時くらいに朝昼兼用のご飯なので、使いたくない言語ではあるがブランチかも知れない。飯のおかずは作り方が簡単で、コツと言えるほどのコツがなく、皿に盛るまでが10分程度で作れるものがいい。
千葉県産サザエ
コラム

サザエ、基本のキ

サザエは北海道南部西岸から九州までの、日本海・東シナ海、千葉県以南九州までの太平洋、瀬戸内海の浅い岩礁域に生息している。巻き貝の中でも漁獲量が多く、もっともありふれた存在である。主な産地は圧倒的に日本海が多く、代表的な産地は長崎県、山口県、新潟県、島根県などだ。太平洋側でも三重県、千葉県などで揚がるが、産地としての太平洋沿岸域は弱い。分類学的には古腹足目サザエ(リュウテン)科リュウテン属サザエであるが、おぼえたい人はおぼえるといい。サザエの仲間(サザエ科)には鹿児島県以南にいるチョウセンサザエや、食用だけではなく工芸にも使われるヤコウガイがいる。標準和名の他に学名(世界的に共通する名)がある。古くサザエの学名には、Turbo cornutus Lightfoot, 1786(実はサザエではなくナンカイサザエ) が使われていたが、調べてみたら、サザエ自体には学名がなく、分類学的には新種であることを岡山大学の福田宏准が突きとめた。2007年に初めてついた学名が、Turbo sazae Fukuda, 2017 である。学名は一般的に縁遠いものだがおぼえておいてもいいだろう。
コラム

海にいる巻き貝の代表選手だったバイ

本種の標準和名バイは、江戸時代以前から使われていた言語だ。「ばいがい」という人が多く、市場などで「ばい貝」と書かれているのもよく見かける。実は「ばい」も漢字では貝なのである。「ばいがい」を漢字にすると「貝貝」になる。これくらい国内の巻き貝の代表的なものだったとも言えるだろう。古くから居酒屋などで「ばい貝の煮物」は定番的な酒の肴であった。1900年代には飲食店などではとても重要なもので、築地場内で「突き出しがない」と本種を探し回っている人を見ている。
コラム

白ばいの大方は富山湾にいないエッチュウバイ

「白ばい」はもっとも流通量の多い巻き貝のひとつだ。標関東や関西などの消費地でもお馴染みで、比較的スーパーなどで見かける機会も多い。代表的な産地は島根県と山口県である。標準和名(図鑑などに載っている名)はエッチュウバイでというが、流通の場にいても知らない人がいる。貝を勉強し始めたとき、このエッチュウバイという和名よく惑わされたものである。まさか越中富山にはいない貝で、山陰に多いなんて誰も思わないだろう。分類学的に書くと「エゾバイ科エゾバイ属エッチュウバイ」である。このエゾバイ科には食用貝類がたくさんいるので、専門的になりすぎるが、おぼえておくと便利だと思う。日本海福井県以西の深場に生息している。済州島にはいる可能性があるが、朝鮮半島にはいない。世界的に記載したのはイギリスのジョージ・ブレッティンガム・サワビー1世だ。このサワビーはⅡも含めて、動物学者でもあり、植物学でもあり、イラストレーターでもある。日本には一度も来ていない。採取したものを別の人間がイギリスまで送り届けて記載したことになる。ついでに、この一族がやらかした分類学的な謎はすごく多いと思うが、専門家の方はどう思っているのだろう。エッチュウバイの「ばい」を漢字にすると「貝」、とくに巻き貝のことだ。同じ意味の漢字に「螺(にし)」、「蜷(にな)」がある。海産巻き貝のことを日本海側では「ばい」ということが多く、北海道や本州太平洋側では「つぶ」ということが多い。「えっちゅう」は当然、「越中(現富山県と思っていい)」である。福井県以西にいるのに「越中貝」とは不思議だと思わないだろうか?模式標本(タイプ標本とも。種として記載したときの標本)は丹後半島沖なのである。この模式標本からするとタンゴバイにすべきである。
コラム

標準和名ハマグリの話

「ハマグリ(標準和名はカタカナ)を知らない人はいないでしょう?」と言う人はハマグリを知らないと思う。一般的な「はまぐり(一般名称は「」内)」に関しての知識がある人も、歴史的にも有名な標準和名のハマグリを知っている人も、この国の1パーセントもいないと思う。だいたいハマグリを食べたことがある人などほとんどいないはずだ。ハマグリはアサリと同じマルスダレガイ科の二枚貝である。北海道南部から九州の内湾の干潟などに生息している。内湾の歩いて行ける浅場にいるために国内では縄文時代(紀元前16000年前後〜紀元前1000年前後)にも盛んに食べられていた。古くはたくさんとれたが、20世紀の後半には減少し始め、今や産地と言えるほどの産地は数えるほどしかない。平安時代の「貝合」の二枚貝であり、雛祭など節句や祝い事にも欠かせない。また「ぐれる」の語源ともなった。伊勢湾名物だったので、「その手は桑名の焼き蛤」なんて面白い俚諺もある。だれでも知っていそうで、だれも知らないのがハマグリなのだ。
コラム

エゾボラは真ツブでAツブで刺身ツブで

食用としている軟体動物貝類(軟体動物のタコやイカ、ウミウシを除く)の基本的なものを挙げて行く。学者とか貝に興味がある人のレベルは除く。知っていると生活に生かせるレベルのものだけにした。基本的食用貝類の覚え書きだ。エゾバイ科エゾボラ属エゾボラという巻き貝の話。(科や属などの階級は知らなくてもいいけれど知って置くとのちのち便利)本種は普通の食用貝だけど、知っていたら、貝に関しては通人である。市場では標準和名ではなく「真ツブ」とか「Aツブ」と呼ばれることが多い。BがあるからA、真ではない同じような貝がいるから真で、このエゾボラ属ではもっとも味がよくて、値段の高い種でもある。消費地のスーパーなどに並ぶことはなく、一般小売店の中でも高級魚店かデパート・高級スーパーでしか買えない。
コラム

