
毎年のことだけど2月の市場は客が少なく、魚介類も少ない。こんなときはイカだ、となる。昔はスルメイカが安かったので一択だったけど、最近、イカ全種が高いので、その日にいちばんお買い得なイカを買う。この朝、比較的お買い得だったのは、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にあったのは産地不明の雄のヤリイカである。最近、早朝に和菓子、11時くらいに朝昼兼用のご飯なので、使いたくない言語ではあるがブランチかも知れない。飯のおかずは作り方が簡単で、コツと言えるほどのコツがなく、皿に盛るまでが10分程度で作れるものがいい。

田中水産さんに送ってもらった、カドガワフエダイの作成がやっと完了した。ここらでボクの普段の生活も含めて、カドガワフエダイで昼ご飯。大きな個体だったので、たくさんの料理を作った。似た傾向の料理を除外して14品作ったことになる。フエダイ科では、フエダイとは身質が違っていて比べられないが、同じ感じの身質だとゴマフエダイと変わらないレベルの味である。すべて非常においしかったが、意外だったのがムニエルである。刺身などで切り落とした部分とか、カマ下の骨のない部分を集めて作ってみた。ソテーするとふんわり柔らかく膨らみ、身に豊かなうま味があって豊潤である。

旅に出たいので、資料を読む平坦な日を送っている。ボクの旅はすべて目的のある旅なので、この退屈で平々凡々な時間には耐えるしかない。だから朝昼晩を作る時間と、食べる時間は大切にしたい。汐っこ(カンパチ)のポシェは何度か作っているが、昼時に、昼ご飯用にポシェすることはなかった。汐っこのサンドイッチは初めて作った。コンビニのツナマヨに近い味だけど、まったく違う味というと変だけど……。ハーブと白ワインで火を通したので、刺身にして独特の味である汐っこも、やや無個性な味になる。ブリ属のカンパチらしさは、全部を飲み込んだ後にやってくる。秋の汐っこらしい脂の存在と、ほぐれた身の口当たりは、ツナでもサーモンでもない。大量に粒マスタードを投入しているので鼻にツンとくる、のもいい。面白いものでケーパーはあくまでも独自の味の路線を行っている。これにレモンを落とした「お紅茶」を巨大マグカップで独り飲むのも、これまた淋し。

久しぶりのヘダイの天ぷら、なかなかイケるなと思うものの、天種に不可欠である欠点(味の個性)がないので、冷静にみると、ただ単に、嫌みのない味でしかない。今回、天下の宝刀、カレー粉を隠し味にすればよかったかもと思うけど、食べ進むと脂の乗ったヘダイの生み出す、こくが感じられてくる。改めて食べると、ヘダイもさほど悪くない気がしてきた。野菜はいまだにみょうが、オクラの夏野菜で、水前寺菜だけが唯一の変化である。残念なことに、キク科の水前寺菜にしても東南アジアの野菜なので、本当の秋の葉物野菜ではない。唯一の秋は、山形県山形市小川製麺の「そば(乾麺)」をゆでて冷やさないで、ゆでたまま食べていることだけかも。我が家のもりそばは夏は洗って冷やす。寒くなるとゆでたまま温かいままと、ときどき冷やしてと二色になる。期限のある仕事があって、遅れに遅れて2時過ぎの朝ご飯には十分かも。昔はこれで昼酒ならぬ、朝酒をやって、しかも仕事が続けられたのに……。

【めったに受けない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】市場には要撮影の水産生物がなく、久しぶりに楽な朝だった。サンマを焼いて、冷や汁を作ってで、他は小米なすの漬物とヒジキと竹輪の煮物で常備菜、そしてご飯だ。読み進めている『小田川流域の生物文化多様性』(田賀辰也 2024)を脇に置いて朝ご飯を食らうが、時計を見たら9時半なので朝ご飯らしい時間でもある。田賀さんの力作から気になるカ所に赤鉛筆で印をつけながら食べるのだけど、意外にも400円のサンマがおいしすぎて集中できない。だめだだめだと言われているサンマだけど、そんなにだめではない。ときどき口中を冷や汁で冷やす。これも夏ならではだ。

「阿波徳島飯」とは徳島県産ちりめんと、徳島県産すだちだけで食べる飯という意味である。大分県ならかぼすで大分飯でもええし、広島県ならレモンで広島飯とすればいいだろう。スーパーで特売していたので買ってきた、徳島県産ちりめんはボウルに入れて湯をそそぎ、1、2、3くらいまで数えて湯を切る。ほんの数年前までこんなことはしなかった、年を取ったと言うことだろう。ボクの生まれ故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町貞光)で家族はこの湯を使った食べ方をしていた。両親の親戚の多くは隣町の美馬町(現美馬市)にいたが、何人かが同様のことをやっていたので、「なんでお湯かけるんじゃ?」と聞いたら、「砂が混じっとるからじゃ」といった。当時、湯をかけて箸でちりめんを揚げると、茶碗の底に【希】にではあるが砂があったものだ。ちなみにボクの生まれ故郷は県西部の山間部である。すだち(分類的にはユズ)は県東部のもので、県西部に入ってきたのは意外に遅くて、1960年代はじめだと柑橘農家の叔父からきいたことがある。ボクがすだちという植物を認識したのは、この木に抱きついて大変な目にあった小学校中学年のときだ。だからボクが幼児の頃、すだちとちりめんはなかったかも。もちろん当時のちりめんにはコウイカ(コウイカやシリヤケイカ)やツツイカ類(スルメイカなど)、クルマエビ科のアカエビ属、サルエビ、タチウオ、イワシ類(マイワシ、ウルメイワシ)、アユやフグ類、タツノオトシゴ類の稚魚などが混ざっていた。ただ砂は混ざっていたとは思えない。念のために最近、ちりめんやしらす干しに、フグの稚魚が混ざっていたと言って大騒ぎするバカがいる。回収したりする。なんの問題があるんだろう。もったいないこと甚だしい。甲殻類なら大問題だが、フグの稚魚が人に影響を与える毒(MU値を考えろ)を持っている可能性などない。こんなバカなことはやめようね、といいたい。今、ボクが湯を使うのは少しだけだけどしっとりして柔らかくなるからだ。しらす干しの妖艶なまでのやわらかさではなく、さらさらしたちりめんが、ちょっとだけよ、と言いながら柔らかく、ご飯に馴染みやすくなる。これを茶碗のご飯に大量に盛り上げて、すだちをのせて、食卓へ。今回はすだち2個だったが、安い時季なので3個使ってもよかったなと、後悔している。すだちはこれからどんどん安くなる。香よりも果汁が主役になる。この「阿波徳島飯」の旬は秋のシラス漁の最盛期と、すだちがちょっと黄色くなる時季である。家族はちりめんに醤油を垂らしていたが、今現在のボクなどちりめんの塩気で十分過ぎるくらいである。塩気でカタクチイワシの稚魚のおいしさが生まれ、それを硬く干し水分含量を減らすことで濃縮する。ちりめんはうま味の塊なのである。すだちはそこに大量の香りと酸味を足してくれている。これがご飯の甘さと結婚すると言うに言われぬ味になる。今回はちょっとだけ大盛りご飯の、「阿波徳島飯」である。

