202年秋、新潟旅日記03 高橋孫左衛門の笹飴

店に入ったらいきなり夏目漱石だった


2025年8月29日、10時前に上越市南本町の『高橋孫左衛門商店』に立ち寄る。
少しだけ歩いてみたかった南本町だが、時間がなかったので笹飴だけを買った。

『高橋孫左衛門商店』は1624年創業という。となると徳川三代将軍家光の時代で、貨幣経済はまだ不完全な時代である。
また、十返舎一九(明和2年〜天保2年/1765-1831)も立ち寄ったことがあるという。東海道中膝栗毛が売れに売れた後、生活のためもあって、死ぬまで道中記を書いていた。その一九が『越後紀行集』を書くにあたって立ち寄っていたらしい。
そしていちばん有名なのは、夏目漱石の『坊ちゃん』(明治39/1906)に出てくる越後の笹飴である。小説の筋とは無関係に唐突に下女の清の好物として越後の笹飴が登場し、笹ごと飴を食べる清の姿が坊ちゃんの夢に出る。

クマザサの香りもよしの、上越名物の飴


堂々たる構えの店を訪い、やり過ぎの感が拭えない夏目漱石のイラスト入りの笹飴と、翁飴を進められるままに買う。

イラストがあざといものの、笹飴はとても結構な味だった。単調な甘さかなと思ったが、なめるうちに穀物的な風味が感じられる。
外装はあまり品がいいとはいえないが、クマザサに飴の取り合わせは、香りからしてもいい。

翁飴は翁でも食べやすい飴という意味かも


ついでにやや硬めのゼリーのような翁飴も悪くない。
意外にまた買いに行きそうな菓子なのであった。


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