5月28日、ぜんなの卵とじ丼が主役

5月後半になり、八王子の市場にも、また近所のスーパーにも「ぜんな(チョウセンハマグリの小型)」が並んでいる。チョウセンハマグリは千葉県では重要な二枚貝である。内房のアサリがやや低調なので漁獲規制が厳格なはずである。きっと小型をとる理由があるのだろう。なんども書いているが、朝鮮蛤は江戸時代後期に生まれた名で、この言葉に知識人の憧れの気持ちはあっても差別意識はない。「身近な」に対して「遠い」という意味がある。江戸時代から江戸前、江戸湾にいるのが標準和名ハマグリで、外洋に面した九十九里や外房でとれたのがチョウセンハマグリだ。輸送に強い二枚貝なので、九十九里で揚がると銚子を経て日本橋にある魚河岸まで運ばれていたはずだ。同じような例は内湾生のアカガイと外洋性のサトウガイにも当てはまる。昔は内湾生のハマグリを「本」、外洋性の本種などを「ばち(場違)」として、「本」と比べて安かったが、最近、二枚貝は大きさで価格が決まるので、本種は決して安くない。逆転現象も起きている。今回、朝ご飯のために八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で2握り買ってきた。
料理法・レシピ

スルメイカげそで簡単昼ご飯、サラダ飯

連休中に水産生物(水産物)が切れた。ちょっと慌ただしいこともあり、連休明けにも1度しか市場に行けていない。ホームセンターに消耗品を買いに言ったついでに、鮮魚売場でお買い得品のスルメイカのげそを買って来た。長崎県産で成イカというよりもバラ(若い個体)である。それでもたっぷり入って500円ほどは安いと思う。これで3食をまかなう。最初のスルメイカのご飯は世にも簡単なアドリブ料理、だ。帰宅してから残り物を全部並べてみる。じゃがいも1個、にんじん半分、スナップエンドウ一握り、マシュルームだ。+ローリエ、にんにくにビネガー・オイル・スパイス・塩。
イタヤ,イタヤガイ
加工品

福井県の名品「いたや」はボイルホタテガイである

まだ、整理が出来ていないが市場だけで通じる言語は少なくない。これを集めて、徐々に分類していきたいと思っている。例えば今、「赤魚の粕漬」と呼ばれているものを「たいかす(鯛粕)」という人は少なくない。これはアラスカメヌケとか輸入ものの赤いメバル科の魚の粕漬けである。最初は国産のアコウダイで作っていたもので、アコウダイの粕漬けが縮められて「鯛粕」になる。そのアコウダイがとれなくなり、高騰して使えなくなったので、輸入魚を使うようになる。たぶん、その遙かに昔は本当に鯛(マダイ)で作っていたのかも知れぬ。福井県三国にある『日海水産』の名品、ボイルホタテ(ホタテガイのたぶん稚貝を塩ゆでにしたもの)もそのひとつ。市場の、年寄りの多くが「いたや」という。東京、豊洲市場を歩いていても、いまだに「いたや」という言語が生きているのがわかる。今では「いたや」=イタヤガイではないが、昔は日本海でたくさん揚がったイタヤガイ(鳥取県気高町の貝殻節にうたわれるのはイタヤガイ)をゆでて出荷していたのだと思う。その内、イタヤガイが揚がらなくなり、青森県産のホタテガイに活路を見出す。この『日海水産』のボイルホタテを「いたや」といまだに呼んでいる事実には、昔、信じられないくらいにたくさんのイタヤガイが日本海山陰・北陸などで揚がっていた、その歴史が保存されているのだ。この『日海水産』のボイルホタテのすごいところは、これがないと困るという飲食店が少なくないことだと思う。
バカガイの雌雄子持ち
味わい

青柳も、名残のをつけるべき、か

八王子綜合卸売協同組合、マル幸に青柳(バカガイの剥き身のことでプラスティックのトレイに乗せられている)があった。見た目からして北海道産とみたが、はっきりしない。矢鱈にバカが好きなおバカなボクは、人様が買っているのを見るとつられる質なので、素直に手を出す。ときは7月も末のことで当然、生殖巣は膨らんでいる。雄雌混じりを選んで買うが、味的には雌雄に変わりはないと思っている。これが生粋の貝食いである(千葉県)船橋や木更津っこなら違いがわかるのかも知れぬが、こちらは撮影のための雌雄混ざりである。身(足)の方は少し痩せ気味である。この生殖巣の膨らみ具合から考えるとそろそろ産地は禁漁にすべきだろう。
料理法・レシピ

爪の先アオリのアヒージョ

神奈川県小田原市、江の安定置、ワタルさんにアオリイカの極小と小をいただく。「アヒージョにしなよ」とてもアヒージョという言葉が出てくるような人には見えないので、ビックリしたが、実にありがたい。ワタルさん、ありがとう!相模湾のアオリイカは晩春から梅雨時にかけて産卵するのだと思う。7月も中旬になると大人の爪くらい(外套長1cm前後)の大きさが定置網に入る。下旬になると握りの、丸漬けにはならないが、二枚漬けくらいにはなるサイズが混ざる。
鳥羽市安楽島産バテイラ
コラム