まだ若くて水産生物とヒトとの関わりを調べ始めたばかりのときに、おぼえたのが「トルコ風サンド」だ。写真しかなく、トルコ在住だった人間や、行って帰ってきたばかりの人間をとっつかまえて教わり、作り方を考えたものだ。なんてことを前々前回書いた。あまりにもたくさん料理を作ったので、今回のオキアジに関してはとりとめがない。テーブルの上でアジ科の分類的変遷をたどりながら、オキアジ料理を作りすぎているのに、朝ご飯までもオキアジで、となる。オキアジの全粒粉ソテーを挟んだもので、トルコ風サンド・ソテータイプだ。全粒粉の穀物感で切身の表面がちょっとだけ餅っとして、オールスパイスの風味が立ち上がる。バタールなので食べ応えがある。それにしてもオキアジは、なんという味の実力者なんだろう。脂が口溶け感が感じられるし、アジ科らしいうま味もある。しかもソテーするとふんわりして柔らかい。塩味をつけた紫玉ねぎがとてもいい存在感を発揮しているのも、いいねー。調べごとの最中なのに、群馬県中之条町、甘い甘い三山ワイン赤を1ぱいだけ。八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で釣り上げたオキアジの体長は40cmだ。この種としては最大級である。過去にこれほど大きな個体は見たことがない。以上は前回書いた。薄い切り身を作る。塩コショウして全粒粉をまぶす。ソテーする。温めたバタールにレタスを敷き、トマト、塩とオリーブオイルとにんにくで和えた紫玉ねぎをのせた、オールスパイス(お好みのものを)を振る。その上にオキアジのソテーをのせてあとはいろいろ。食べる前に思いっきり上から押し押ししてがぶり。

【めったに受けない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べているものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】7月後半からいろんなことをやり、それのほとんどがお初なものばかり。それにしても周りは見知らぬ人ばかりってのはくたびれる。そんな日の翌日の祝日の日の遅い朝ご飯だ。スギのみそ汁を作っただけの朝ご飯で、しかも二度寝前のご飯なのだ。面白いもので納豆が食べたかったので、ワンパック開けたけど、変な取り合わせになる。スギみそ汁、鯉濃(コイ)、納豆、ご飯、トマト。納豆は副将軍なんてふざけた名のもの。■スギみそ汁。中骨を適当に切り、湯通しして氷水に落とす。水分をよくきり、水から煮出して、みそを溶いたもの。■鯉濃はこの時点でシチューのごときものとなっている。ご飯にやたらに合う。食った後また睡眠。

たまりにたまった情報を処理しているので、今年に入ってじっくりご飯を食べる暇がない。救いのない生活の合間に、群馬県吉岡町で買ってきた蒸しそばできりぎり昼前、11時半に朝ご飯を摂る。目の前で蒸しそばに、超簡単なそばつゆをかける。そばつゆは煮きりみりん+カツオ節出し+加減をみながら足す醤油、といったもの。あわただしいので火は入れない。みりんの代わりに砂糖でもケッコウ毛だらけだ。究極のそばつゆなんて下らないことは考えない、やたらめたら手抜きしすぎ、のつゆだ。ここに撮影のため作ったオキアジの天ぷらに、野菜の天ぷらをのせて、きざみねぎをそえる。わさびはチューブのもので、最近のものはよく出来ていて、いい香りいい辛味だ。オキアジの天ぷらはふわっと軽く、身が甘いのもあり、とても味わい深い。きちっと動物たんぱくならではの実力をみせてくれている。あとの夏野菜の天ぷらだって、撮影台の上で食べているとは思えないくらいにおいしい。それにしても群馬県で買う、麺はぜんぶうまい。今回の蒸しそばだって小麦粉多めなのに、とてもいい味だし、そばの風味も十二分にする。群馬県ってすごいかも。

7月はじめに魚のパスタを作り始めて、目から鱗というと月並みだが、魚魚しいパスタがこんなにもおいしいのかと、作るたびにデカイ腹を突き出しのけぞっている。そして、スマ、だー。比較してはいけないかも知れないが、食べているときには正しい評価が出来ないものだが、ここに魚魚しいパスタの頂点をみた気がする。(もちろんどんどん評価は変わるけど)ソテーしたスマの中落ちがやけにうまいだけではなく、中からにじみ出てきたうま味が非常に豊かだ。最近、できるだけ塩を使わないのに濃厚に思えるのは、スマのうま味成分がぎょうさん出ているためだろう。ここに今回のひらめきで入れたヒメグルミのこくが追加される。ナッツ系の濃厚な油分ありのうま味と香ばしさって、足しても余計ではなく、うまさが倍増する役割を担うのだ。うま味を含んだ油とスパゲッティだけでも、ごっついええな、と思う。そこにケーパーの酸味と塩気がくるのもいい。こんなに魚のうま味と、ケーパーの酸味が合うなんて思わなかった。しかもしかもプラスティックのケースに入って高かったスイートバジルではなく、袋にどばっと入って安い直売所のものを、どんどんちぎり入れたら、これもええ、ではないか。ハーブとか香りのものは高値だからと、ケチケチ使っていたのではよさがちっともわからないってのも最近わかってきた。ネットで調べると、イタリア語で、おいしいは、〈delizioso〉らしいけど、この一皿で感じることは、それだな。〈delizioso〉でボクの腹が、また一回り膨らんだ。早く昼ワインを飲んでも、仕事が継続できる体にもどりたい。

