マルソウダ

Scientific Name / Auxis rochei rochei (Risso, 1810)

代表的な呼び名ソウダガツオ

マルソウダの形態写真

55cm TL前後になる。ヒラソウダと比べて体高(この画像で天地)が低くスマートで、体が円筒形に近い。鰓蓋上の暗色(黒い)斑は背中の暗色部分と繋がる。また鰓ぶたの後ろにある胸甲部(鱗のある部分)が第1背ビレの後方まで細長く続き第2背鰭を遙かに越える。
マルソウダの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
55cm TL前後になる。ヒラソウダと比べて体高(この画像で天地)が低くスマートで、体が円筒形に近い。鰓蓋上の暗色(黒い)斑は背中の暗色部分と繋がる。また鰓ぶたの後ろにある胸甲部(鱗のある部分)が第1背ビレの後方まで細長く続き第2背鰭を遙かに越える。55cm TL前後になる。ヒラソウダと比べて体高(この画像で天地)が低くスマートで、体が円筒形に近い。鰓蓋上の暗色(黒い)斑は背中の暗色部分と繋がる。また鰓ぶたの後ろにある胸甲部(鱗のある部分)が第1背ビレの後方まで細長く続き第2背鰭を遙かに越える。鰓蓋上の暗色(黒い)斑は背中の暗色部分と繋がる。鰓蓋上の暗色(黒い)斑は背中の暗色部分と繋がる。また鰓ぶたの後ろにある胸甲部(鱗のある部分)が第1背ビレの後方まで細長く続き第2背鰭を遙かに越える。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★★
      重要
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ族ソウダガツオ属

    外国名

    学名

    Auxis rochei rochei (Risso, 1810)

    漢字・学名由来

    漢字 丸宗太鰹、丸騒多鰹 Standard Japanese name / Marusouda
    由来・語源 ソウダ、ソウダガツオは豊後(現大分県)、東京・神奈川での呼び名で、魚名としての歴史は古い。これを1種と考える田中茂穂などの魚類学者と、丸、平2種だと考える魚類学者がいた。江戸時代から呼び分けており、結局現在の2種ということになる。要するにソウダガツオの断面が丸い方という意味。
    江戸時代にも、〈「ひらそうだ」、「丸そうだ」の二種有〉『物類称呼』(越谷吾山著 安永4/1775 解説/杉本つとむ 八坂書房 1976)としている。
    〈rochei, Risso.そうだがつお 豊後〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年) rochei は現マルソウダのこと。
    〈東京ではソオダ又はソオダガツオ、関西ではメジカと云う。是れには二型があって吾々はマルソウダとヒラソウダに區別するが、……斯様に相違を認めるが、同一種の変異と見た方がいゝかも知れない〉。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)
    〈マグロ科ソウダガツヲ属ヒラソウダ Auxis hira KISHINOUYE(Auxis hira Kishinouye, 1915/無効)〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    「そうだ」について
    「鰹に似たれば〈鰹だそうだ〉といいしを、倒置したる魚名」広辞林。
    騒多鰹、宗太鰹(『新釈 魚名考』栄川省造 青銅企画出版)とすると「平騒多鰹、「平宗太鰹」。
    「常に群集して、水面にしぶきを立てながら小魚を捕食する。〈集まって騒ぐ・騒々しい〉ということで『ソウダガツオ』の呼称は〈騒々しく騒ぐ鰹〉。『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。沿岸表層群遊性。
    北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸(秋に多い)、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸(房総半島以南に多い)、屋久島、琉球列島、小笠原諸島。朝鮮半島南岸・東岸、済州島、東太平洋を除く世界中の温帯・熱帯域。

    生態

    沿岸性の高い魚だが、近縁種のヒラソウダよりも沖合を回遊している。
    産卵期は春〜夏。
    小さいときには小型の甲殻類、生長するとイワシなど小魚を狙う。
    また大型のマグロ、カジキなどに捕食される。
    1年で25センチ前後、2年で33センチ前後、3年で40センチ前後になる。