鳥羽市安楽島のシリタカを食べて考えた

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんに磯ものをいろいろ送って頂く。中にバテイラが入っていた。この磯の巻き貝は味のいいことから国内各地で愛されていて、膨大な量の呼び名が存在している。鳥羽市安楽島ではシリタカ(尻高)だ。巻き貝は真横から見ると基本的に円錐形である。この円錐形をお尻と考えるのは鳥羽市だけではなく、日本各地でも同じだ。四国ではお尻を「つべ」というので、愛媛県ではツベタカだったりする。鳥羽市安楽島産バテイラの特徴は思い切った尻高であることだ。これまで撮影した中でいちばんのっぽかも知れない。さて、バテイラは磯の小型の貝としては珍しく流通の場でも至って普通である。昔は比較的手頃な値段だったが、近年やたらに値を上げている。昔はサザエよりも安いバテイラだったが、現在では真逆であるのは好物なので悲しい。この磯玉とか磯もんとかされる小型の巻き貝が心底好きなので、市場で見つけると、最低限ではあるが買い求めて深夜酒のあてに買っている。長年、産地での味の違いはさほどないと思っていたら違っていたようだ。
コラム

舞鶴産ダルマ大小ありが素晴らしかった

八王子綜合卸売協同組合、マル幸に京都府舞鶴産のダルマ(ケンサキイカの若い個体)がきていた。舞鶴漁港には京都府の丹後半島・若狭湾全域から船で、陸送で魚介類がやってくる。そんなこんなで厳密な産地はわからないが、なんとなく想像してみるのも楽しい。プロにしかわからないことだけど、ダルマ(小型)は産地で重さを量って氷の上に平らに並べた(下氷)だけの荷(発泡の箱)仕立てでやってくる。大きくなるとていねいに並べられてくるが、かなりお高い。比較的貧しいので、ダルマのお買い得感に惹かれてしまう。今回の荷が取り分け魅力的なのは大小ばらつきがあることだ。とても優秀な居酒屋さんなど喜んで自分好みの大きさを拾い、仕入れていく。小さいのを選んでいるときには「煮イカ」、大きいのを選んでいるときには刺身だろうななんて、「いいサイズですね」なんて横から声を掛けると、「今数えてるんでい」と怒鳴られので止めましょう。さてボクは大80gを2はい、小25gを手の平一杯買って来た。
エゾイシカゲガイの貝
コラム

夏だ、イシガキガイだ!

岩手県陸前高田、広田湾から今年もイシガキガイ(エゾイシカゲガイ)がやってきていた。八王子でこんなに高いものを持ってこれるのは、八王子綜合卸売協同組合のマル幸しかない。なにしろ今や閖上のアカガイと変わらないというか、以上の値段がつく。本種はもともとは浅場の底曳き網などで混獲されるものでしかなかった。それが細々と入荷していただけだ。これをもちろんプロの間でのことだけど、高級二枚貝として認知されるようになったのは、広田湾で養殖され始めてからだ。ちなみに二枚貝の養殖は比較的栄養分の多い海域に稚貝を保護して育てるだけ。魚の養殖と比べると汚染も膨大な魚粉を消費することもない。毎年、広田湾からの荷を見る度に、夏だな、とマル幸のクマゴロウと話している気がする。今年も入荷の度に刺身用に数個ずつ買う日々が始まったことにもなる。エゾイシカゲガイはトリガイと同じザルガイ科で見た目が似ている。違いは強い放射録と貝殻の厚みである。筋肉はトリガイは黒、エゾイシカゲガイは黄金色だ。
コラム

昔はいっぱいいたのにな! バテイラ

八王子綜合卸売協同組合、マル幸に愛媛県産の大シッタカが来ていた。愛媛県で磯物というと愛南あたりではないか。流転族(だれにもわからないと思うけど)にもどろうか、と思っているところなので奇遇、である。殻長55mm・80g前後もある。我がデータベースでは大分県別府市別府駅高架下の魚屋で買ったものに次ぐ大きさである。バテイラ(シッタカ)は別に大きいからといってうまいわけではない。しかも大きい方が高い。大きい方が歩留まり(可食部分が大きい)がよさそうなのでなんとも言えないが、個人的には殻長40mm以下が好きだ。さて、ものすごく昔、千葉県外房、勝浦市川津漁港が鄙びた小さな漁港だったときの話だ。下(さげ)いっぱいの潮で魚のアタリが遠のき、居眠りをしていたら、防波堤の下から、「寝とるくらいだったら、ほれこれでもとりなさい」と声がかかった。磯もん、マツバガイとヨメガサラを取りに来た地元のバアチャン達だった。手網を持って下りていくと、ボクの手網を見て「これとりな」と教わったのが、堤防の切れ目にたくさん並んだシッタカである。独りもんなので10個ほどもとって、海藻についているマツムシやチグサガイ?、タツノオトシゴなどをとって遊んでいたら、帰りしなにシッタカとマツバガイなどをどっさりいただいたものだ。同外房の千田漁港でクボガイとシッタカをまぜこぜにとっていたら、こっち(シッタカ)がうまいと教えてくれた漁師さんもいた。(注/個人的な意見だが採取はいつも最小限にすべきだと考えている)1970年代末から1980年代くらいまで、バテイラはおいしいけど売り物にはならない貝だった。ましてやクボガイなどとっても仕方ない貝、でしかなかったのだ。写真は現在の川津漁港。
コラム

北海道羅臼でドスイカに目覚める

関東など消費地に暮らしていと手に入れにくい魚はいっぱいある。産地周辺だけで流通し、なかなか都会までやって来ない水産物たちである。その最たるものがドスイカである。テカギイカ科唯一の食用イカで北の海に多い。これが消費地では売れない水産物の代表格でもあるのだ。何しろ胴回りなど手で裂けるほどに柔らかい。水分が多いという以前に皮まで剥けやすいので見た目がむごたらしいのである。めったに関東には来ないために、料理の多様性が見いだせないでいた。それが北海道目梨郡羅臼町で解消した。眼の前の壁が取れたといった感じだ。要するに自由自在にやればいいのだ。
スルメイカの沖干し焼き
コラム