【めったに受けない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】最近、丼ものが多いな、と思っているが、これも朝方の作業がなかなか終わらないからだ。そんなに忙しい人間ではなく、比較的世の中とのリンクもほとんどない孤立無援の淋しいボクなのに、なぜかやることなすこと多し、なのだ。期限がある仕事すら終わっていないわけで、行き詰まっていた日でもあった。この日は朝から揚げ物ばかりの撮影をしていた。味見をしていたらご飯を食べる気がなくなり、なんと午後4時に朝昼兼用のシロギス天丼を食べた、ヤマトシジミは前日から砂出だしをして、これまたこの朝、撮影したもの。八王子綜合卸売センター、八百角で買った四葉きゅうりの漬物をつけたのは昨夜のこととなる。丼も汁も漬物も残り物、作り置きものだ。■シロギス天丼。シロギスは前日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で開いたものを買い、この日の朝、少し成形して揚げて撮影、味見した残り。野菜も同様。■シジミのみそ汁。島根県産ヤマトシジミを泥だししてこの朝、600gほどをみそ汁にしたもの。すぐに冷蔵して食べたいときに温めて食べる。みそは愛知県岡崎市の八丁味噌。撮影に使った脚立に腰掛けてパクパクと。名残のキスの天ぷらを名残惜しむ暇もなし。これじゃ現場飯である。夜にはもっと面倒くさいことが待っている。

【めったに受けない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】水産生物とヒトとの関係を調べているだけだけど、意外にとてもびっくりするくらいせわしない。徳島県海陽町から徳島市の前田浩史さんを通じてナガザルが送られて来た。ナガザルが載っている図鑑類をすべて床に並べる。資料も集める。前日頂いた魚の撮影があり、そのメモをテキスト化する。当然、水産生物の料理を作る。こんなことをやっていると午後2時を超えていたので、とても朝ご飯とは言えないけど、この日最初のちゃんとしたご飯なので朝ご飯かなー。しかも早朝からまんじゅうばかり食べていて、ちゃんとしたものを食べていない。ちょっとだけ飢えている。その仕事の内の水産生物の料理を主菜にする。マナガツオ兜煮、マナガツオの和風ムニエル和風(醤油・みりん・酒でデグラッセ)・ピーマン、前日につくったみそたたきを焼いてクサヤモロのさんが焼き、ワカメのみそ汁、トマト、岐阜県関市『志葉屋』のからし豆腐。■マナガツオ兜煮。大きく育ちすぎた四葉きゅうりとたき合わせた。マナガツオの煮つけは語るまでもない。非常にうまし、だけど、意外にもくたっと煮た四葉きゅうりがおいしい。■マナガツオの和風ムニエル和風。マナガツオはムニエルにするとふわふわになる。そこに甘辛いソースで、ご飯にとても合う。■クサヤモロのさんが焼きは前日のみそたたきを焼いただけ。千葉県の郷土料理でもある。

【めったに受けない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】人に見られて自慢できる面じゃなし。最近のPCで打ち合わせが苦手だ。今回は午前11時からPCの前に座り、相手は3名でいろいろいろいろ。その前に魚と海藻の撮影を終えてシャワーを浴びている。大型魚の撮影をすると全身汗まみれ、そこから魚を解体すると鱗まみれにもなる。打ち合わせが終わったのが12時半なのでブランチかな?岐阜県瑞浪市、バローで買った札幌市丸加水産のさんまみそ漬け、イシガレイの煮凝り、オクラ生、千葉県君津市の「おかずみそ」は要するに金山寺みその一種、飛騨高山の切りづけ(白菜、赤かぶ)、じゃがいものみそ汁、八王子綜合卸売センター福泉で買ったコロッケ。早朝からまんじゅう2個でがんばったので、もっともっとでもよかった。■イシガレイの切り身は岐阜県可児市で買ったもので、北海道産である。煮つけた翌日なので、残が煮凝りに。このご飯の上でとける煮汁がご飯に合う。■札幌市丸加水産の「さんまみそ漬け」は非常によくできたものであった。もちろん最近のサンマなのでやせているが、みその味がとてもよい。

【めったに受けない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】自分の食べたものを見直すと、いかに朝が忙しいか、を改めて感じる。この日に撮影したのは岐阜県で買った食品と、イワガキに付着していたフネガイ科の二枚貝などなどである。午後にはいろいろあるので、いろんなことをやり終えて時計を見ると、時刻はすでに11時45分である。昼に近い朝ご飯は、岐阜県八百津町の伝統野菜、大だいきゅうりのみそ和え、イシガレイの煮つけ、トマトとわかめのみそ汁、ツルムラサキ、アカササノハベラのきゅうりもみ。■イシガレイの切り身は岐阜県可児市で買ったもので、北海道産である。上品でくせのないカレイなので、ちょっとだけこってり甘辛に煮てみた。身以上に煮汁でご飯がすすむ。■きゅうりもみはアカササノハベラの素焼きを甘酢に溶かし込んだもの。やはりご飯には酢のものが欲しい。

【めったにやらない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】約束事のない日だけど、たまったものはある。それにしても水産生物とヒトとの関係関連の事物は膨大かつ、未知のことが多い。この日の朝ご飯は比較的早くて午前10時だった。3時くらいに起きて小さな撮影をして、その処理を終えたら、なんでもいいので固形物が欲しくなった。ご飯、茨城県産ジンドウイカ佃煮、メイチダイ?の兜焼き骨湯、ワカメ入りきゅうりもみ、卵がダメになりそうだったので煎り卵、、トマト・カリフロールなどのサラダ。■茨城県産ジンドウイカ佃煮。茨城県から来たヒイカ(ジンドウイカ)は長時間かけて撮影して、面倒くさくなりぜんぶ佃煮にする。適当に切り、醤油・酒・みりんを沸かした中で水分がなくなるまで煮たもの。1週間以上保ち、いいおかずになる。■メイチダイ属ではあるが種名なしの兜焼きの残に熱湯を満たしたもの。意外にいける味で、このみで醤油を加える。■ワカメ入りきゅうりもみ。八王子綜合卸売センター、福泉で見つけた湯通し塩蔵ワカメを刻み、薄切りキュウリといきなり和えて、水洗いして甘酢を加えたもの。ずぼらな料理だが、これでいいのかも。

【めったにやらない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】午前5時、前日に八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウにもらったムレハタタテダイ、ハコフグ、シラタキベラダマシを撮影。そのまま市場に行き、1.3mのスズハモを買い求めてくる。こいつと格闘する前の腹ごしらえである。しかも午後から東京に行かなくちゃいけない。こんな日は息つく暇もない。あるものだけの朝ご飯となるが、それでもちょっとだけ心が和らぐ。我ながら毎日、和の食事だなと改めて思う。■山梨県北杜市で買った「もろこ(ネズミザメ)」の煮つけの残り。サメの煮つけはちょっと多めに買って煮つけておくとおいしい。ちなみにネズミザメはアブラツノザメと比べてあまり煮凝らない。淡泊でいやみのない味だ。■ゴマサバの幼魚の煮干し(釜揚げ)のだしでトマトとにんじんのみそ汁。煮干しを煮るとき差し昆布(小さな昆布を入れること)をしている。みそ汁にトマトが入るとやたらにうま味豊かになる。もちろん煮干しもおいしい。山梨県北杜市で買ったツルナのごま油炒め、同石和の甲斐駒納豆。

