ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場

すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~ すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。

イラスト図解 寿司ネタ1年生 イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。

更新情報など

最新コラムより

筋子
料理法・レシピ 

09月27日、今季初イクラ、完成

今季、筋子はそれほど高くない。9月25日はたぶん一年ぶりくらいの筋子買い、イクラ作りである。
イクラは、頼まれて作ることもあるが、自分用に作ることは年一、二回程度である。
そう言えば、昔、テレビで芸人さんが市販のイクラをご飯に大量にのせて食べたのをそばで見ている。まさか食べきるとは思わなかったのに食べきったのである。イクラのだいたいの塩分濃度がわかるので、その根性はすごいなと思うけど、体に悪いことこの上なしだ。市販のイクラは塩辛くて食べられない。
イクラを自家製するのは塩分を限界にまで少なくするためである。
コラムの続きを読む 
チダイ
味わい 

チダイの塩焼きは冷めた方が好き

八王子総合卸売協同組合、マル幸にで新潟県佐渡産のチダイがきていた。チダイという標準和名は関東ではほとんど使われていない。江戸時代、明治時代には「小滝鯛」、日本橋の魚河岸では、現在若い個体にだけに使われている「春日子鯛(かすごだい)」が、成魚のことでもあったようだ。そして今、関東では「花鯛(ハナダイ)」呼ばれることが多い。
明治初年時でも比較的一般的ではなかった呼び名、「血鯛(チダイ)」を標準和名として採用した理由は不明だが、魚類学をやっていないとわかりにくいが、属の段階になるとわかりやすかったりする。
古くから塩焼き用の魚とされていた。明治時代から1970年以前(関東大震災、第二次世界大戦とともに文化の大破壊が行われた年)の書籍を読んでいると、近海で揚がる魚はそれぞれ用途が決まっていたことがわかる。1980年前後、世田谷区桜新町の魚屋で買ったとき「焼くだけにしようか?」と言われたことがある。
そのチダイの定番とされる塩焼きを作る。
特別な器具がないので今回の体長25cm・415gは丸のまま焼けるギリギリのラインである。
コラムの続きを読む 
北海道産サンマ
郷土料理 

サンマの天ぷらは沖縄県民日常の味

15年前、午前3時の那覇市農連市場でおばあの朝ご飯を見せてもらった。沖縄らしい味つけした魚の天ぷらがタッパーに入っていて、何人かで分けて食べていた。うるま市の農連市場でも同じものを食べていたが、こちらは自家製ではなく市内の天ぷら店の天ぷらだった。
魚の天ぷらならグルクン(タカサゴ)やグルクマー、キハダあたりかなと思ったら、意外すぎるものだったのでビックリした。サンマの天ぷらだったのだ。
沖縄本島中のスーパーを片っ端に見て歩くと、確かに解凍サンマが普通に置いてある。総菜売り場にもサンマの天ぷらがあった。いかにも旅のもんですが、といった感じでサンマのことを聞いたら、島の魚よりも人気があり、天ぷらも作るという。
サンマの不漁に「サンマが食べられなくなる」とこの国の人間は突然降って湧いたかのように宣い、テレビでも報道する。これには強い違和感を感じないではいられない。本来サンマを食べない地域にも売り込み、本来サンマ漁をやっていなかった臺灣にサンマ漁を導入させたのも、この国の仕業ではないのかな?
漁業と自由主義経済は切り放して、厳格化しないとダメだと思うな。自由経済は明らかに破綻していて、ある意味、弁証法のように大きな視点で考えるときが来ていると思う。
ちなみに我がサイトは多様な生物を多様な料理法で食べることが、自然には優しいということからはじまっている。そろそろ生きること、食べることは自然と直結することだと、思って欲しいものである。
いろんな自然保護のイベントや活動をやって目立っている人達は無数にいるけど、この日常的なことをから自然を考えようと思っている人が少なすぎる。イベント的な自然保護活動は否定しないけど、日常的に自然保護を考える方が地球を救う効果は数十倍ある。
コラムの続きを読む 
ゴマサバ
コラム 