蛸さんのスルメイカ船上干しでいっぱいやっか

近所の鮹さんに船上干しをいただいた。今じゃ貴重なスルメイカで作ったもので、その点からしてうれしい。船上干しとは、釣れたスルメイカをその場で裂いて、海水で洗って船にヒモを張って干し上げたものだ。「沖干し」ともいう。船上干しには憧れていた。イカ釣りが苦手なボクは一度も船上で干す、なんてことをやったことがない。イカ釣りのメッカ、静岡県網代から出てサバ(ゴマサバ)しか釣れなかったことすらある。だから、なにげに蛸さんやるじゃん、なんて思った次第だ。船上干しのいいところはただでさえ風のある海上で、しかも船が移動するたびにヒラヒラと急速に乾くことにある。坊主のボクは船上でシンシビーと乾いていくのを見ているだけで、よだれがびちょびちょ垂らしたものである。いただいてすぐに冷凍保存していたのを、深夜仕事をしながら解凍する(といっても温度の高いハードディスクの真横に置くだけ)。後は焼くだけだ。十年くらいまでにはマヨたっぷりつけながら食べたが、今は素っきりそのまま食べる。スルメイカくらい味のあるイカはない。特に皮がやたらにうまい。寝酒に菊正宗樽酒を正五勺。蛸さんありがとう。こんどはもっとちょうだいね。
イワガキ
コラム

長崎県新上五島産イワガキ

まるで梅雨本番のような雨。つめたい雨はいやではないが、ぬるいやるせない雨が降る。市場に着いて最初に目指すのはいつも八王子総合卸売協同組合、マル幸である。店頭に長崎県五島列島新上五島町宿ノ浦産の養殖イワガキがきていた、珍しい形で殻長12cm・150g・厚み2cmから3cmほどで突起がついている。非常に薄っぺらいし、軽いけどそれだけに安い。味見に2個だけ買ってみた。イワガキは大きいものほど高く、豊洲市場などでは巨大なのをこれ見よがしに並べている仲卸がある。ただ、イワガキの味と軟体(可食部分)の大きさは必ずしも貝殻の大きさではなく、また厚みでもない。ついでに述べておきたいのは目の前のイワガキは養殖ものだが、イワガキなど貝類はヒトがエサをやるのではなく、栄養分が流れてくる海域に活かしておくだけだ。昨今の自然保護の観点からして問題のある、肉食魚の養殖とは分けて考えるべきだ。
コラム

明石海峡の針イカで大阪風お好み焼き

兵庫県明石、明石浦漁協からやってきていた針イカ(コウイカ)は2はい入りだった。慌ただしさに紛れて1はい分の胴を食べそびれてしまい、仕方なく冷凍する。イカのいいところは冷凍がきくことである。ある深夜、撮影が終わったのはいいが、あまりのハラヘリに眠る気にもなれない。冷凍庫をあさって出て来たのがかの針イカだ。値段を考えると解凍して刺身だけれど腹の虫が治まりそうにない。まさかまさかの虫押さえにお好み焼きを作る。
料理法・レシピ

イカの煮なます

日本各地に残る「煮なます」もしくは「湯なます」は基本的には同じ物だ。どうやら非常に古い料理で酢を使っていることから、19世紀初頭以後に生まれ、日本各地に広まり、その土地土地のさまざまな素材を使って作られるようになったと思われる。例えば、島根県松江地方の郷土料理「スズキの煮なます」も江戸時代にはすでに作られ始め、城下町の質素な生活の中に溶け込んでいったのだと思っている。この「煮なます」の原型は精進料理だと思う。大根とにんじんで紅白にし、せん切りもしくは拍子木に切る。これを油で炒めて、酒・砂糖・醤油で入り煮にし、仕上げに酢を加える。もしくは油は使わないで調味料だけで煮るというのもあるようだ。今回はここに冷凍スルメイカの胴の部分を加えてみた。要するに刺身にした余り物を使って作った「煮なます」だ。
料理法・レシピ

ヒメサザエでエスカルゴ風

とにかく風邪が抜けなくて、やっとこさ市場に行ったくらいなので、サイトのことを考えて買うよりも食い気に走るしかない。たまにはいちばん食べたいものを買おうぜ、ということで八王子総合卸売協同組合、マル幸の荷を嘗めるように見ていると、残り少ない姫サザエがあるではないか? 残なので大小バラバラで、料理店は嫌だと思うけど、ボクにはおあつらえむきである。全部買うんだけど、というと当たり前だけど安くしてもらい、天にも昇る気持ち家に向かう。こんなときにはプーチンの味方的なガソリンばらまき、ゴキブリ運転をやっているアホも気にならない。
コラム

名残のヤリイカでげそ刺し

さて、4月もあと数日となり、名残のヤリイカを買っては味見している。刺身にしたり、和えものを作ったり、比較的安かったので焼きそばに放り込んだり。お好み焼き用に切り身にして保存したりした。普通、刺身にする胴(外套膜)が痩せ細っていて味気なかったものの、それを補って余りある部分があった。「げそ」である。漢字にすると「下足」であって、いかにも魚河岸めいた呼び名だと思っている。すし屋で、ネタケースのヤリイカを見て「げそつけてくれるかな?」ときくと、「生にしますか?」と聞かれるなんざーー、町ずし好きにはたまらない。ヤリイカは極端に腕(一般的には足)が短い。たぶんマスコミでは使えないヤリイカの呼び名に、「手なし」があるほど腕(手)が小さいのだ。すし屋などでは数本仕入れないとそれだけの仕込みができないもので、ゆでるよりも生で食べた方がインパクトがある。ツツイカ類の刺身はうまいと思うが、産卵後は胴以上にげその刺身がうまいのである。水洗いして頭部と腕を切り放し、腕の先を切り落として皮を剥く。料理ともいえないくらいの料理だが、こりこりと心地よい食感に、うま味も豊かだ。これで正一合やれる味だと思っている。
コラム

