ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場

すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~ すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。

イラスト図解 寿司ネタ1年生 イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。

更新情報など

最新コラムより

コラム 

10月のヨコスジフエダイは湯引きかな

ヨコスジフエダイは今やイサキ並みに一般的な存在になりつつある。
ただし旬がまだはっきりわからない。
本種は寒くなるに従い脂が乗る。
2005年から年間を通して食べているが、10月のヨコスジフエダイは刺身で食べても感動は薄い。
脂の乗りが今イチで、うま味もやや少ない時季となると、湯引きにするしかないのかも。
九州の湯引きは生食ではなく、ほぼ完全に火を通すものと、表面だけ火を通して中は生のものとがある。
前者はハタ科の魚に、後者はタイ科や小型のフエダイ科の魚に向いている。

比較的皮が柔らかく、薄いので表面を霜降りにして、身に味を出すといった考え方の湯引きである。
皮はそれほど存在感がないが直下に薄い脂の層を感じる。
湯引きして締まった身にも甘みがあるし、食感が増している。
辛子酢みそで食べると、たっぷり食べても食べ飽きない。
湯引きではなく刺身でおいしくなるのは12月になってからかも。
コラムの続きを読む 
コラム 

男鹿半島沖のサバはマサバか、ゴマサバか?

近藤亮さん(第八松宝丸 秋田県男鹿市)に秋田県男鹿半島沖の魚を送っていただいた。
中にマサバかゴマサバか判然としないものが含まれていた。
尾叉長34cmなので3歳くらいだろう。ゴマの模様はほとんど見られないが、時間をおくと微かに見えてくる。仕方なく背鰭1〜9の基底長と尾叉長を計る。11.8〜12.3%で、痩せすぎていることを考慮して、マサバとしたが、首折りをしているので測定が難しかった。
コラムの続きを読む 
コラム 

明石浦サワラで自分に作る照り焼き弁当

2㎏ものの片身を焼き物に使うと、かなり食べでがある。
取り分け、尾に近い方が、中途半端だけど味があった。
ここを同じように照り焼きにする。
時刻はまだ午前7時過ぎである。
朝ご飯はおまんじゅうなので、昼飯用に弁当を作る。
楕円形の弁当箱の最長部分は16cm、アルマイトではなくステンレス製だ。
お菜を入れる部分がご飯に対して大きいことなど、新しい証拠だろう。

ご飯を詰め込んで、甘い甘い卵焼き(卵・水溶き片栗粉少々・砂糖・白醤油少々)、ローゼルの塩漬け、ハヤトウリの漬物を詰め込む。
ご飯の上に焼きたての照り焼きをのっけて、たれをちょんちょんと散らす。
これにて出来上がりである。

食べるまでの6時間が長いなんてもんじゃなかった。
テレビをつけると西田敏行の死を伝えていた。
同級生と一緒に見た林美雄と一緒だった番組が、とても変で印象的だったことが想い出された。

なんて、ぼんやり思いながらも、照り焼き弁当に心は持って行かれる。
なんて、ぼんやり思いながらも、タレをもっとかければよかったかもとも思った。
まあサワラの照焼は史上最強のご飯の友だ。
しかも弁当箱に入った飯も最強じゃないだろうか。
甘い甘い卵焼きも、柚子をの香りをつけたハヤトウリも、梅干し代わりのローゼルもよし、だ。
弁当2つ作っとけばよかったなー。
コラムの続きを読む 
コラム 

思わず手が出た無塩のアカカマス開き

小田原で魚を見た帰りに、必ず立ち寄る神奈川県秦野市、スーパー ヤオマサ渋沢店は比較的地元密着で楽しい。
そこで小さいけれど貴重な発見をした。ボク以外にはなんでもないものだけど、ボクにはとても重要な発見である。
パック入りのアカカマスの開きまでは普通だが、そこに「無塩」の文字があったのだ。
産地は小田原で、わざわざ「無塩」と書いているのは、「小田原開き(頭はそのままに腹開き)」しているので、干ものと紛らわしいためだ。
「塩分無添加」ではなく、今や死語になった「無塩」が今でも実際に使われているのは、非常に珍しいと思う。
ちなみに開いた体表をなめると干ものほどではないが、微かに塩気を感じる。
この開いたアカカマスの真の正体をヤオマサで聞いてみたい気もする。

パックから取り出して、ただ単に焼いてみた。
最近、塩分がダメなのであるで、ときどき塩をしないで焼いている。
特にサバの仲間(サバ亜目。カマスはサバ亜目カマス科)は塩がいならいと思う事が多い。
淡水魚は塩をしなければ味気ないが、海水魚は塩をしなくても最小限、塩味(しおあじ)が感じられる。
アカカマスのように味のある魚ならばなおさらで、「無塩」をそのまま焼いてまずいわけがない。
実際に焼き上げては食べると、微かな塩気を感じるし、味があるし、ボクにはしごくうまい。
本種ならではの豊かなうま味とほどよい脂の乗りが楽しめた。
コラムの続きを読む 
コラム 

