巨大なシマセトダイと尾鷲の虎の尾

刺身を食べてシマセトダイの大きさによる味の変化がわかる

シマセトダイの刺身

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に山口県下関市、『下関勇次水産』から真っ黒な魚が来ていた。パーチを剥がすとなんとシマセトダイだった。
重さ2㎏はこの魚の最大級だと思う。

刺身などいろいろ作っているときに三重県尾鷲市、岩田昭人さんから地元の青唐辛子、「虎の尾」が来た。
毎年毎年とてもありがたい。助かります。
シマセトダイの刺身を「虎の尾」、酢、醤油で食べ、翌日、安いジンの友にまた刺身を作った。

2キロ級はめったに手に入らないと思うが、シマセトダイは小型はあまり味がなく、大きければ大きいほどおいしいと考えていたが、今回の個体など、まさにこれを立証していた。
小型ばかり食べていたので、この格差に驚かざる終えない。
なんと味のあることだろう。
そこに「虎の尾」というのがとてもいい。
今回のシマセトダイは、さほど脂がなかったものの、身に張りがありうま味が豊かである。
舌に感じる味が長々と続きダレがない。

辛味とシマセトダイの味わいと、を合わせて食べる

シマセトダイの刺身

翌日、小さめに切った刺身、虎の尾、オーストリアの塩で食べたら、絶品であった。
小振りに切った刺身に「虎の尾」のせん切りとを和える。
青唐辛子と酢は合うので。これを酢醤油で食べてもいける。

塩と柑橘類で限りなく涼やかに

シマセトダイの刺身

でも今回は醤油のおいしさが邪魔に感じられた。
シマセトダイと「虎の尾」だけの取り合わせに、塩を振る。
スダチ果汁をたっぷりたらし、ほんのり白い皮膜のついた刺身を楽しむ。
塩と香酸柑橘類の取り合わせが涼やかでいい。
今年の「虎の尾」は小振りながらとても辛味が強かった。

ころころ考え方が変わるボクだけど、一年のつんつん来る刺激は、春の苦味、夏は青い辛味、秋の渋味、冬は赤い辛味かも。
たった1杯のジンロックがええ、感じだす。

手に入れるのがとてもたいへんな個体数の少ない魚

シマセトダイ

シマセトダイはヒゲダイ科の魚で個体数が少ないので生息域はよくわからない。青森県でも見つかっているので、本州以南である可能性がある。
水揚げ量の極めて少ない魚で、めったに手に入らない。
ヒゲダイ科の特徴はオジサン、オジイサン顔であることだ。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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