銚子産ヤリイカと春菊で酢みそ和え

「たぶん今年最後になるな」と思って千葉県銚子産のヤリイカ雄を買う。八王子総合卸売協同組合、マル幸に並んでいた中でいちばん大きいのが外套長37cmだけど、重さは0.31kgであった。触って身に張りを感じるものの生殖巣はないとみた。ヤリイカは産卵後もわずかの期間だけど生きている。とにかく魚がない上に、産卵後であるためか安い。自分自身の触った感覚を信じて1ぱいだけ買ってみた。その足で八百屋まで行くと、中羽春菊の茎なしのものが売られているではないか。春も終盤である。名残とつくかどうかは知らねど、ヤリイカと春菊を合わせて何か作りたくなる。
コラム

兵庫県但馬産「赤いか」は上等だった

3月の兵庫県日本海側但馬地方の旅では発見したことが多すぎて、いまだにテキスト化に励んでいる。いただいたものも多い。そのいひとつが、兵庫県但馬漁協、対山支所 フィッシャーマンズ・ビレッジの冷凍「赤イカ」 だ。流通の場で「赤イカ」というと3種類のイカをさす。ケンサキイカ、標準和名のアカイカ、そして今回のソデイカである。ソデイカは日本海側では「たるいか」と呼ばれることが多いので、なぜ「赤イカ」なのか不思議でならない。重さ20キロ以上になり、沖縄県のコブシメとともに国内最大のイカだ。水産的にも重要で、国内の基本的イカのひとつでもある。水産に関心があるという人の多くがイカはイカでしかない程度の国内では、まだまだ認知度は低いのかも知れない。すし職人に言わせると、値が張るので町ずしで夜にも使えるレベルのイカだという。ソデイカは沖縄県から九州、日本海側にかけての暖流域で漁があるが、その多くが胴と耳(鰭)、げそに分けられ、ほとんどが冷凍される。特に胴の部分は皮を剥いて冷凍するので、解凍後そのまま食べられるなど、一般人にとってもありがたいものとなっている。しかも本種は冷凍しないとおいしくないのだ。古くは都内の魚屋さんでも丸のまま仕入れて、自家製の冷凍イカを作っていたときがある。今やこの魚屋さんが作る冷凍ソデイカは貴重である。それを補っているのが産地冷凍なのだと思っている。冷凍されたソデイカにも良し悪しがあるが、最近上物を手に入れるのは至難だ。特に国産ものなどめったに手に入れることができない中での、津居山産の冷凍ソデイカである。いただいたとき、思わずにやけてしまった自分が恥ずかしい。解凍し、切って味見するだけで上物であることがわかった。実にイカらしいうま味が豊かなのである。肉厚なので口に入れるとイカのうま味が口いっぱいに広がる。冷凍することで何が変わるか? うま味が豊かになる以上に柔らかくなるのだ。歯触りムチムチというところが本種の魅力なのだ。
コラム

今季初イワガキは三重県産

食文化を調べているので、敢えて言えば季節感が命なのである。重ねて言えば、魚貝類を調べることは季節感を感じることでもあると思っている。もちろん旬ではなくても食べる魚貝類もあるけど、時季を外して食べない方がいい魚貝類もあると考えている。その最たるものがカキである。カキ目イタボガキ科マガキ(現在は違うけど)属にはスミノエガキ、シカメガキ、マガキ、イワガキがあるが4月も半ばをすぎるとイワガキ以外は食べない。もちろんマガキの産卵期にはずれがあるので、4月、5月にもうまいマガキはあるかも知れないが、4月以降は完全にイワガキ気分になってしまう。関東に真っ先に来るのは(最近はそうとも限らないが)三重県産である。伊勢湾沿岸では、漁の端境期にイワガキ漁を始めたのだと聞いたことがある。ちなみに伊勢湾も新しいイワガキの産地のひとつだ。もともとイワガキを食べていたのは関東周辺というか茨城県、千葉県、東京都と、東北日本海側、新潟県、鳥取県など。築地時代の場内で会った老人に聞くと、千葉県産のイワガキは蒸し暑くなる頃に来たという。4月のイワガキは走り、と言った方がいい。
コラム

宇部産「にし」は地味だけどおいしい、のだ

山口県宇部市の青山鮮魚、青山時彦さんに貝をいろいろたくさんいただいた。長年探し続けていた貝もあって、感謝の致しようがない。中にテングニシが入っていた。宇部ではアカニシとともに「にし」で、山口県瀬戸内海側東部では「かすび」とも呼ばれている。琉球列島をのぞけば、流通する巻き貝の最大種である。愛知県でも水揚げがあるが、圧倒的に西日本に多く、またよく食べられている。山口県宇部は貝類の豊富さでは国内屈指である。東日本ではめったに手に入らない貝で、西日本を旅する度に買い求めている。
コラム

3月25日 青山鮮魚からの宇部産アカガイ

山口県宇部市の青山鮮魚、青山時彦さんに貝をいろいろたくさんいただいた。長年探し続けていた貝もあって、感謝の致しようがない。高級なアカガイが入っていたのには恐縮至極であった。限りなく球形に近く、持ち重りがする。剥き身にする前に中身が想像できるといった上物である。アカガイが歴史的に登場するのは古いと思う。ただ実際に食べた記録となると室町時代末、戦国時代かも知れない。一次的な文献を読んでもいないのに述べるのはハレンチだけど、戦国時代が伊勢宗瑞に始まるとしたら1500年代半ばから後期にかけて、三好家もまだ健在で、堺は独立した国家のようであったときだ。すなわち京都が壊滅的な状況で、堺、岸和田など大阪湾中心の食文化がこの国の主流であったのでアカガイ、ミルクイなどがしばしば歴史上に登場するのだと思っているのだ。明らかにアカガイを高級な食材と考えた最初は大阪湾や瀬戸内海なのだ。きっと山口県宇部のアカガイなど毛利氏代々などがさんざん食べていたのだろう、なんてことも考えてしまう。
コラム