    基本情報

    世界中の温帯・熱帯域の沿岸域を回遊している。熱帯域をはじめ世界中で食用となっている。
    熱帯域ではカレー(スープ)などにするために冷凍流通もしている。
    国内では、そばつゆなどに使われる「そうだ節」の原料として高い需要がある。また西日本ではゆでて放冷(冷やして乾かした)したものもとても日常的なものだ。
    鮮魚は西日本の産地周辺で出回るもので、消費地で取り分け東日本で見かけることは少ない。
    また高知県中土佐町、須崎市沖でとれる新子の刺身は高知県の秋の風物詩。ときに高騰するが、非常に味がよく人気は衰えない。他の地方ではこれほどの鮮度管理が出来ないのが残念。
    安くておいしい魚である。煮つけなどにすると日々のおかずとしても重宝する。もっと鮮魚での利用をして欲しい魚である。
    未利用魚 西日本では未利用魚ではないが、東日本では人間の口に直接入らないという意味で、未利用魚といえる。温暖化が進むと漁獲量が増える可能性がある。東日本でも西日本の食文化を取り入れるべきだ。
    珍魚度 多獲性魚類といってもいい魚なので珍魚ではない。ただし鮮魚で丸のままの状態を手に入れるのは難しい。西日本では探せば手に入るが東日本では入手困難である。

    水産基本情報

    市場での評価 主にソウダ節の原料として重要なもの。関東の市場などではほとんど見かけない。鮮魚として売り買いされるのは主に産地。関東の市場にも少ないながら来るが非常に安い。
    漁法 巻き網、定置網、釣り
    主な産地 高知県など


    ヒラソウダ(上)・マルソウダ(下)を比較する 1
    ヒラソウダ(上)断面は円形だが、マルソウダよりも体高があり、少し左右に平たい。胸甲部(鱗のある部分)は第1背鰭と第2背鰭の間で急に狭くなる。
    マルソウダ(下)断面は円形で体高が低くほぼ円筒形だ。胸甲部(鱗のある部分)は第2背鰭を遙かに越える。
    ヒラソウダ、マルソウダとも鮮魚流通することはあまりない。鮮魚としてはヒラソウダの方が高い。マルソウダは鮮魚流通することはヒラソウダ以上に少ないものの、節類、ゆでもの、干ものなど加工用としては非常に重要である。

    マルソウダ(上)・ヒラソウダ(下)を比較する 2
    高知県など西日本では幼魚のときから漁獲されている。鮮魚として幼魚期から価値があるので、ちゃんと流通している。東日本では幼魚自体がいない。もしくは非常に少ない。
    幼魚時も区別の仕方は同じ。マルソウダ(上)の方が体高がなく体は円筒形でスマート。ヒラソウダ(下)は体高があり左右に平たく白い。それで「しろす(白すま)」と呼ばれている。[高知県中土佐町久礼大正市場]

    選び方

    触って硬いもの。鰓が鮮紅色のものがいい。

    味わい

    旬は冬から初夏。
    鱗は頭部に近い部分にあるのみ。これを包丁ですき引きする。皮は柔らかい。
    赤身で血合いが多く、鮮度落ちが早い。ヒラソウダと比べて、やや脂が少ない。熱を通すと硬く締まる。
    骨などから非常に濃厚なだしが出る。血合いをとれば幼魚は生食できる。
    ヒスチジンに敏感な人やアレルギー体質の方は生食を避けた方がいいと思う

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    マルソウダの料理・レシピ・食べ方/煮る(なまり節、煮もの、煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、揚げる(唐揚げ)、焼く(塩かつお、干もの)、生食(たたき)
    マルソウダのなまり節
    マルソウダのなまり節 鮮魚は安いものなので見つけたら大量に買うといい。これを三枚に下ろして、塩ゆでする。ザルなどに上げて団扇などであおぎ、急速にあら熱を取り、1日〜2日干す。これがなまり節。軽く焼いても、電子レンジなどで軽く温めてマヨネーズで食べてもうまい、大根おろしで食べる。またたきもの(煮もの)などにしてもよい。