【めったにやらない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。】この日は午前6時から甲殻類の撮影。朝イチ(9時)に電話でいろいろ。やっとおまんじゅう以外にありついたのが11時半だった。ぎりぎり午前中に朝ご飯という日だ。■ウルメイワシ・マイワシ・カタクチイワシの丸干し。小田原魚市場二宮定置で分けてもらったもの。朝ご飯の丸干しほど相応しいものはない。■真かすべの煮つけ。真かすべ(メガネカスベ)は切り身で買い、前日に煮つけたもの。見事な煮凝りができた。■小ゴマサバ釜揚げで大根、きゅうりの煮もの。釜揚げは放冷しただけなので煮ても軟らかい。大根おろしに使った残りの大根、きゅうりと煮合わせた。■コショウダイの粕漬け。実は失敗作だけど味はとてもいい。ひと味足りないコショウダイに酒粕の風味が合う。■湯通し塩蔵ワカメ(マルヤわかめ 愛知県豊橋市 三陸産)。さっさっと洗うだけで食べられるので、こんなに便利なものはない。豆腐と九条葱のみそ汁、小桃、トマト、東京たくわん。

めったにやらない健康診断で、いろいろ言われた。専門家に自分が食べたものを見直しなさいと言われ、同じ日に友人に食べたものを書き出せ、と言われる。いちばんしっかり食べる朝ご飯を、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。6月初旬に小田原にいった日の翌々日に当たる。マルソウダのゆで節となす・車麩の煮つけ、やいこもどき、ゴマサバ煮生干しのみそ汁(さつまいも)、トマト、東京たくわん。【マルソウダのゆで節となす・車麩の煮つけ】 マルソウダの半身を強めの塩水で煮て、放冷したゆで節と、新潟県十日町市で買った車麩、なすをたき合わせたもの。ゆで節はともかく新潟県ではこのような煮つけをよく食べるようだ。【やえこもどき】 ゆで節をつぶしてみそ、すりごまとすりあわせたもの。湯をそそいで汁にしてもいいし、表面を焼いてもおいしい。【ゴマサバ煮生干しのみそ汁(さつまいも)】 ゴマサバの幼魚を強めの塩水でゆでて、干し上げた煮干しとサツマイモでみそ汁に。煮干しは刺し昆布をして、少し煮出す。サツマイモを加えて柔らかくなったらみそを溶く。煮干しは干しが弱いのでみそ汁の具にしても柔らかくて食べやすいし、とてもうま味豊かなだしが出る。地味だけど、健康診断で言われた通りの食事になっている気がする。

専門家に自分が食べたものを書き出しなさいと言われて、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。きっとこれはボクにとってもいい傾向だろう。なんてがんばっていたのに、ぜんぜん自分の食事を見直す暇がない。久しぶりに、しかも1ヶ月以上遅れで。この日も撮影した魚をおかずにする。大量に撮影していたので、魚の撮影準備をやりながらのご飯。これじゃ体にいいわきゃないよ♪アオメエソの唐揚げ。我が家では唐揚げをおかずにご飯は、本来やらない。福島県いわき市、宮崎県延岡市など、アオメエソを名物にしているところではしばしば見かける。アオメエソの唐揚げには本来ビールかも。マイワシ丸干し。千葉県産が多いマイワシの丸干しだが、千葉県だけでなく関東のものは乾燥が弱いので1日冷蔵庫で干し直す。これを焼いたら、やっぱりマイワシの目ざしの味にノックアウトされる。ご飯とも合う。千葉県野田市、坂倉味噌醤油本店のしょうがのみそ漬け。にんじんとエリンギなどなどのみそ汁。

専門家に自分が食べたものを書き出しなさいと言われて、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。きっとこれはボクにとってもいい傾向だろう。この日は朝、同定不能の巻き貝があり息苦しいばかりで、救いがなかった。まことに生き物の同定は難しい。朝ご飯は、なんと1時過ぎなので、昼ご飯かも。ご飯、イサキの塩焼き、イサキの漬け、モロッコインゲンと油揚げ、坂倉味噌醤油本店のしょうがのみそ漬け、ブルーベリー。モロッコインゲンと油揚げ。こんなもの説明不要だと思うけど、八王子綜合卸売センター八百角でみつけた、今季いちばんのモロッコインゲンを煮干し出しで煮つけたもの。千葉県野田市、坂倉味噌醤油本店のしょうがのみそ漬けは近年稀に見る名品でもっと買って来ればよかった。イサキは八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で釣り上げたもので、釣り上げて3日目。この日の刺身がいちばん味があった。刺身溜まりをかけ、青唐辛子を刻み、ごまをかけた。ご飯の甘味よりもイサキのうま味と脂が勝っていた。塩焼きは言うまでもなくウマシ。ワカメと豆腐のみそ汁は省略。

専門家に自分が食べたものを書き出しなさいと言われて、並べて撮影している内に面白くなってきたし、バランスを考えるようになってきた。それにしても撮影する場合に同じような料理を、一時に作るので塩焼きの時には塩焼きが2、3つ。煮つけのときには煮つけが2、3つ並ぶことがわかってきた。でもサイト運営が最優先なので仕方がない。ご飯と福神漬け以外は海産物である。淡竹とカツオ生利節の煮つけ。今季初の淡竹となまり節をたいたもので、言うなれば定番料理そのもの。カツオ血合いだんごとナスの煮つけ。カツオの血合いはざまざまに使えておいしいものだが、今回は野菜とたくのでだんごにした。うま味が豊かでご飯に合う。ところてん、ハギ子は八王子綜合卸売センター、福泉で買ったもの。ハギ子はカワハギの卵巣だと思うが産地不明である。ところてん。マクサを使った上物でとてもおいしかった。ハギ子煮つけはまだ卵粒が小さく、きめ細やかで煮つけにして絶品。ワカメと豆腐のみそ汁。説明不要だと思う。三重県産青のりの佃煮。都内茅場町、木村海草店で買った物で上等だった。

