ハチジョウアカムツの醤油洗い

醤油洗いは日本料理の基本の基本


日本料理の基本の基本なので、日本料理の料理人の誰もが知っているのが、醤油の風味と塩気を微かにつける「醤油洗い」だ。
同じように魚の臭味などを、さっと取るための「酢洗い」というのもある。
味つけするのではなく、生々しさを取るといったものだ。

さて、学生時代、刺身定食がだめだったときに、板前さんに教わったもので、「醤油洗い」をするととてもご飯との相性がよくなる。
生魚を食べるという感じが薄まる。
根っからの魚好きではないボク向きの料理法だと思っている。
ちなみに江戸時代後期、江戸の町などでの「刺身」はマグロが主だったが、「醤油洗い」、「酢洗い」するのが基本だったはずである。

ご飯に刺身は最強の組み合わせだけど、ちょっとだけ一工夫


ただでさえうま味豊かなハチジョウアカムツが、醤油に触れるだけで、その豊かなうま味が刺身の表面に上がってくる。
舌に乗せた途端にうまいと感じる。
少しだけ醤油に浸してご飯に乗せて食べると最強である。

ワカメが主役に見える、ボクの昼ご飯


この日のお昼ご飯は。白菜の薹立ち菜、ゆでワカメ、とろとろわかめ、ワカメのみそ汁。
刺身・だし以外、すべてが精進ものとなる。
ハチジョウアカムツよりも秋田県男鹿市船川の漁師、近藤亮さんにいただいたワカメが主役だったかも。

江戸前、小笠原のハチジョウアカムツ


八王子綜合卸売センター、福泉に小笠原から体長45cm・1.7kgのハチジョウアカムツ(東京都小笠原村)がきていた。やはり高いな、とは思いながらも味の記憶に押されて手が出る。これは以前にも書いた。

醤油とスダチ果汁の中でさっと洗うだけ


水洗いして三枚に下ろす。
皮を引き、やや薄めに切る。
これを醤油で洗うように潜らせる。
今回はすだち果汁をプラス。

くらぐれも長く洗ってはいけない


くぐらせたらすぐに醤油を切る。
長くつけ込むと、づけになる。


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