    中落ちと真子の煮つけマルソウダの中落ちと真子の煮つけ 中落ちには血合いがあり、この血合い部分と骨などからうまいだしが出て、身とからんでとてもうまい煮つけになる。卵巣も非常においしい。これをほぐしてご飯に混ぜ込んで食べてもおいしい。
    マルソウダの当座煮(佃煮) 水洗いして三枚に下ろし、腹骨をすき、適当に切る。これをさっとゆでて冷水にとり、粗熱をとる。これを酒・砂糖・醤油・水を沸騰させたところに入れる。煮汁は煮つける切り身の二倍半(20cmの鍋で)で20分〜30分、液体がなくなるまで煮る。こうすると1週間程度もつ。
    マルソウダと季節野菜との煮もの(大根) 気温低下の10月ともなるとやっと通常耕作の大根が出てくる。近海で揚がるマルソウダも大きくなるので煮合わせる。大根は下煮する。マルソウダは適当に切り湯通しして残った鱗や鰭、目立つ小骨などを取る。これを昆布だし・酒・砂糖・醤油で煮て、鍋止めにする。
    マルソウダの煮ものマルソウダと季節野菜との煮もの(なす) ナスと煮たもの。甘辛く煮ても美味。この煮つけに静岡県ではナスを加えると言うが、まさに相性がいい。生のままよりも、なまり節にして利用する方が美味。里芋、ジャガイモ、ニンジン、ゴボウなど根菜類と相性が良く、昆布だしで煮上げる。
    マルソウダのスープマルソウダのトマト煮込みスープ 熱帯でもよく食べられている魚である。主にスープもしくは燻製にする。ここではトマト味で煮込んだ。切り身をオリーブオイルでにんにく、玉ねぎ、ローリエなどと炒め、白ワイン、トマトを加えて煮込む。
    マルソウダのみそ汁 あらなどで作るみそ汁がいい。あらを湯通しして、冷水に落とし汚れを除き、冷たい昆布だしに入れて煮立てる。酒を少し加えるとなおいい。みそは手前みそでも、麦、米、豆みそなどお好みで。塩味の潮汁もいい。
    マルソウダのコンフィマルソウダのコンフィ マルソウダを三枚に下ろして、強い塩をしてビニールなどに入れて出来るだけ空気を抜く。数日置き、水洗いする。よく水分を拭き取り、オリーブオイルのなかで70度くらいで加熱する。ローリエ、アニス、フェンネル、コショウで風味づけしている。これを、ゴールデンキウイ、トマト、かぐらなんばんなどを和えたもの。強いうま味があって血合いなどの風味が生きていてとてもおいしい。
    マルソウダの塩ガツオマルソウダの塩かつお 二枚に下ろして、強い塩をして数日、一日に何回か回転させながら塩漬けにする。これを軽く水洗いして数日干し上げる。干さないでもいいが、干した方が保存性は高くなる。これを薄く切り焼いてお茶漬けにする。また薄く切り、熱湯をそそぐとお吸い物になる。干ものも美味。
    マルソウダの腹もの干ものマルソウダの腹もの干もの マルソウダの内臓を包むところを立て塩につけて(振り塩でもいい)、軽く一夜干しにしたもの。あぶって食べると濃厚なうまみと脂の甘さが感じられてとてもおいしい。日本酒もいいが意外にビールに合う。
    マルソウダの唐揚げマルソウダの唐揚げ 三枚に下ろして血合い部分を中心に使うといい。適当に切り、水分をよく切り、片栗粉をまぶしてじっくりと揚げる。下味をつけて竜田揚げにしてもいい。揚げ上がりにヒハツ(コショウなどなんでもいい)、塩を振る。
    マルソウダのたたきマルソウダのたたき 小振りなもので鮮度のいいものだけで作るもの。水洗いして三枚に下ろして血合い部分を取る。皮目をあぶり、氷水に落としてあら熱を取り、切りつける。皿などに盛り、柑橘しょうゆ(市販のポン酢でも)をかけて軽くたたいて味を馴染ませたもの。みょうがやしょうがなどを合わせて、食べるのがいい。