5月後半になり、八王子の市場にも、また近所のスーパーにも「ぜんな(チョウセンハマグリの小型)」が並んでいる。チョウセンハマグリは千葉県では重要な二枚貝である。内房のアサリがやや低調なので漁獲規制が厳格なはずである。きっと小型をとる理由があるのだろう。なんども書いているが、朝鮮蛤は江戸時代後期に生まれた名で、この言葉に知識人の憧れの気持ちはあっても差別意識はない。「身近な」に対して「遠い」という意味がある。江戸時代から江戸前、江戸湾にいるのが標準和名ハマグリで、外洋に面した九十九里や外房でとれたのがチョウセンハマグリだ。輸送に強い二枚貝なので、九十九里で揚がると銚子を経て日本橋にある魚河岸まで運ばれていたはずだ。同じような例は内湾生のアカガイと外洋性のサトウガイにも当てはまる。昔は内湾生のハマグリを「本」、外洋性の本種などを「ばち(場違)」として、「本」と比べて安かったが、最近、二枚貝は大きさで価格が決まるので、本種は決して安くない。逆転現象も起きている。今回、朝ご飯のために八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で2握り買ってきた。

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にクロマグロの血合いぎしをもらって塩マグロを作った。4月23日に塩に漬け込んで出来上がりは5月5日だった。東京都八王子市西八王子、『魚善』さんに教わったもので、魚屋の作る保存食である。少しずつ切り取っては焼いて茶漬けにし、サラダなどにも使った。いくつかの仕事をやって日々の糧を得ているので、慌ただしいときはご飯を作る暇もない。こんな朝は残り物を整理しがてら料理を作る。その残り物を調理する主役に塩マグロを据える。

体のプロに「食べたものをメモしろ」と言われて、やっている内になんだか楽しくなってきた。自分が食べたものを振り返ると意外な発見があり、反省点も少なからずある。ということで、またまた朝ご飯をば。なにしろ魚の撮影は早朝からで、撮影してはチェックして、部分的な撮影もしながら、ついでに文献を見たりすると、いつのまにか11時近くになる。その間、まんじゅうなどで我慢するが、この甘い誘惑は意外に腹持ちが悪い。不思議なもので甘いものばかり食べると、塩気が欲しくなる。まずはさんざん魚を触り、分解した後なのでとりあえずシャワーで魚臭さを除去する。この撮影後のシャワーがとても気持ちよい。冷蔵庫からあるものを出してくる。やはりどうしても和になってしまうのは、魚料理が和だからだ。主菜は石巻産2.6kgのヒラメ真子のから煎り、沼津産ゴマサバのみそ煮だ。大急ぎで脇役を用意する。スナップエンドウの塩ゆで、奈良漬け、トマト・エリンギ・若布のみそ汁、ウワゴールドを剥く。石巻産2.6kgのヒラメ真子のから煎り。真子の大きさたるやたいへんなもので、アニサキス探しで損傷していたのに600gもあった。これをざっとゆでてほぐし、鉄鍋でから煎りする。仕上げに酒・塩で味つけする。少し焦がしてあるので香ばしい。沼津産ゴマサバのみそ煮。意外に脂がのっていたのでびっくり。片身は分解したので片身のみみそで煮る。三枚に下ろした身は切り身にして湯引きして冷水に取り、水分をよく切っておく。南会津町の梁取みそ・みりん・酒・水である。ご飯は少量、おかずで満腹を目指しているが虚しい。

体のプロに「食べたものをメモしろ」と言われて、やっている内になんだか楽しくなってきた。自分が食べたものを振り返ると意外な発見があり、反省点も少なからずある。ということで、またまた朝ご飯をば。カンパチも4㎏を超えるとなかなか食い尽くせない。いろんな形で保存した。もっともスタンダードなものが、切り身にして塩コショウである。塩コショウして1時間くらい常温におく。あとはラップして冷凍する。使うときは自然解凍するといい。ご飯、カンパチのフライパン照焼、うどのきんぴら、トマト、レタス、東京たくわん、ダメになりそうな野菜の具だくさんみそ汁。フライパン照焼はたぶん『暮らしの手帖』の料理名だと思う。小学生から延々読者だったのでいつ頃に見た料理なのか、思い出せない。塩コショウしたカンパチの切り身は自然解凍しておく。多めの油でじっくり中火でソテーする。表面が香ばしくなったら取り出し、プレートに盛り付ける。プレートにご飯をよそい、野菜やきんぴらを盛り合わせる。火を止めて余分な油を保存缶に移す。そこに酒・みりんを加えて、ガスをつけてアルコール分をとばして醤油、しょうがの搾り汁を加えてふたたび煮立たせる。これをタレにして回しかける。ワンプレートなのに盛りだくさんだし、栄養バランスもいいんじゃないのかな。だいたいのっているもの総てうまい。皿はイタッラなのですいすい洗えて、あっと言う間に片づけ終了。

体のプロに「食べたものをメモしろ」と言われて、やっている内になんだか楽しくなってきた。もちろん自分が食べたものを振り返ると意外な発見があり、反省点も少なからずある。さてもうかなり前の朝ご飯の主菜は八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で釣り上げてきたでかいカンパチの粕漬け。大型魚のいいところは保存食などにして長々と食い繋ぐことができることだ。特に粕漬けは保存性が高い。みそ漬け、祐庵漬けなどは漬けすぎると硬くなるが、粕漬けは1週間くらいは平気で保つ。この日は小売業、定期的な仕事、サイト運営などの実に平凡な日だった。あまりにも起伏のない生活に逆に疲れ果てる。ご飯、ぶなしめじ・ワカメのみそ汁、サラダ小松菜とトマト、奈良漬け、熱海市の宇田勝さんにいただいたところてん。カンパチの粕漬け。福島県南会津町『ハローショップ みどりや』でいただいた練り粕とみりん、同町山内麹店の梁取みそ、みりんで漬け地を作る。カンパチの切り身に振り塩をする。水分が出て来たら拭き取り、漬け地につける。写真は食べ頃の3日目で、粕の甘味と香りが豊かで、結局1枚追加する。クサヤモロのさんが焼き。これも銭州でクマゴロウが釣り上げてきたもの。今回は刺身にして、みそたたき(なめろう)にした。残ったものをガスグリルで焼き上げた。旬で脂が乗っているので焼いても硬くならず実に豊潤。まことに和そのものの朝ご飯で、おかずが多いので、糖質をかなり控えることができた。それにしても粕漬けは飯に合う。

いちばん近い都心である新宿まで出なくてはならない日だった。面白いもので八王子の市場人は新宿に出るとき、東京に行くという。最近、数えるほどしか都心に出ないので、ボクもときどき東京に行くというようになった。毎日、激混みの列車に揺られていたボクが、遙か昔のボクになっているのだ。近いんだから慌てる必要はないだろうと思われるかも知れないが、普通の日でも忙しい午前中が2倍忙しくなる。それでも、自宅では原則魚飯なので一瞬で食べられる魚飯を考える。八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で前日に釣り上げたカンパチがあるので冷蔵庫から取り出し、中落ちをかき出し、食べやすい大きさに切る。少しだけみりんを落としたしょうが醤油に漬け込む。しょうがは近所でもらった試供品のチューブだ。刻みねぎを加え、ごまを振り、かき混ぜる。

自分の食べているものを記録しなさいよと、その道のプロに言われて、食べたものを全部撮影することにした。取り分け、朝ご飯はちゃんと食え、と言われたので、撮影したもの以外にも、例えばみそ汁などいろいろ作る。市場に行かない水曜日なので、一日中、文字打ちの日である。水産生物を調べるという事は、記録するという事だし、生きていくためにはたつき仕事もしなくてはならぬ。卵がダメになりそうだったので東京風卵焼きを作る。初めて上京して江戸川区で食べたとき、ビックリ仰天するほど醤油と砂糖の濃厚味だった。今や醤油も砂糖もちょっとだけよ、となっている。水菜はゆでて市販のドレッシング。昨日の厚揚げ煮は、ときどき作るものでだし以外は精進。普通の家庭の普通の味。だしは混合節で養殖の日高昆布。フクロフノリのみそ汁。フクロフノリは伊豆半島産で小田原のおっかさんにもらったもの。みそは福島県南会津町の梁取みそ。シログチの塩焼き。東京では「いしもち(シログチ)」は塩焼きと決まっているかのごとくだけど、事ほど左様にうまい。

自分の食べているものを記録しなさいよと、その道のプロに言われて、食べたものを全部撮影することにした。取り分け、朝ご飯はちゃんと食え、と言われたので、撮影したもの以外にも、例えばみそ汁などいろいろ作る。もちろん撮影後にあれこれ取りそろえるのは、体力的には苦しいのだが。さて、アニサキスのためにマサバ、ゴマサバを買っては買ってはバラして、アニサキス探しをしている。さすがに全部、身から何からつぶしていることにも気が引けて、塩サバにしたり、ゆでたりして保存することになる。ご飯、主菜は兵庫県淡路産マサバの塩焼き。兵庫県明石市明石浦漁協の味つけ海苔、ダメになりそうなにらで、ニラ玉、ニラ・若布のみそ汁。ピーマンごま油炒め(白ごま)。撮影したばかりのアイナメたたきを焼いたもの(さんが焼き)を添える。淡路島産マサバは分解するのが忍びないほどの上物だった。さほどではないが、脂がのっていたのだ。こんな時季にこれほどの脂ののりは経験したことがない。今回のものは、これを切り身にして振り塩、少し寝かせて冷凍保存しておいた。アイナメたたきを焼いたものは、マアジなどと比べると淡泊すぎるが、これもおかずの1品としては十二分にうまい。

予め断っておくが写真は遙か昔のものだ。本日、午前11時半に作ったトルコ風サンドではない。突然の停電でパニックに陥る。こんなときに限ってケータイのバッテリーが切れている。なすすべがないので止まった冷蔵庫の冷凍庫をあさってスルメイカのげそを出して、サンドイッチを作った。腹が減っては戦はできぬ。作っても停電中なので撮影できるはずもなく、ただただ食べたけど、せっかくなので前回に撮影した同じ物を登場させる。作り方はボクにも作れます、で簡単。げそはすぐに解凍するのでレタスを始め野菜などの材料を並べる。今回のスルメイカげそ以外の材料は、クレシオーネ コントルノというイタリア野菜、エリンギ、にんにくにトマトだ。前回の写真と違うのはマシュルームの代わりにエリンギと、レタスに代わってクレシオーネ コントルノであること。

今、「深川飯」というのがあるが、あれはそんなに古い言語ではない。今、深川飯には炊き込みご飯と、ぶっかけ飯があるが、ともに剥き身を使う。殻付きよりも少し高くつくし、料理店で剥き身にするにも手間がかかる。あれは明らかに家庭料理ではなく、料理店の料理だろう。ちなみに深川とは現在の江東区佐賀町と深川不動周辺、“江戸の高速道路”小名木川大川(隅田川)より、のこと。このあたりは明暦の大火(1657)までは純粋な猟師町だったが、じょじょに宅地化や御家人の住居が作られる。江戸時代の初めには佐賀町から新荒川近くの大島までの海岸線でとれていたアサリも、徐々に東へ東へと産地が遠くなる。江戸時代江戸の町にきていた貝の行商はアサリ、シジミが基本で、まれにハマグリを売ることもあっただろう。アサリは生きたもの(貝殻のついたもの)だけではなく、剥き身もあった。もともと貝の行商は今現在の江東区の人達が産地直送していたのが、船橋など下総に移る。その内、上総、木更津、富津が本場になる。なぜか? 自然の海岸線を無闇にコンクリートで固め始めたからだ。明治、大正生まれの聞き書きを読むと、明治時代末から昭和の高度成長期まで、貝類は小名木川の舟運で現千葉県市川・船橋などから運んでいたらしい。その運河沿いに点々と飯を食べられる屋台があった。その基本がアサリのみそ汁と飯だ。アサリでご飯を食べる、この基本は炊き込みご飯やぶっかけ飯ではなく、殻付きアサリのみそ汁のかけ飯、もしくはみそ汁をおかずにご飯を食べるものだったことは明白である。要するに手っ取り早い忙しい飯だ。

自分の食べているものをちゃんとメモしておきな、と言ったのは、まさかこんなところで会いたくないなと思った顔見知りのさる職業の人だ。まあ人間の体のプロが言うことだし、せっかく生まれて初めての健康診断なのだから、やってみんべ、と思った次第である。1日の内で食事らしい食事は朝ご飯だけだ。他はものすごい量の魚介類料理を作っているので、ダラダラ食いとなる。早朝からだって魚料理を作っているので、やはり朝ご飯も魚介類が主役なのは悲しいけど、これが現実だ。この日の主役は高知県産シログチである。刺身にしてもっともおいしい魚だが、食文化的な理由で扱いが悪い。だいたい全国的に見ても、本種を生では食べない。昔、日生(岡山県備前市)でヒラ刺網を見ていたとき、見事な「ぐち(シログチ)」を見つけて、物欲しそうに見ていたら「ほらよ」といただいたことがある。「刺身にしたらこっち(ヒラ)より上ですよね」と言ったら、「バカ言うでない(意訳)」と言われた。あれだけ魚食いに長けた岡山でも、シログチの刺身はそんなに普通ではない、ようなのだ。ご飯、福島県相馬市タマゴヤの朝鮮漬、キウイ、ワカメの味噌汁以外をば。シログチの焼霜造り・刺身/実に脂が豊か、身に張りがありうま味も豊かで、ご飯の甘味と一緒になって無茶苦茶でござりまする、と言うくらいうまい。マサバのみそ煮/アニサキス探しのために大量にさばいたマサバの一部を、山内麹店(福島県南会津町只見)の梁取みそで煮たもの。塩分濃度の高いみそを少量使いにして作ったものだが、このみそ実に風味がいい。平凡な料理の方が飯に合う、と食べたものを振り返るたびに感じる。

5月4日の遅い朝ご飯は「イカ焼きうどん」だった。東日本で、お昼にお好み焼きはあまりない。西日本に行くと、お昼ご飯がお好み焼きということが多々ある。最近、西の旅に出ていないので、昼前後になると、やけにこのお好み焼きのソースの香りが恋しい。昔、山口県岩国市で聞取していたまったく未知の人が連れて行ってくれたのも、お好み焼き屋だった。期待していただけに、岩国でなにもお好み焼きを食べることもない、とは思ったが、西日本で、お昼ご飯にお好み焼きの方が、むしろ自然なのだ。しかもミックスお好み焼きがとてもおいしかった。このときほど東日本と西日本の、お好み焼きの食べ物としての位置が違っていることを強く感じたことはない。ちょっと前のことだけど、徳島県徳島市のお好み焼き屋で、イカの焼きうどんを食べようと思ったとき、「豆玉」の文字が目に飛び込んできた。知り合いのDに甘い豆が入ったお好み焼き食べたことがありますか? と質問されたからだ。ちなみにこれ以前にも、このときもボクは「豆玉」をまったく、ほとんど食べていない。連れがほぼ全部食べてしまったからだ。イカ焼きうどんも食べていない。2人で3つ注文したときに、麺ものはそば(中華そば)がいいと連れが言ったからだ。できるだけ早く徳島県東部の「豆玉」を食べてみたいと思ったがすぐ忘れてしまっている。お好み焼き屋のイカうどんも食べたい。もちろんここ数年のことだけど、ボクのお好み焼きの麺の基本にあるのはうどんである。焼きうどんが好きだったときに、子供返りしているのだ。具の基本はイカで、特にスルメイカがいい。話が逸れ逸れになったが、連休中のボクに戻る。近所でスルメイカのげその特売をやっていた。買いました。それでは何を作りましょうとなり、いの一番にカゴに放り込んだのが蒸しうどんだったのである。焼きうどん作りは簡単である。材料を集める。キャベツ、この日はデルモンテのウスターソース(徳島では加賀屋のお好み焼きソースを使う)、蒸しうどん、板東粉(あおさ粉とも。アナアオサを特種な加工をほどこしてふりかけ状にしたもの)、鰹節粉だ。まずは蒸しうどんを流水でほぐす。水分をよくきる。げそ、キャベツは適当に切る。キャベツとげそを炒めて、うどんを加える。比較的ちゃんと炒めてウスターソースをかけてまた炒める。コショウを振る。これで出来上がり。なぜか、用意していたはずの板東粉がなかった。出したはずなのにないので、カツオ節粉だけかける。炒めたイカとソースはベスト相性だと思っている。ヒデとロザンナを聴くようである。うどんはむしろその愛を包み込むマントのようなものだ。蒸しうどん、もう一玉買えばよかったと思ったけどもう遅い。

愛知県産クロダイを1尾かったら、いくつもの料理を撮影のために作ることになる。魚料理を作ったら、=それで食事となる。クロダイは中途半端な魚だと思っている。今、魚価が上昇傾向にある中、その上昇傾向に乗り遅れているのである。かなりの上物を買ってもお買い得感がある。高級魚だったのに大衆魚に成り下がっていると考えるとわかりやすいだろう。だから、日々気軽におかずにすればいいのだ。撮影のために作ったムニエルは、だれでも簡単に作れる普段着の料理だ。つけあわせの新じゃがの小じゃが、スナップエンドウは一緒に軽く塩ゆでして陸揚げに。にんじんも適当に切っておく。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取り、食べやすい大きさに切る。塩コショウして小麦粉まぶして、多めの油でじっくりソテーし、仕上げにマーガリン(バター)で風味づけする。このとき軽くゆでた小じゃが、にんじんも一緒にソテーする。あとは温めたパン、彩りのトマトと一緒にワンプレートに盛り付ける。クロダイ以外はあるものなんでもかまうことはない。料理にルールは無用である。これが遅すぎて、ぎりぎり午前中の、朝ご飯となる。ソテーしたクロダイの意外なほどの味のよさに感激するはずだ。強めにソテーした香ばしさと、身の豊潤さとに、味の大きな段差があるのがいい。自宅では、1ヶ月に1度しか飲まないコーヒーは、インスタントなのに上手に作れなかった。次の自宅コーヒーは来月だけど上手に作りたい。

自分の食事を振り返って考える、という変なことを始めたから1月半以上がたつ。意外に面白いので続けていく。水産生物とヒトとの関わりを調べているので、スーパーの魚売り場はとても重要なのである。相馬市にはいくつかの魅力的なスーパーがあり、それぞれに特徴がある。魚が豊富な店で「にくもちがれい(ミギガレイ)」をたっぷり買って来た。非常に生息域の狭い魚で、漁業的には本州青森県から福島県までの太平洋沿岸の魚だと思っている。問題なのはおいしいのに、値が安いことだ。これは煮つけの地位低下と関係がある。煮つけのおいしさは食べればわかるものだが、作る人がいなくなっているのだ。さて、大きめの「にくもちがれい」のフライに、真子を集めて煮つけを主菜とした。この和食なのに洋食とされているフライと、江戸時代以来のしょうゆ味の煮つけがまったく別種の味わいで、それぞれご飯に合う。副菜は東京たくわんに、汁はトマト中心のみそ汁と非常にシンプルなやたらに遅い朝ご飯となったのは、この日、あまりにも整理しなければならない情報が多すぎたからだ。

自分の食事を振り返って考える、という変なことを始めたから1月半がたつ。意外に面白いので続けていく。ボクの場合、早朝に前日撮影準備した水産生物を撮影→画像の選択・保存、そのとき感じたことや、わかったことをテキスト化してサイトに反映する。過去の値段との比較もするので、早朝まんじゅう1個とお茶のみで、朝ご飯は早くても10時過ぎ、ときに11時近くになる。この日は、朝作って撮影した魚料理を中心に並べ終わったのが12時半なので、ほんまに朝ご飯なんかいな? と疑問に思ったりした。以下は作りましたるもの。【カツオの腹身の一夜干し】 福島県相馬市のスーパーで買い求めた腹身を立て塩に10分つけてほぼ1日干したもの。【クロダイの刺身】 一色産のクロダイはこの時点で脂が乗っていてうま味豊かであった。ご飯の時は濃口醤油ではなく、刺身醤油で食べる。【かすべの煮つけ】 福島県相馬市のスーパーで買ったツマリカスベの切り身を煮つけたもの。前日食べたものをそのまま冷蔵保存したら、見事に煮凝る。【フクロフノリの中華スープ】 福島県相馬市原釜で採取していたバアチャンに撮影用にいただいたもの。やはりフノリのみそ汁はおいしい。小皿に、大好きなスナップエンドウ(スナックエンドウと同じ物。ともに商品名の著作権が切れているので使い放題だと思う)と南相馬市タマゴヤの朝鮮漬。八王子綜合卸売センター八百角の社長がくれた謎のみかん。ちょっとだけ野菜が足らん気もする。