3月15日 兵庫県但馬津居山のゆでたてホタルイカ

不可能とされていた沖合い底曳き網でのホタルイカの漁獲に成功し、本格的に操業し始めたのが1989年。以来、兵庫県但馬地方はホタルイカの国内随一の産地であり続けている。沖から船がもどると競りが始まり、すぐに買受人のもとや漁協に持ち帰る。港も待ち受けている処理場の人達もこの時間がいちばん慌ただしい。これを生のままで、ゆでても出荷する。また近年急速冷凍したものもある。
コラム

3月17日 アカガイのわた煮

ディスクで眠りこけて朝だと思ったら、午後10時だった。旅のあとで生活が、夢も希望もないほどに乱れている。寝起きの頭痛をコンコンと頭から追い出しながら、軽く酒でも飲み、寝直すしかないなんて思案する。重すぎる身をやっとこさ立ち上がらせて、食べ物を探す。朝、昼ともどもにたくさんたくさん作った料理があるものの、手頃な肴がない。冷凍庫をあさると、どす赤い血の塊のようなものがあった。2月、豊洲や八王子で買った宮城県閖上産、山口県産、中国産のアカガイの肝膵臓(わた)だ。流水解凍してペーパータオルに並べると12個ある。中国産のわたは当たり前だが小さく、閖上産のはやたらにでかい。値段は倍なのでわたの大きさも倍となるのかな? なんてぼやけた頭で考える。鍋にみりん・酒・醤油を煮立てて水分をよくきったわたを放り込む。しょうがのせん切りを加えて絡めるように短時間で煮上げる。甘め好きなのでみりん足しながら、味加減する。煮上がりにバットに並べるとてりが出るが、そんなことはしない。鍋止めして、その間に風呂に入る。4、5粒小皿に取り、酒を飲む。わたの渋味、渋味、そして複雑な呈味成分をぬる燗で洗う。酒は菊正宗の樽酒でたんぽ正一合。「たんぽ」は槍のたんぽから来ているのかな? とか、昨日は春爛漫だったのに、温度計は昼間と同じく18度しかないとか、いろいろ思いながら小一時間過ごす。
コラム

やっぱりうまいぜ、ツキヒガイ

鹿児島県鹿児島市、田中水産さんからツキヒガイを送って頂く。我が好物を知って頂いており、しかも送って頂くなんてうれしいを通り越して泣けてくる。まことにありがともした。ごっそうさんごわすどん。ツキヒガイは生息域が房総半島以南なので東京湾にも相模湾にもいることになっている。ただ、今現在、見られるというか、水揚げがあるのは山陰から山口県日本海側、和歌山県、高知県、九州鹿児島県東シナ海側だけだと思う。大量発生することもあるが、国内全体をみると減少傾向にあるようだ。水揚げがもっとも安定しているのが鹿児島県である。この二枚貝は月(夜)と日(昼間)で二枚の貝殻の色合いが違っているので、月日貝である。大型の二枚貝だが、貝殻が非常に薄く硬い。カゴなどにいくつか放り込んでかき回すとサラサラと音がする。残念なことに同じイタヤガイ科のホタテガイなどと比べると、いちばん重要な部分、貝柱はそんなに大きくない。大きくないけど味ではホタテガイを上まわっている。
コラム

岩手県産ムールガイのタリアテッレ

缶詰などを保存している棚から物を出そうとして、いつも落ちてくる物体がある。タリアテッレが2つだけ入った袋だ。これが煩わしくて仕方がない。整理すればいいだろう、と言われそうだが整理できない質なのだからどうにもならない。この2つ残ったタリアッテレが頭にあり、八王子総合卸売センター、八百角の前を通ったら、もう「のらぼう」が出ているではないか。東京都多摩地域で広く作られている薹立ち菜で、最近の品種改良が行われている菜花よりもあくというか苦みが強い。タリアッテレに合うのは甘い甘藍、すなわちキャベツの仲間だと思うが、この苦みをタリアッテレに生かせないか?ついでにトマトを2個買い、八王子綜合卸売市場、マル幸にもどって岩手県産ムラサキイガイ(ムールガイ)を買う。ムールガイをシェリー酒(白ワインではなくシェリー酒)で蒸し煮にする。煮汁を濾して取って置き、貝殻から外した軟体と一緒にする。タリアッテレをゆでる。ゆで時間の3分前にのらぼうを適当に切り投入する。フライパンに多めのバターとオリーブオイル、ニンニクを入れて熱する。香りが立ってきたら生トマトとトマト缶を加え、最後に煮汁とムールガイを加えて少しだけ煮て、塩コショウで味を調えてソースを作る。あとは茹で上がったタリアテッレとのらぼうを、火を止めたフライパンに入れて和える。アブラナ科の苦みに、イガイ属(ムールガイ)の苦みを、シェリーの甘味とバターのまったりした味わいが緩和して調和させる。朝ご飯なのに一升瓶白ワインをいっぱいというのも、春の遅めの朝にはよかろうか。
コラム

山口県産アカガイは素晴らしい

アカガイは二枚貝の中でも本ミル(ミルクイ)に次いで高い。関東では宮城県閖上産が有名だが、西日本では大分県産や山口県産が有名である。豊洲市場を歩いていたら閖上産が多い中、点々と山口県産があった。閖上に負けない値をつけているということは、市場は決して閖上信仰に染まっていないという証拠だ。こんなところに豊洲市場のすごさを感じる。毎年春になると、閖上産など上物のアカガイを数回味見することにしているが、今回は山口県産から始めることにした。瀬戸内海側の、たぶん宇部で揚がったものだろう。余談になるが宇部市は国内屈指の貝の宝庫なのだ。
コラム