    好んで食べる地域・名物料理

    鹿児島県 新前(シンマエ)、新子(シンコ)を刺身や柑橘類で食べる。
    幼魚 鹿児島県南さつま市笠沙ではマルソウダカツオの幼魚だけ生食する。
    めじか新子一本釣り
    めじか新子一本釣り 高知県中土佐町、須崎市などで行われている。船の艫(とも)から仕掛けを流してコマセに寄ってきた新子(マルソウダの幼魚)を釣る。短い竿に潜航板をつけ、その先に疑似餌という単純な仕掛け。夏から初秋にかけての漁である。初物などは㎏あたり5000円以上になることもある。中土佐町。

    めじかの新子(釣ったばかり)
    高知県中土佐町沖で釣り上げたばかりの「新子」。高知県では25cmほどの小振りのものを「新子(シンコ)」、「めじかの新子(メジカノシンコ)」と呼ぶ。高級魚である。ちなみに写真はぼうずコンニャクが自ら釣り上げたもの。
    めじかの新子(水揚げ直後)めじかの新子(水揚げ直後)
    水揚げされたばかりの「めじかの新子(マルソウダの幼魚)」が中土佐町『久礼大正町市場』に並ぶ。同町内魚店や須崎市の魚店にも並ぶ。
    めじかの新子刺身を作っているところめじかの新子刺身を作っているところ
    高知県中土佐町の『久礼大正町市場』で漁師のオカミサンたちが「めじかの新子(マルソウダの幼魚)」を刺身に切っているところ。水揚げされてからほんの2〜3時間しかたっていない。
    めじかの新子刺身めじか新子
    の刺身。高知県中土佐町、『久礼大正町市場』で晩夏から初秋にかけてだけ食べられる「めじか新子」の刺身。とれたてのものを三枚下ろしにして血合いを取る。適宜に切り、仏手柑(ぶっしゅかん)の皮をおろしかけ、果汁を搾る。これにしょうゆをかける。
    マルソウダの刺身めじか新子
    の刺身を食べた後のうま味が染み出した、しょうゆと仏手柑の汁をご飯にかけたもの。中土佐町では刺身を食べた後は必ずこれ。刺身よりも好きとも。
    めじか新子 高知県須崎市ではりゅうきゅう(ハスイモ)のスライスしたものを敷き、皮つきの「新子」をのせて供する。[小松魚店 高知県須崎市]
    笹めじかの煮節と昔きゅうりの酢のもの笹めじかの煮節と昔きゅうりの酢のもの
    きゅうりもみに「笹めじかの煮節(なまり節)」をほぐしたものを加えた酢のもの。「りゅうきゅう」のさくさくした爽やかな味にマルソウダのうま味が加わって絶品である。[高知県中土佐町。スーパーなどで教えてもらう]
    徳島県海部郡海陽町宍喰・竹ヶ島めじかの節 三枚に下ろして塩ゆでにして放冷して水分を飛ばしたものを、徳島県海部郡海陽町宍喰・竹ヶ島では「節」と言う。このままマヨネーズなどで食べてもいいし、焼いてから食べてもいい。和え物などにも向いている。
    マルソウダのやいこ汁やいこ汁 「めじか(マルソウダ)」をすり身につぶしてだんごにして、汁に落としたもの。「やいこ」は高知県西部で作られているものだが、汁、丸めて焼いたものなど様々なものがある。[海鮮館 大漁屋 高知県土佐清水市窪津]

    関連コラム(郷土料理)