最近、そのときどきそれぞれに何を食べたかを撮影している。画像を見ながら考えることも多く、また魚だけでは食事は成立しない、という当たり前のことがわかってくる。だいたい、自分が作ったもの以外も食べたいということがある。さて、相馬行から帰った翌日、4月29日なので、食材はほぼすべてが相馬で買ったものだ。相馬にはうまいものがたんとある。朝、おまんじゅう1個なのでたっぷりあれこれ食べたい。そんな遅すぎる昼兼用の朝ご飯である。原釜産「あおめがれい(マコガレイ)」の煮つけ。やはりカレイ科の中でも上位に君臨するおいしさだと改めて感じた。マコガレイが真子鰈たる所以の真子(卵巣)のおいしさ。これだけ真子が大きくなっていながら身の締まっているところなど申し分のない味である。松川浦産アサリのみそ汁。非常に粒が大きい。どことなく北海道産を思わせる。市内で買ったブロッコリーのわき芽とレタスのサラダ。市内中島ストアのみそ豆、タマゴヤの朝鮮漬け。この相馬ならではの惣菜、漬物が非常にうれしい。

連休中に水産生物(水産物)が切れた。ちょっと慌ただしいこともあり、連休明けにも1度しか市場に行けていない。ホームセンターに消耗品を買いに言ったついでに、鮮魚売場でお買い得品のスルメイカのげそを買って来た。長崎県産で成イカというよりもバラ(若い個体)である。それでもたっぷり入って500円ほどは安いと思う。これで3食をまかなう。最初のスルメイカのご飯は世にも簡単なアドリブ料理、だ。帰宅してから残り物を全部並べてみる。じゃがいも1個、にんじん半分、スナップエンドウ一握り、マシュルームだ。+ローリエ、にんにくにビネガー・オイル・スパイス・塩。

日々、少ないときでも、3、多いときには10の魚料理を作っているので、食事も大方水産生物のものとなる。それにしてもヒラスズキの旬はわかりにくい。白ご飯は福井県の「いちほまれ」高知県産ヒラスズキ兜焼き。なんど作っても骨まで愛せると思う。おおばらごま油炒め(ハリギリの芽をゆでて、水にはなち、ごま油と醤油で炒め黒ごまを大量投入)。塩若布(ワカメ。茅場町木村海草店で頂いた試供品。水で洗っただけ)。間引き蕪の漬け物。本物の小蕪だと思って買ったらF!の間引きだった。本物の小蕪が食べたい。糸こん炒め煮(糸こんと子持ちヤリイカ真子とゲソ・ぎょうじゃにんにくを炒め煮にしたもので味つけは少量の酒と醤油)。間引き蕪と油揚げのみそ汁(福島県南会津町梁取みそ)。

一様水産生物を研究しているつもりなので、日々努力を重ねているつもりでもある。個人経営のスーパーのオッチャンに「暇でええよな」と笑われたことがあるけど、寸暇もないといってもいい。日々、専門書に取っ組まないといけないし、水産生物と組んずほぐれつだし、いつの間にか専門分野の問題点に行き当たってその分野の専門家と同次元で苦しんだりしているので、ボンヤリコンとしているわけではない。なので食事もいつの間にか、仕事になっちまったぜ。この週はヒラスズキを1本買って作った料理は7つなので、主菜ヒラスズキが続いたりする。この日の朝ご飯は、ヒラスズキ若狭焼き、子持ちヤリイカげそ&真子・ギョウジャニンニク・糸こんにゃく炒め、三つ葉の黒ごま炒め、あおさ佃煮、山椒の卵焼き、しゃくし菜だった。ヒラスズキ若狭焼き/切り身を若狭地(酒・醤油)を塗りながら焼き上げたもの。子持ちヤリイカげそ&真子・ギョウジャニンニク・糸こんにゃく炒め/八王子綜合卸売センター、『八百角』でもらったダメになりそうなギョウジャニンニクと子持ちヤリイカのげそ、糸こんを炒めたもの。そう言えば水戸の市場で糸こんとしらたきの違いを聞いたけど忘れた。三つ葉の黒ごま炒め/八王子綜合卸売センター、『八百角』で3束100円だったのでついつい買ってしまった三つ葉を使う。あおさ佃煮/茅場町『木村海草店』で買った。三重県志摩市英虞湾で養殖したヒロハノヒトエグサの佃煮。製造したのは愛知県。山椒の卵焼き/山椒の葉がダメになりそうだったので煎り卵にぶっ込んじまったぜ。しゃくし菜/埼玉県秩父地方特産しゃくし菜の漬物。

日常的に陸上生物の筋肉・脂はとらないので、水産生物をのぞくと菜食主義者のようだ。それでも太ってしまうのは、想念を整理し始めると時間が無限大にかかり、座っている時間が長すぎるせいに違いない。小田原から持ち帰った魚をせっせと消費するといった日々である。そんなときに限って八王子綜合卸売共同市場、舵丸水産のクマゴロウが本マ(クロマグロ)のあらをくれたりする。魚がたっぷりあるときに限って魚がやってくるのは、いうなればボクのジンクスでもある。野菜もたっぷりあるし、作り置きの総菜類もある。ただ単純に料理を並べて、午前6時の朝ご飯は始まる。ご飯は今日から福井県の「いちほまれ」。サラダはサニーレタス、ブロッコリーの芽、トマト、レモネード(静岡県沼津市の食用柑橘類)、ブリマヨ(神奈川県小田原市産ブリ・マヨネーズ・ヨーグルト・コショウ・レモン)。神奈川県スーパーヤオマサで買った木綿豆腐(サカグチヤ 静岡県御殿場市)。こごみ胡麻よごし(コゴミ、煮きりみりん少量、醤油)。神奈川県小田原市産タチウオ塩焼き。クロマグロあら煮。わかめのみそ汁。たぶんカロリーは低めだと思う。満身創痍なので、できるだけ理想的な朝ご飯を目指している。