今年もいい味だ! 北海道噴火湾産オオズワイ雌

カニ食いではないので、カニで満腹なんてことはやりたくない。
むしろカニの味にはシビアな人間である。
ちなみに外子は味見程度には口に入れるが、ほぼ廃棄する。
ズワイガニでもなんでもそうだけど、外子の多い個体はまずい。

フンドシを外し、甲羅を取り、左右に割っただけで当たりだとわかった。
クマイチゴ色の内子がこぼれ落ちそうである。
いきなり内子ごと、甲羅下の身にかぶりつく。
これなら、にわかカニ食いになっても仕方がない、といった味である。
内子には、内子にしかない独特の濃厚なうま味と、強い甘味があり、喉元を過ぎた後にちょっとだけ苦味が感じられる。
その上、身(筋肉)に、カニらしい香りがあるし、甘味がある。
脚細なのに身がふっくらしているので、脚の先まで夢中になって食べ尽くせる。
オオズワイの雌、あなどれぬ味である。
コラムの続きを読む 
コラム 

今季初ハタハタの塩焼きは釧路産

関東で暮らしているとハタハタの時季は、秋(10月)から始まる。
10月からハタハタを食い始め、5月くらいまでがハタハタの時季だ。
不思議と、夏に、ハタハタ気分にはなれぬ。

市場では、秋に北海道の比較的大きなものが入荷してきて、やがて秋田県など東北日本海側のものがくる。春には山陰、鳥取県、兵庫県などがくる。
産地での味の違いはないと思っている。
成熟していない若い個体の方が脂があり、成熟が進むに従い脂が減る。
雌の真子(卵巣)が硬くなったものはそんなにおいしくない。
成熟個体は、真子よりも白子の方が味があるので、大きくなる雌よりも雄の方がうまい。
コラムの続きを読む 
コラム 

小ヤリイカげそ焼きそばで感じるノスタルジア

今回はどうせもいい徳島県西部生まれの無駄話をば。
ボクは生来、甘い加賀屋のお好み焼きソースが好き、という話をしたいだけで、小ヤリイカの焼きそばの話がメインではない。
1960年前後、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町南町)で、幼児の脚でもほんの数分のところにあったお好み焼き屋『吉田屋』にときどき通ったものだ。そのときの、焼きそばは脂身の多い牛肉を使ったものが贅沢だったが、豚肉はなかった。
小学生になって「墓場の鬼太郎」を読むためだけに行っていた、お好み焼き店で初めて牛肉入りのお好み焼きを食べたはず。
考えてみると当時は卵入りお好み焼きも贅沢で、普通は天かすとキャベツしか入っていなかった。もちろんイカ入りは食べたことがない。
イカ入りのお好み焼きや焼きそばを初めて食べたのは、貞光中学校のときで、学校近くの『ひまわり』だった。『ひまわり』のお好み焼きは貞光町民には革新的だった。
そしてどの店でもお好み焼きソースは甘かったのだ。
以上、徳島県山間部生まれが感じる典型的なノスタルジアなのだ。

加賀屋のソースがないので、我が家で作る東京の焼きそばは、敢えて言うと、八王子原住民風だ。
八王子の魚屋数人、すし職人などに聞くとウスターソースか中濃ソースで味をつけるという。
これじゃ味気ないのでケチャップを加えているが、ただただうまいだけで、はしゃいだ気分にはなれない。
ラードで炒めたイカは意外にいい味出しているし、柔らかいのも魅力だと思う。
でもやっぱりやっぱり、加賀屋のソースがないと徳島県人は焼きそばを食べた気がしない。
こうなったら今年中に徳島に帰ろう!
コラムの続きを読む 
コラム 

舌切りのあまりもんを使って青柳飯

事務的なことと、定期的な仕事と、日常的な仕事で脳細胞が異次元に散らばる。なにをやっているんだかわからなくなる。
気づいたら2時過ぎだったりする。
気がついたのは腹が減っているからで、そんな感覚すら抜け落ちてしまうことがある。

「(米を)まとめて買っておきなさい」と近所の米屋に言われたので、我が家には米、米、米袋が並んでいる。
終日デスクワークという日々なので、精米して3合ずつ炊いて小分けにして冷凍保存して置く。
最近、頻繁に作るのが煮つけや漬けを使った混ぜご飯だ。
簡単ですぐに出来る。

残り物の青柳(バカガイ)舌切りの混ぜご飯は作業時間、2分半と少々。
電子レンジに冷凍保存のご飯を入れてスタート。
2分半の間に材料を刻んで、チンといったら混ぜるだけだ。
カップヌードルよりも短時間で食える。
保存のために舌切りを漬け込んだ生醤油と、舌切り自体の苦甘い味だけのご飯だけど、ボクはとってもこれが好きだ。
たぶん青柳好きにはたまらない味だと思っている。
最近、ずーっと八王子綜合卸売センター、八百角で特売している水前寺菜の風味がいい。
名残の時季となったみょうがもほんま爽やか。
腹の虫を10分でなだめて、ふたたび異次元に戻る。
コラムの続きを読む 

サイト内検索