千葉県産墨烏賊の刺身を作る

2023年2月、千葉県産コウイカを発見して買う。たぶん東京湾内房、竹岡あたりでとれたものだろう。遙か昔の話になるが、怖々と築地場内を歩いていたとき、仲卸の前にあった真っ黒な液体の前でつい足をとめてしまったことがある。どちらかというと生物採集のつもりの築地歩きだったがこの1980年代になり、並んでいるものが生物から食べ物によりシフトしていた時期に当たる。当時の築地場内はトウシロに対して、優しい少数派と、まったく相手にしない多数派とが、当たり前だけどいて、その店は明らかに後者だった。「買うのかい?」と声をかけてくれたことに、思わず後ずさりしたのを今でもおぼえている。その墨汁の中にいたのがコウイカで、「コウイカなんですね。1杯だけ買えますか?」と聞いたら、「スミイカ(墨烏賊)と言わなくちゃーいけねーよ」と墨まみれを蝋引きに入れて売ってくれたのだ。このスミイカが東京の市場では特別な存在であることは、食の歴史や市場関連の書籍で知っていたが、実際に体感できたのはこの時期からである。東京で主にスミイカ、西日本でハリイカという。西日本できれいに洗った状態で出荷するが、東京周辺の特に東京湾で揚がったものは墨まみれで市場に並ぶ。東京では古くから墨まみれを喜び、きれいに洗ったものは二級品としていた。本場=東京湾(墨まみれ)=高級、という考え方は今でも変わらない。面白いもので普通、その地域でいちばん人気の高い、それなりにたくさんとれるイカのことを「真いか」と呼ぶことが多い。東京湾を代表するイカなのでてっきり本種が「真いか」なのだと思っていたら、東京湾で「真いか」はシリヤケイカのことなのだ。本種は東京でも神奈川でも千葉県でもスミイカと呼ぶ人の方が圧倒的に多い。
コラム

アズマニシキはやっかいな存在か?

アズマニシキは本州、四国、九州の浅い海域に普通で、足糸を出して貝や岩などにくっついて生きている。古くは東京湾など日本各地で食用になっていて、関東などではホタテガイよりも一般的であった。ちなみにホタテガイが今のように国内全域で食べられるようになったのは1970年以降だ。青森県陸奥湾からホタテ稚貝の入荷が続いている。殻付きとゆでたものが来るが、殻付きの方が小さい。ホタテガイの出荷は稚貝→ボイルホタテ→成貝となる。ホタテガイを養殖するとき成長にともない間引く必要がある。先にも述べたようにホタテガイ養殖では、稚貝から出荷が始まる。小さいものの成貝にはない味が楽しめ、個人的にはあっさり上品な味わいでとても好きだ。その稚貝に、昔はキヌマトイガイやナミマガシワ、アズマニシキなどが無数についていたが、最近付着数が少なくなってきている。これなど明らかに養殖業者の方達が手間を惜しまずかき落としているのだと思う。ただ、個人的な意見だが、ナミマガシワ、アズマニシキはもっとたくさん付いていて欲しいと思っているのだ。昔、ホタテガイよりもアズマニシキの方が多いんじゃないか? と思うような荷が来ていてうれしくて小躍りしたことがある。それほどアズマニシキは可愛らしい。本来はもっと大きくなる二枚貝だが、ホタテガイについているのは1g前後で大きくても3gくらい。
バカガイの刺身
料理法・レシピ

青柳のすし職人仕込み

本来は一部のすし職人がやっていた仕込み方だ。ある程度量があった方がやりやすいが、意外に1人前程度でも失敗なくできる。今回はたてを買って来たが、活けなら剥いてから。湯を沸かさないでもやれて、しかもうま味が逃げない気がする。青柳(バカガイ)の味はほどよい苦み、渋味と強い甘味。貝らしい風味だと思っているが、ゆでるよりもおいしいと思う。
コラム

巻き貝の身を抜く道具

ギンタカハマ、ベニシリダカ、ウズイチモンジ、サラサバテイなど螺塔の高いものの軟体を抜くのはとても難しい。これを漁師さんたちは工夫して取り出している。写真は長崎県雲仙市、佐藤厚さんに教わったもの。いろんな巻き貝に使えるものと思われる。材料/ステンレス線(ここでは1.4mmだが、1.2mmでもいいだろう)後は先を砥石などで尖らせて、この形に曲げる。ステンレス線は非常に硬く切れないので、道具は必要である。
コラム

魚貝類のソテーはサラダだ

魚貝類をソテーするときありったけの種類の野菜とソテーしてはいかがだろう。ソテーだけどサラダだ。写真は岡山県産アカマテガイと赤・黄のパプリカ、ポワロ、ナス、新玉ねぎを一緒にソテーしたもの。ここに甘酸っぱさのために黄金柑を足した。1 アカマテを剥き砂などを流して切り、塩コショウする。2 野菜や同じ大きさに総て切っておく。3 オイル(ここではグレープシードオイルだけどなんでもいい)をフライパンに多めに入れてニンニクのスライスを加えて香り出しをする。4 材料のなかで火が通りにくいものからフライパンに入れていく。ここではポワロ、新玉ねぎ、ナス、、パプリカとアカマテは同時に。5 炒めったら、皿に取り、黄金感と和えて置く。6 フライパンをビネガー(ここではシェリービネガーだがなんでもいい)、シャリーでモンテする。7 塩コショウで味を調えて上からかける。塩味は最小限がいいと思うのでここでの味つけはしなくてもいい。
郷土料理