    記事のサムネイル写真太ったマルソウダのゆで節で車麩を煮る
    6月7日早朝、神奈川県小田原市、小田原魚市場、江の安、日渉丸、ワタルさんのところに丸々とよう肥えたマルソウダがたくさん水揚げされていた。 ワタルサンの前をうろう・・・ 続きを開く

    加工品・名産品

    若かつお 吉永鰹節店 高知県土佐市宇佐町。マルソウダのなまり節。
    土佐清水市のめじか節作り土佐清水市のめじか節作り 土佐清水市では古くから「めじか節(そうだ節)」の生産が盛んである。非常に上質の節を生産して全国に送り出している。
    めじか節めじか節
    「そうだ節(宗田節)」とも。高知県土佐清水市などが産地。一般的に使われるのは名古屋以西。関東ではそば店などが厚く削ったものを使う。愛知県の八丁味噌(豆みそ)に合うとして愛知県でよく使われている。また同県では「きしめん」にも利用している。[マエカワテイスト株式会社]
    おふしをポンッ!おふしをポンッ!
    「めじか節」を小さく切ってある。これをしょうゆなどに漬け込んで1週間くらいすると実にうま味のある味しょうゆとなる。刺身などに使ってもうまい。[ヤマア 高知県土佐清水市]
    めじか新子の煮節
    めじか新子の煮節・生節・ゆで節
    長さ10cmほど。和歌山県東牟婁郡那智勝浦町ほか、徳島県南部、高知県、愛媛県などで夏から初秋にかけて揚がる新子(幼魚)をゆでて放冷したもの。「生節」、「ゆで節」、「いで節」ともいう。小さいのにうま味が強く、このまま食べてもうまいし、軽くあぶって食べてもいい。またほぐして「きゅうりもみ」に混ぜてもいい。[和歌山県東牟婁郡那智勝浦町(東岡商店)、徳島県海部郡牟岐町・海陽町宍喰、高知県高岡郡中土佐町(久松商店)]


    マルソウダをゆでて乾かし、燻煙したものマルソウダをゆでて乾かし、燻煙したもの。そのまま食べてもいいし、煮ものなどにしても美味しい。[吉永鰹節店 高知県土佐市宇佐町]
    宗田節だし用厚削り宗田節 だし用 厚削り
    やや厚めに削った節。煮だして濃厚なだしを作る。これを麺類やたれなどを作るのに利用する。[新谷商店 高知県土佐清水市中浜]
    めじか節薄けずりめじか節薄けずり
    比較的短時間で一般家庭用のだしがとれる。カツオよりも濃厚でこくがある。愛知県などの豆味噌文化圏でよく使われている。[新谷商店 高知県土佐清水市中浜]
    梶加のあぶり梶加のあぶり
    梶賀まちおこし婦人会 三重県尾鷲市梶加。小がつお(マルソウダ)をあぶって干したもの。うま味が強く非常にう味がいい。[梶賀まちおこし婦人会 三重県尾鷲市梶賀町]
    めじかのヤキめじかのヤキ マルソウダの内臓を抜き、蒸して焼き上げたもの。そのまま食べて実にうまい。また炊き込みご飯にしてもいい。三重県東紀州屈指の名品。尾鷲市や紀伊長島などではヒラソウダ、サバ類なども同様に加工されていた。[主婦の店 三重県尾鷲市]
    マルソウダの干ものめじかの干もの
    マルソウダを三枚に下ろして塩をし、干し上げたもの。非常にうま味が強くて味わい深い。[はまみや海産 徳島県海部郡美波町、山野上商店 高知県土佐清水市]
    姫かつお 宋田かつお姫かつお 宋田かつお
    一本釣りした「姫かつお(マルソウダ)」を味つけして焼き上げたもの。味がよく簡便で食べやすい。[土佐食 高知県土佐清水市三崎]
    うすごろうすごろ
    マルソウダの心臓のこと。形から「臼ごろ」なのだろう。ほどよい甘さの煮ものでなかなか美味である。産地土佐清水の郷土料理を気軽に楽しめる。[土佐食 高知県土佐清水市]
    めじかみそめじかみそ
    「めじか(マルソウダ)」をゆでて放冷した「煮節」をほぐし、みそに練り込んだもの。砂糖、しょうが、にんにく、唐辛子、ごまなどを加えて少しピリ辛味。[愛ちゃん家の店 高知県高岡郡中土佐町久礼]
    姫かつお角煮姫かつお角煮
    一本釣りにしてマルソウダを新鮮なうちに煮つけた総菜。カツオの角煮よりも味わい深いかも。[土佐食 高知県土佐清水市]