9月、石巻のゴマサバ1尾食べ尽くす

9月11日、八王子総合卸売協同組合、マル幸で宮城県石巻産のゴマサバを買った。全長44cm・937gだから大型である。触っただけで脂ののりがわかるといったもので、もともと断面の丸いゴマサバが余計に丸く感じる、そんな上物だった。
コラムの続きを読む 
函館産小ヤリイカ
料理法・レシピ 

小ヤリはイタリア風(?)トマト煮がいい

ボクのおさかな365以上日記 小ヤリはイタリア風(?)トマト煮がいい
市場では秋の小イカからはじまって春の大イカで終わる。そんなヤリイカの陰が薄くなってしまっている。相模湾などでも本来ヤリイカシーズンである寒い時季にもケンサキイカ(赤いか)がとれる。主役であるはずのヤリイカは探さないといけなくなっている。
最近、真冬にケンサキイカとヤリイカが隣合わせで売られても驚かなくなっている。南のケンサキイカがずんずん北上して、北のヤリイカがずんずん北に去りつつある。
日本列島のイカ地図(勝手に作っているもので非売品)では、成り上がり者のケンサキイカの勢いに押されて、大大名であったヤリイカ家が石高減少で滅亡してしまうのではないかと思えるほどだ。
ヤリイカ科ではアオリイカ、ヤリイカ、ケンサキイカとそれぞれ味に違いがあり、それぞれに好きなのでヤリイカが消えてもらっては困る。
さて今季のことだが、ヤリイカは8月末から9月ころには当歳イカが入荷してくるものと思っていた。走りの時季は外套長7cmくらいででしかない。9月の声を聞くと、茨城県、福島県などからこの小ヤリがわんさかやって来ていたが、今年は来ないなーと首を長くして待っていた。
やっと見つけた初ものはなぜか常磐を通り過ぎて、いきなり北海道函館産である。
常磐の小ヤリ何処へ? 豊洲まで探しにいかないと見つからないのかも知れない。
コラムの続きを読む 
料理法・レシピ 

湿気た色変わりした板ノリは佃煮にする

板ノリは焼きノリもあるし、生板ノリもある。頂き物があり、義理で買ったものもあるし、伊勢の旅でたっぷり買い物をしてオマケでもらったものもある。
すべて密閉できるビニールに入れて冷蔵保存しているが、それでもときどきダメになるものがある。そんなダメになった板ノリは捨てないで集めて置く。これを「海苔の佃煮」に作り替えるのである。
今回のものは焼き海苔7割で生板ノリがほぼ3割、数枚味つけ海苔が混ざっている。これを佃煮に変身させる。ちなみに佃煮に向いているのは生板ノリである。
コラムの続きを読む 
赤酢
コラム 

ホッキガイの刺身は酢洗い率高し

貝の刺身が好きだ。巻き貝、二枚貝とも好きでときどき撮影無しでも造って食べている。残念ながら今、貝類がいちばん少ない時季なのである。特に今年は少ない気がするのだが、これも災害級の暑さのためかも知れない。
唯一、安定的に入荷してきているのがホッキガイ(標準和名ウバガイ)である。
ベストのシーズンではないが、買っても損はないレベルといったもので、1週間に2度、3度買っても食べ飽きない。
さて、日常的に使っているミツカンの山吹という赤酢がなくなってしまった。比較的安定した味で、比較的安いので我が家の定番酢のひとつである。
主に酢洗いに使う。酢洗いは日本料理の基本中の基本だが、その酢洗いにも2つの目的がある。臭味をとるための、と、香りづけのためだ。当たり前だけど赤酢は後者である。
特に二枚貝の刺身は香りづけに酢洗いすることが多いのだけれど、今回は初めて買った赤酢を買って試してみた。
銘柄は書かないが岡山県のものだ。
コラムの続きを読む 
羽幌産トヤマエビ
コラム 