千葉県九十九里産、ナガラミの料理法

ナガラミとして流通する多くがダンベイキサゴ、めったには来ないもののキサゴも流通したことがある。キサゴは内湾など波の穏やかな場所にいる。ダンベイキサゴは九十九里など外洋の波にさらされるような場所にいる。当然、市場流通した状態でも砂を噛んでいることが多い。
マツブの刺身
料理法・レシピ

マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み

マツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。唾液腺にはテトラミンが含まれる。テトラミンは死亡例はないものの、めまい、目のちらつき、船酔いに似た症状が出て、ひどいと嘔吐感に襲われる。要するに酒を飲んだときのようになる。第二次世界大戦のとき、戦後の酒のない時期に唾液腺を食べていた人に聞いたが、非常に酒によった状態に近いものだったそうだ。加熱してもテトラミンの毒性は消えないので、必ず除去してから調理すること。
コラム

播州室津のマガキ

カキは小振りが好きだ。だから岩手、宮城、北海道よりも有明海や播州播磨灘産を買ってしまいがち。大型のカキは殻をぶつけるとコンコンと鳴り、小振りの殻をぶつけるとカッカッと鳴る。この鋭角的な音がいいのだ。今回のものは兵庫県たつの市室津のマガキ。殻が小さい割りに肥りぎみで食感がいい。味わい豊かで、貝らしい苦甘さがほどよい。カキ肥る冬到来を感じる味。●2020年01月07日
コラム

アズマニシキとアカザラガイの違いはほとんどない

近年は選別が行き届いているので、ホタテの稚貝に付着物はないが、昔はよくアズマニシキが付着していた。表面の放射肋や鱗片を見てもアカザラガイとの違いはわからなかった。
漢字・学名由来

韓国の가리비(カリビ)

韓国ではハマグリ(シナハマグリ 대합 テハプ)、アサリとシジミ(바지라 パジラク)、そしてイタヤガイ科が가리비(カリビ)だ。11月に行ったソウル、仁川では日本から輸入されたホタテガイ、養殖されているホンアメリカイタヤ、そして本種を見ている。東海岸の市場ではホタテガイとホンアメリカイタヤを見ている。味が似ているので呼び名は同じと言うことだ。
コラム

韓国の가리비(カリビ)

韓国各地で見たホンアメリカイタヤ(アメリカイタヤ)の養殖地は黄海、韓国国内、中国山東省らしい。かなり大規模に行われているようで、国内にも冷凍貝柱として輸入されている。韓国では海辺だけではなく、都市部にも海鮮を売り物にする店が日本以上に多い。その多くでホンアメリカイタヤが扱われている。 二枚貝には幼生期があり、養殖などのために移入すると、分散しやすい。黄海で繁殖する可能性が高く、在来種のニッチを脅かしかねない。
郷土料理

ヤリイカの韓国風刺身

韓国では참기름(チャムギルム ごま油)と소금(塩 ソゴム)で刺身を食べる。초고추장(チョコチュジャン 酢コチュジャン)とともに刺身を食べるときの基本だろう。今回のヤリイカは鮮度的には生食ギリギリなので、皮を剥き、湯通ししてヒモ状に切る。これをごま油と塩で和えて、韓国産の甘みのある唐辛子と生の三つ葉を加えてみた。実にウマシである。ごま油の香りと塩、あまり辛くない唐辛子がいいアクセントとなる。香りの強いごま油を使っているのに、辛口の純米吟醸に合うのはなぜなんだろう?
小松菜、ヤリイカ
コラム

ヤリイカは炒めるがいちばんかも

「イカは炒めて食べるのがいちばんだね」豊洲市場場内『尾道』さんに教わった。それでいろんな種類のイカをいろんな種類の野菜と炒めてみている。『尾道』さん曰く、セロリがオススメだとのことだが、青みの小松菜や水菜とも好相性だ。ニンニク、ショウガなどで香りづけした油で青菜、ヤリイカをさっと強火で炒めて、紹興酒(酒でも)と中国しょうゆ(国産のしょうゆでも)を合わせたものをからめるように味つけする。ヤリイカの甘味と野菜の苦みが相まってとてもうまい。薬味はコショウでも一味唐辛子、カイエンヌペッパーでもいい。辛い唐辛子と炒めてもいいと思う。
コラム

2019年秋、今季初殻付ガキ

最近、年間を通して殻付きのマガキが入荷してくる。個人的にはマガキに季節感がなくなるのはいやなので、時期にならないと買わない。それだけに秋になるのが待ち遠しかった。今季の初殻付は2019年10月17日、宮城県気仙沼松崎片浜 丸畠水産のものだった。今年は走りの10月から身の太りがいい。早く今季初カキフライはいつ食べられるのだろう。
コラム

岩手からケンサキ?

2019年10月12日、台風襲来の直前に八王子総合卸売市場で見つけた。箱には「ヤ」と書いていたので、ヤリイカのことだろう。聞いてもらうと岩手県からだという。でも帰宅して見たらケンサキイカに思えてきた。体系的には明らかにケンサキイカに見える。ケンサキイカとして保存していたら、宮城県水試の方からヤリイカです、とのご指摘があった。もう一度、岩手県産のヤリイカを買い求め検索してみる。ここでは一番簡単な鰭の比率と色合いを中心に書く。鰭の比率はケンサキイカではほぼ70%、ヤリイカでは60%以下で、この固体は57%(小数点以下略)。古くなったとき、ケンサキイカの外套膜は色素胞がやや大きくまばら、乳白色で少し赤み強い。ヤリイカは色素胞が小さく多く、白く青みがかる。この固体は青みがかる。要するに岩手県産ヤリイカとして入荷してきたものは、まごうことなきヤリイカであった。
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