    釣り情報

    マダイ、アジサバ釣りの代表的な外道。海面近くを疾走するように泳いでおり、エサが落ちないうちに食いついてくる。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/マエカワテイスト株式会社、中土佐町役場、川又幸雄さん(幸進丸/中土佐町久礼)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日文庫)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)

    地方名・市場名

    ロウソクガツオ
    場所三重県尾鷲、和歌山県田辺・周参見・串本・三輪崎 参考文献 
    ロウソクガツオ ロウソク
    場所三重県尾鷲、和歌山県田辺・周参見・串本・三輪崎 サイズ / 時期幼魚・若魚 参考文献 
    ソマ
    場所三重県尾鷲・鳥羽、和歌山県太地 参考文献 
    スボタ
    場所三重県東紀州、和歌山県田辺 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)・水族志、三重県『東紀州のお魚リスト』 
    ヨコ ヨコワ
    場所中国地方、高知県上ノ加江 サイズ / 時期幼魚 備考〈ソウダガツオ類・カツオ類・マグロ類の幼魚を総称してヨコ〉 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    チガツオ
    場所和歌山 備考水族志 参考文献 
    オラエ
    場所和歌山県切目 備考11月にとれるもの。若魚ということか。 参考文献 
    ギボガツオ
    場所和歌山県和歌浦 参考文献 
    テッポウ
    場所和歌山県太地 備考〈過食すれば下痢する意。〉 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    オラエ
    場所和歌山県日高郡印南町切目 備考11月頃にとれるもの。 参考文献 
    スボ
    場所和歌山県湯浅 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、阿波学会研究紀要・由岐町の魚類と淡水エビ類 
    ダニガツオ
    場所和歌山県田辺 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    タニガツオ
    場所和歌山県田辺・堅田 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    テンギ
    場所和歌山県白崎 参考文献 
    フグレ
    場所宮城県 参考三浦工さん 
    ヒロ
    場所富山県新湊 参考文献 
    デブガツオ
    場所富山県新湊・生地・四方・富山 参考文献 
    ダボ ダボシビ チャブクロ
    場所山口県萩市 参考勢登章司さん 
    ガタ
    場所愛知県豊橋 参考文献 
    マルソウダ マルソオダ
    場所東京 参考文献 
    ソオダガツオ ソウダガツオ
    場所東京、関東 参考文献 
    マル
    場所東京都、神奈川県など、鹿児島県種子島 備考ヒラソウダに 参考聞取、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    チーハーヤー ミージカー
    場所沖縄 参考文献 
    シブタ
    場所沖縄県 参考文献 
    コオガンジ マルタ
    場所神奈川県 参考文献 
    ダイナンボウ
    場所神奈川県三崎 参考文献 
    コイオ
    場所神奈川県三崎、高知県須崎市内外ノ浦 サイズ / 時期幼魚 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)、文献 
    ソク
    場所神奈川県小田原 参考文献 
    ズンポオ スンポウ
    場所福岡 参考福岡 
    ソオダンボ
    場所福島県小名浜 参考文献 
    マガツオ
    場所秋田県象潟 参考文献 
    ホンマス
    場所紀州(三重県西部と和歌山県か) 参考文献 
    ズンポカツオ
    場所長崎県雲仙市富津 備考マルソウダ、ヒラソウダを区別しないで。 参考佐藤厚さん 
    シブワ
    場所静岡県沼津市内浦 参考文献 
    マルメジカ
    場所高知 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、文献 
    ハイカラヨコ
    場所高知県上ノ加江 備考〈ハイカラ釣り(潜航板を用いた引縄)で釣るヨコをハイカラヨコという〉 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)、文献 
    シンコ[新子]
    場所高知県中土佐町 
    コブルセ
    場所高知県以布利 備考〈夏季に定置網でとれる大型魚〉 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ノドクロ
    場所高知県四万十町志和 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ササメジカ
    場所高知県土佐清水・以布利 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)、聞書 