北海道羽幌産ボタンエビに懊悩する

標準和名が「正しい名前」という愚か者が多くて困る。標準和名とはあくまでも科学の世界で便宜的につけた名であって、正否の問題ではない。だいたい標準和名など使うと余計にその動物、植物に行き当たらないなんてことだってある。
特に生食されることが多いタラバエビ科のエビなど標準和名などない方がいい、のではないかと思っている。
さて、1970年代くらいまでタラバエビ科のエビはこの国でほとんど流通して食べられていなかった。タラバエビ科のエビは筋肉が発達しておらず、呈味成分が多いわけでもない。多種多様なアミノ酸がからみあって身も身のエキス分をも粘質にし、またこの多様なアミノ酸が甘いとヒトの舌に感じさせる。身に水分が多いのも特徴である。
それまで本州、四国、九州などで主に食べられていた、非常に原始的なクルマエビ科のエビとは真逆の味である。
ちなみにタラバエビ科でもっとも早く全国的に知られたのが甘エビ(ホッコクアカエビ)である。これは1970年代東京都内デパートが始めた新潟物産展からとされている。ちなみに1974年、銀座の秋田料理の店で初めて食べたとき、「都内でも数軒しか食べられない」と説明を受けている。
タラバエビ科のエビでは、標準和名でホッコクアカエビ(甘エビ)、トヤマエビ(ボタンエビ)、モロトゲアカエビ(シマエビ)、ボタンエビ、ヒゴロモエビ(ブドウエビ)の順で流通量が多い。ほかにもあるが、ここでは省く。
今タラバエビ科でいちばん高いのはヒゴロモエビ(ブドウエビ)であるが、ここには流通量が少なくて希少だということが加味されている。流通量のことを考えると、正真正銘、いちばん高いエビはトヤマエビ(ボタンエビ)とした方が正しいと思っている。
本種は国産だけではなくアメリカやロシアから冷凍輸入されたものもある。アメリカのものはともかくロシアのものは格段に安い。今どき大はやりの海鮮丼に乗るボタンエビの何割かは、ロシア産の冷凍ものである可能性が高い。丼にのるボタンエビをありがたがって食べている人がいるが丼の値段から儲かると思う。
さて、本種は特に60gを超えるとキロ単価で(仲卸値段なので卸値以下同)1万円くらいする。品薄感があると2万円というのも見た事があり、過去に80gでキロ単価25000円というのを買っているが、こうなると食べ物の値段とはとても思えない。
さて、八王子総合卸売協同組合、マル幸に来ていた羽幌産はだいたい60g前後で平均価格の㎏あたり10000円よりも安かった。それでも2本で原価1000円ほどになる。
ちなみに1尾500円と考えると、刺身に2尾盛り込んだとして、料理店では2000円では出せない。たぶん3000円で出しても苦しいと思う。なぜなら足が速いからだ。
コラムの続きを読む 
カタボシイワシの肩の星
コラム 

秋のカタボシイワシは抜群にうまい!

