太ったマルソウダのