聖子を探す旅3 伊丹市の酒蔵
白雪は早々に退散、西へ西へ
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書籍を新しい方法で処分したいと思って、整理し始めて一箱出来たとき、手にしたのが、『大阪弁ちゃらんぽらん』(田辺聖子 中央文庫)だ。これにて本の整理は終了となる。聖子の沼にはまって抜け出せなくなったのだ。
そうだ、神戸に旅に出る、その2割でいいので「聖子を探す旅」をしよう! と思った瞬間でもある。
聖子といえば、大坂市福島生まれ、兵庫県尼崎に引っ越しし、結婚で神戸市に移る。そして終の棲家が伊丹市なのだ。
恐るべき量のエッセイに登場する酒の銘柄はそんなに多くはない。伊丹市に引っ越してからは「白雪」、「大手柄」、そして「老松」の3銘柄で、「大手柄」はすでに廃業しているようである。
伊丹市の北部に鴻池という地名がある。澄んだ酒をもっとも早く17世紀に作り出したのが鴻池の鴻池家で、江戸時代の下り酒の嚆矢となる。これが酒どころ伊丹の始まりである。
この鴻池の物語、藤山寛美で覚えた気がするが、そんなことはどうでもいいかも。落語には「鴻池の犬」というのもある。
江戸時代も中期になりじょじょに灘の酒に下り酒の主産地の座を譲るものの、江戸時代最初の下り酒は伊丹だ。
JR伊丹駅から、いかにも作り込まれた道を西に向かうと「白雪ブルワリービレッジ長寿蔵ショップ」というのがあった。
白雪、白鹿、白鶴が脳の中でこんぐらがっているので、「白雪」を飲んだことがあるのかないのかわからない。
大阪で「白鶴」を数年前に飲んだ記憶があるが後2つは曖昧模糊である。
1本買っていこうと店内を見て、できれば試飲したいなと思ったけどやり方がわからない。声をかけようと思ったものの店員の女性達がおしゃべりに夢中であった。営業時間中の店員のおしゃべりくらいいやなものはないので、早々に退散する。ボクごときが退散しても影響はないと思うけど、非常にヤな気分になる。
老松という酒、関東では見たことがない
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そこから西に行くと、すぐに見つかったのが「伊丹老松酒造」だ。「白雪」はたぶん都内でも手に入ると思うけど、「老松」は見たことがない。
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いろんなデザインの特別仕立ての酒が並んでいたが、田辺聖子が「カモカのおっちゃん」と飲んでいたのは、たぶん特別な酒ではないはず。エッセイを読む限りでも田辺聖子は食に関しても酒に関しても素直な人であって、そこが食に関しても酒に関しても素直なボクを惹きつける。
普通の酒を2本、自宅に発送してもらう。これにて伊丹酒はお終い。
ちなみに「老松」はボク好みの酒であった。
田辺聖子を巡る旅は改訂・追加を繰り返していく。
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