カタボシイワシは1955年に標準和名がついた。当時の魚類検索には南日本と記載されていない。当時はヤマトミズン属だったが、現在ではサッパ属で、岡山県の「ままかり(サッパ)」と同属である。サッパ同様腹部の稜鱗(刺々しい鱗)が強い。
2005年前後に鹿児島県で水揚げされ始め、またたくまにいろんな地域で発見され、突然定置網に入ったのはいいけれど、魚の名前がわからないから教えてくれ、などという問い合わせを何度も受けている。
比較的暖かい海域にいる魚ではあるが国内での生息域はよくわからない。四国九州、そして沖縄にも生息。南はオーストラリア、アフリカ東岸にもいる。
さて9月14日は、もう1週間も前のことになるが、神奈川県、小田原魚市場で1尾だけ手に入れた。体長21cm・139gは小田原では平均的なサイズである。
ここ数年、見つけると、拾ってきては味見している。たくさん揚がったときにはスーパーヤオマサ、ナイトウさんのところから1尾だけ失敬したこともある。今更あやまっても仕方がないけど、ごめんなさい。ちなみに本種を手に入れたかったら神奈川県にあるスーパーヤオマサに行くと手に入る可能性大。
味見なので1から3尾ずつ、1年間で30個体近く食べたことになる。要するに旬がわからないための味見である。
鹿児島県などでは冬にもいるが、小田原では水温の高い春から晩秋にかけて水揚げが多い。
相模湾では5月から7月、8月くらいまではあまり脂がなく、9月になると急に脂が乗り始める。考えてみると同じニシン科のコノシロでもそうだが、産卵期前後は味が不安定で、産卵後は脂が抜けるのである。このことから相模湾での本種の産卵期は、晩春から初夏ではないかと考えている。
コラムの続きを読む 
相模湾、マサバ
コラム 

小マサバの中から上物を選別する

9月14日は、もう1週間も前のことになるが、神奈川県、小田原魚市場ではマサバの小が大量に揚がっていた。中には加工用に引き取られていくのもあるだろうけど、後の残りは飼料とか場合によっては輸出用となるのだと思う。
この小型のマサバは未利用魚ではないが、ていねいに大きさと質を選別すれば、ちゃんと流通できるものがかなり紛れ込んでいる。なぜ選別しないの? というと人手が足りないからだし、流通しても確実に利益が出るとは限らないからだ。
最近、未利用魚という言語で商売をやらかしている人達がいるが、未利用魚でもなんでもなく、むしろ高級魚を売っているところなど詐欺に近いものまである。未利用魚は漁業者を助けるというのが目的なんだけどな、なんて考える。
例えば未利用魚に価格の低いというのが入るなら、この大量に揚がった小マサバを再選別して積極的に利用法をアドバイスし、流通させてはいかがだろう。
とここまで書いてきて、ではボクにその上物が選別できるのか? と問いかけてみた。せっかくなのでやってみた。数百キロの中から、しかも大小混じりすぎの中からいいものを選ぶのは大変である。やってみてすぐにあきらめてしまったのは人間性の問題かもしれない。
無造作に数本選んだだけで、ままよ、なんて居直った。そこに二宮定置の山崎さんがきて「これがいいんじゃないですか?」と、ひとまわり大きいのを手渡してくれたのだ。
帰宅して計測する。計7本持ち帰り、最小は干もの用に外し、計5本を干もの以外にしたいと思ったが、刺身を考えると残りは、2本で、小さい方がボクの選の24cm ・167g、大きい方が山崎さん選の26cm・233gだ。
だんぜん山崎さん選がよかったので、刺身用に水洗いしてペーパータオルにくるんで保存する。
コラムの続きを読む 
コラム 

活けガンゾウはやたらに素晴らしい

9月14日の神奈川県、小田原魚市場の活魚槽にガンゾウビラメが泳いでいた。たぶん岩とか福浦(ともに真鶴町)の定置で揚がったものだろう。
ガンゾウビラメは比較的暖かい海域の砂地などにいる魚で、一般的な知名度はゼロといってもいいが、流通上は至って普通の食用魚だ。
地方名が非常に多い。これはヒラメよりも水揚げ後の鮮度落ちが早く、水揚げ地で消費される比率が高いためである。
小型底曳きなどでまとまってとれる魚だが、少ないながら定置網でも揚がる。底曳き網ものがこの魚の価値を決定しているので安いが、実は定置ものの活魚は上物なのである。これなど第二のヌマガレイ(まったく売れない魚だったのが活魚で売れるようになった)となる可能性だってある。
活魚なのにそんなに高くないのは、とれる量が少ないためだ。最近、未利用魚のことで盛んに入合(何種類かの魚で1つの荷にする)を作れなどというが、意外に難しいのは水揚げされた全魚種の価値をちゃんとわかっていないと入合が作れない点にある。入合、入合と言っている人間でこの基本のキがわかっていない人が多すぎる。
このぽつんと2、3枚程度のガンゾウビラメなど漁師さんや仲卸さんすら一定の評価を持つに至っていないのだ。当然、活け締めにして入合に入れるなんて発想は湧かない。
小田原の恵まれているところは、多様な水産物の産地であり、集積地であり、また巨大な商圏を持っていることである。だから売れない魚はほとんどない。この200g〜300gで大小ありの活魚にもちゃんと値がついていた。
これをいつもながらにさんの水産さんに競り落としてもらい、活け締めにしていただく。
コラムの続きを読む 
コラム 

