皮目をあぶるとその磯臭さが前面に、これまたほんの少し出てくる。
これを柑橘類とさらした玉ねぎ、からし菜で感じなくする。
またこの植物の辛味がこの磯魚の味にプラスに働いてくれる。
今回、しょうがも添えてみたが無用だった。
あぶったイシガキダイの1切れの味わいの複雑さ、奥深さは他に類をみない。
皮の香ばしさに、この皮自体の食感と味、その真下にちょっとだけ液体化した脂が層をなしている。
その上、身に甘味とうま味がある。
味があばれて、どんちゃん騒ぎというか、あちゃらかというか、喉を通り過ぎるまでが実に騒がしい。
なのに後味が軽く、一瞬だけ味の余韻が感じられて無になる。
この繰り返しがとても楽しい。
今回合わせた「菊水新米新種 ふなくち」の味が強すぎて合わなかった。
次回合わせるなら、がつんと辛口の、一本調子の酒かも。
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ホタテガイが一般的になったのは養殖されるようになってからだ。
それまで本州以南でもともと食べられていたイタヤガイ科の二枚貝はイタヤガイ、ヒオウギガイ、ツキヒガイ、アズマニシキ、アカザラガイなどなどで、どすべて水揚げ量は少ないし、一般的ではない。
今現在、イタヤガイ科で一般的な食用貝はホタテガイだけだ、と言えるだろう。
さて、それでは東京など関東周辺のスーパーに行って、イタヤガイ科の貝を探すとしよう。
もちろんホタテガイはすぐ見つかると思う。ただ、それ以上に目立つのは中国産イタヤ貝という小振りの貝柱だ。
業務用のスーパーなどでは至って普通の冷凍食材だし、一般的なスーパーでも荒天で不漁が続いているときなどには刺身として並んでいる。
しかも加工品がとても多彩で安いのである。
我がデータベースには2004年から画像があるので、もっと歴史は遡りそうである。
今や「イタヤ貝」は国内では、この国を原産地とするイタヤガイ以上に一般的だと思う。
ではこの中国産イタヤ貝とはいかなる生き物なのか?
日本で考えられた標準和名はホンアメリカイタヤという。
「ホン」とは当然「本」のことで、このあたり難しい話になるので避けるが、当然、単にアメリカイタヤというそっくりな二枚貝もいる。
両種とも北アメリカ大陸東岸のカナダ・アメリカ沿岸域にいる。
ホンアメリカイタヤの方が北に生息域を持つ。
もちろん国内に生息しているイタヤガイとは貝殻の形、大きさからして縁もゆかりもない。
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どちらかというとTime time time ♪ かな、外は雪なので、とか♪、♪、♪
冷凍しておいた銚子産マダイの腹骨周りを取り出して、テーブル上で焼く。
軽く振り塩をしてから冷凍したものなので、みりん3・醤油1くらいのつけだれを塗りながら仕上げる。
焼き上がって、そして粉山椒だけど、直売所に山椒の葉が並ぶのはいつなんだろう? と思いながら振ると、相馬御風からサイモンへと音が飛ぶという話である。
歳のせいだと思うけど、最近、こんな物思いしがちな日々だし、こんなちょっぴりの酒の肴がうれしい。
腹にたまらずおいしく酒の飲める量だ。
腐っても鯛とまでは思わないが、その端の端っこまで食べ尽くせる。
腹骨まわりがやたらに印象深い。
骨周りの身は適度に締まっていて、強いうま味がある。
ここに発酵調味料である、みりんと醤油で強すぎる味になってしまいそうだが、後味がいいので屋上屋を架すといった感がない。
それにしても、こんな小さな2切れなのに、栃木県の『惣誉』正一合はやりすぎでござりまする。
ついでに、ついでに、マダイの1本買いはやすいでもござりまする。
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標準和名、ハマグリは様々な文様があることで、「花蛤」というくらいなので、花見に飲むといい。
花散る下で「蛤酒」をやる、なんてのは人生のゴールデンタイムかも。
「蛤酒」の、ハマグリと日本酒とどっちが主役か、と問われれば両方だ、と答えたい。
どっちが勝ってもダメだ。
このハマグリの、強いうま味を受け取った日本酒のおいしさは文字に出来ない。
ハマグリの吸物よりも遙かにうまい。
かといって酒だけを飲み干しては行けない。
少し飲んで、今度はハマグリの身と一緒にすする。
代わり番こに飲み、食べるのがいい。
大酒飲みなら1つのハマグリを酒で煮直して2杯酒をやってもいいだろう。
3個で三杯酒などは贅沢の極みだ。
ちなみに今回の酒は栃木県の「天鷹 本醸造」である。
高い酒ではなくこのあたりで作るのがいちばんうまい。
念のために桜はまだかいな、なら梅見でやってもいい。
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シラウオの方が成長すると大きいものの、2種はとてもよく似ていて、区別をつけるのは難しい。
イシカワシラウオは海に、シラウオは汽水域にいる。
棲んでいる水域は違っても味はほとんど変わらない。
味があまり違わないので、魚類に興味がなければ、同種と考えてもいい。
ということで、イシカワシラウオの刺身は、単に「白魚の刺身」と考えたらいい。