    デキゴ
    場所高知県大月町小才角・土佐清水中浜・伊佐・窪津・以布利 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ロングイ
    場所高知県大月町小才角・小才角 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ロウソクソジカ
    場所高知県室戸岬 参考文献 
    ロウソクメジカ
    場所高知県室戸岬・土佐清水・伊佐・浦戸など 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)、文献 
    ログイ
    場所高知県宿毛市小筑紫 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    コスンポ
    場所高知県宿毛市片島・大月町一切 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ログイメジカ ローグイメジカ ロングイメジカ
    場所高知県宿毛市藻津・黒潮町伊田・土佐清水・伊佐・高知市浦戸・加領郷・室戸岬・柏島・内外ノ浦 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    フルメジカ
    場所高知県手結 備考〈夏季に定置網でとれる大型魚〉 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ボタ ボタガツオ
    場所高知県手結・赤岡 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ナガセメジカ ヒメジカ
    場所高知県柏島 備考ナガセメジカ〈ながせ(梅雨)の長雨の降る頃にとれるもの〉。ヒメジカ〈夏季の日照り続きの頃にとれる大型魚〉。 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    クロス
    場所高知県興津・志和・上ノ加江・久礼・須崎など 備考ヒラソウダをシロスというのに対して。 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    コテッパ
    場所高知県赤岡 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    デキ シモカズキ
    場所高知県須崎 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    ズッポオ ズッポウ ズツポウ ズッポー
    場所高知県須崎市 参考文献 
    アイコノメジカ
    場所高知県高知市浦戸 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    フルコメジカ
    場所高知県黒潮町上川口 備考〈夏季に定置網でとれる大型魚〉 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    オボソガツオ
    場所鹿児島 参考文献 
    スボタノマル
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ソオダ ゾウダ
    場所関東など市場で 備考ソオダともいい、ヒラソウダとの混同がある。 
    イモガツオ[芋鰹]
    場所島根県隠岐郡知夫村(知夫里島) 
    ウズワ
    場所神奈川県小田原・真鶴、静岡県沼津市周辺 備考ロウソク→ウズワ・マル(富戸)、ロウソク→ウズワ→マルッポ(田牛)。 参考聞取、静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分譲 
    カツオ
    場所山形県、富山県氷見市藪田浦漁業協同組合、高知県赤岡・高知市浦戸・田野、長崎 
    コガツオ
    場所三重県尾鷲市 
    ソーダ
    場所石川県七尾市七尾魚市場 
    チャブクロ
    場所山口県萩市周辺 
    フクライ
    場所岩手県大槌町・釜石市、宮城県気仙沼 備考ヒラソウダとともに。 
    マルガツ
    場所山形県鶴岡市由良漁港 
    マンダラ
    場所神奈川県三浦半島 
    マンバ
    場所鹿児島県 
    メジカ メヂカ メチカ
    場所三重県東紀州、和歌山県田辺・周参見・串本、徳島県海部郡美波町・海陽町宍喰、高知県全域(高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協・中土佐町)、愛媛県八幡浜、鹿児島県南さつま市笠沙・種子島 参考文献、三重県『東紀州のお魚リスト』、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    チボウ
    場所千葉県、神奈川県 参考文献 
    シンマエ[新前]
    場所高知県興津・須崎・土佐清水・手結など サイズ / 時期小さなもの 参考聞き取り、『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
  • 主食材として「マルソウダ」を使用したレシピ一覧

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