銚子産マイワシ、小振り成れどもすこぶるつきにウマシ

八王子の市場に千葉県銚子産の小振りなマイワシ(16cm前後・53-69g)が来ている。最近、銚子の荷の仕立ては抜群にいい。冷やし込みがきいて、堅堅である。
ボクの市場通いは日常でしかないので、けち臭くはあれど、朝ご飯用に3尾だけ買ってくる。1尾60g前後なので3尾で180円でしかない。
小羽を手に八王子総合卸売センター、八百角に寄ったらあんまりいい小ネギがない。日本各地で暑さに小ネギが萎れてしまっているのだという。今年はどうなっているんだろう? というかこれからずーっとこうなんだろうか?
秋の小羽はアタリが多い。へたな大羽よりも秋の小羽だと思っている。帰りの車外温度が34度もあるのでとても秋とは思えないけど、彼岸の入りなので秋は秋で、小羽に秋を感じればいいのである。
コラムの続きを読む 
コラム 

9月のアイゴは産卵後なのに非常にうまい

たぶんアイゴは画像があるだけで数百個体は味見している。
2016年11月、愛知県一色で非常に雑な状態で置かれていたアイゴを買っている。見た目が悪かったので、どれくらい臭うか知りたかったためだ。ところがそんなに臭くはない。それは鈍感だからだろう、と言われそうだけど、もともと魚嫌いな人間なので臭味には敏感なのだ。
2011年10月には徳島県海陽町宍喰竹ヶ島の大型個体を3個体持ち帰っている。これはイセエビの刺網で揚がったものであったこと、宍喰から我が家まで車で11時間かかり、しかも水揚げの翌日に下ろしたので臭った。
ここ3、4年、気になると小田原魚市場で廃棄されているアイゴを持ち帰って、様々な方法で下ろしては食べている。たぶん数十個体に上ると思うけど一度も臭くない。
別に宍喰のアイゴが臭いわけではない。定置網の個体に臭味はないのだ。磯もんと呼ばれている刺網でとれたものが臭い。要するにアイゴの臭味は漁法にもよるし、水揚げ後の処理にもよるのだ。
それなのに最近の未利用魚をあれこれ報道しているバカなマスコミは、臭い臭いと言いすぎている。たぶん未利用魚に取り組んでいる人間の中にも様々な状態のアイゴをさほど食べていない、未熟な人間がいるのだ、と思っている。だからちゃんと報道されないのだ。
9月14日、神奈川県小田原市、小田原魚市場二宮定置でアイゴを3個体いただいてきた。野締めである。お隣の江の安、日渉丸のものは活け締めで金色に発色しているので、臭い臭くないのの次元ではなく、超高級魚であるメイチダイ並にうまいに決まっているので比較対象にならない。普通の扱いのアイゴ、しかも産卵後1ヶ月くらいの野締めのアイゴが欲しかったのだ。
紀州の魚類学者で民俗学者の宇井縫蔵は八九月のがいちばんうまいというが、小田原のアイゴは夏に産卵するので9月の個体は痩せている。このあたり和歌山県のアイゴも比較のためにまた拾いに行きたいものである。
コラムの続きを読む 

サイト内検索