晩秋11月から春4月にかけて漁が行われているので、「しらうお」として売られているものを慎重に同定しながら探すと、見つかる可能性大である。
イシカワシラウオの味の特徴は、透明でひ弱な姿にも関わらず、うま味・独特の風味が強く、食感も強いということだろう。
ワカサギやシシャモに近い魚なので、どこかしら淡水域の風味を感じるという共通点もある。
心地よい食感の後に来るのが、苦味である。
春が盛漁期で、その春に一番感じたい苦味が持ち味の魚なのだから愛されるに決まっている。
イシカワシラウオの刺身でご飯もあり、だけどやはり酒だな。
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ボクの生まれたところは米味噌地域なので、豆味噌のみそ汁を作るたびに、これでいいのかな? と思ったりする。
みそは近所で手に入る、愛知県岡崎の老舗のものか、名古屋の大手イチビキのもので、今あるのはイチビキの「赤だし」である。
豆味噌のみそ汁は連続して作るとだんだんおいしく作れるようになるが、ちょっと作らないでいるとへたになる。
今、ものすごくおいしく作れてるのは、ここ1週間作り続けているため。
おいしい豆味噌のみそ汁を立て続けに飲んでいると、岐阜・愛知・三重3県の人になったような気になる。
我が家のだしは素人で一般家庭なのでその日その日で変わる。
忙しいときはだしの素だって使う。
今現在は、煮干しはひらご(マイワシ)、節は「宗田薄削り節(めじか節とも。原材料はマルソウダ)」と「さば節(ゴマサバ)」である。
節のだしのときは基本的に「さば節」多めで、「宗田節」少なめ。
でも、「さば節」がほぼなくなり、「宗田節」がたくさん残ってしまって、ほぼ「宗田節」のだしを取ったら作る、みそ汁が変わってくる。
普段、みそ汁は米麹味噌で作るが、豆みそ(大豆麹、大豆味噌)になる。
昆布は今高すぎて苦しみ抜いているので、安い日高昆布を使い続けている。
もう50年近く、だしに関してはこんなことをやっているが、節でとるだしの用途は変わらない。
まれに上のだしもとるが、日常のだしの方が、今現在のボクには難しい。
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でも、まんじゅうは太るので最近極力ひかえてる。
めちゃくちゃでござりまするほど、「ぜんざい」、「ゆで小豆」が好きなので三日にあげず小豆をたく。
これも1週間に1度に減らそうと思っている。
贅沢だけど「いわしのみりん干し」も愛している。
これだけはやめられない。問題は年々値上がりしていることだ。
おいしいので、最近、まんじゅう欠かしても「みりん干し」は欠かさない。
食べながら文字打ちをするのでキーボードが汚れて、しゃーない。
汚れない、べたべたしない、「いわしのみりん干し」はもの足りなくってヤだけど、やはりキーボードをじっと見てしまう。
「いわしのみりん干し」の原料はカタクチイワシだ。開いて砂糖醤油で味付けして、べとべとのままくっつけて干したもの。
振った胡麻が粋だねー。
「桜干し」ともいい、干ものの本を読むと北陸が本場だったこともあるらしい。
ただ今現在、スーパーに並んでいるほとんどが千葉県、茨城県産である。
今日もべとべとしながら、わざわざ奈良県十津川村の番茶を淹れて、「いわしのみりん干し」を食べる。
お茶に合うし、止められなくなるくらいおいしい。
このべとべと、べとべとで、ぼくはベトベトンになる。
ちなみに今食べているのは、『なかみち水産』(千葉県山武郡九十九里町片貝)のもの、イワシの本場ともいえるところだ。
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写真で2人前。マダイの頭部は、体幹部分と等価にして1人前400円くらいだ。
もちろん頭部でもかま抜きなら、懇意にしている魚屋ならただでくれると思う。
腹部を少し入れたけど、これなしでも十二分に鍋になる。
考えてみると1尾丸買いの魚は安い。
節約生活は魚の丸買いで、といいたい。
魚屋と仲良くするのもいいものである。
マダイでいちばんうまい部分は皮だし、骨にくっついた身(筋肉)なのだ。
鍋ならあまり脂がないものでもうまい。
残念なことに養殖ものが多いものの、マダイの頭はスーパーなどでもたびたび見かける。
ブリでもマダイでも買わなきゃ、そんそん、だと思う。
昆布だしに酒・塩だけの単純なつゆだが、煮るほどにつゆが濃厚になる。
今回はつゆと具を一緒に食べるので、ずんずんと味がマダイの兜から放出されているのがわかる。
そして皮だ。
皮に強い味がある。厚みがなく布状でしかないのに身以上に脂が感じられるし、おいしい。
比較的庶民的な人間なのでこれだけで元を取ったような気がしてくる。
念のために、マダイの兜だけではこんなにうまいつゆとはならない。
昆布だしが加わっただけでもダメ。
今回、少量ずつだけど白菜や春菊、芹、白ねぎ、水菜、霜降りしめじ、など冷蔵庫を総ざらえして放り込んだ。
この海のもの山のものの融合が鍋の真骨頂だ。
しまいごろには、残ったつゆに日本酒を入れ、温めて火を消して、鍋つゆ酒にする。
飲み過ぎしまい翌日大いに後悔した。
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