今季初雌ガニは兵庫県浜坂産「せこがに」

雄の半分くらいしかないが味の大きさは同等


毎年、11月になって日本海の多くの県でズワイガニが解禁されると、必ず雌ガニ(兵庫県などでは、せこがに)を買う。
雄ガニは年を越してから買うことにしていたが、今年は早々と山形県産で初物食いをすませてしまった。
山形県はズワイガニ漁解禁の狂騒の中にいないが、ボクには十二分においしいというか、十二分に贅沢である。
雄はともかく、今季日本海の初雌ガニは兵庫県浜坂産だ。

雌ガニである「せこがに」の問題点は食中に食べるものでも、酒の肴でもないことだ。
それならなんだ? と言われたら、おやつだ! と答えるしかない。
強めの塩水でゆでること10分ほど。
背を下にしてゆで、上にして板などに取る。
冷たい水をかけて粗熱を取る。

内子を食べるために買う雌ガニという気がする


あとは温いうちに食べるだけ。
ふんどしを外して、外子(産卵後ふんどしに抱えられた卵)ごと捨てる。
外子を食べる方は食べましょう。
両脚を持って真ん中で折って甲羅から外す、鰓を取り除いたら食べられる部分だけ無作法に食べる。
飢えた肉食獣のように食べるのがカニ食いの作法で、カニを食うためのスプーンとかを使ってちまちま食べるのは無作法である。

日本海のズワイガニは雌も雄も、他の海域よりも一段上の味だと思っている。
雌は身などのボリュームには欠けるが、その分、豊かなうまさがあり、強い甘味がある。
そしてここにトリをとるのは内子(産卵前の卵巣)だ。
ウニのような舌触りで、ウニのような複雑な味がするが、非常に甘味が強い。
毎年初ものは1匹しか買わないで、毎年後悔しているが、これでいいのだ!

11月に必ず食べるのが日本海の雌ガニ


11月11日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に兵庫県浜坂港、マルワ渡辺水産から「せこがに(ズワイガニ雌)」が来ていた。
今年の兵庫県などでのズワイガニ解禁は11月6日で、雄は3月下旬まで続くが雌ガニは今年いっぱいで終了する。
ここ数年、雌ガニの値段は乱高下しているが、今年の出始めは比較的安い。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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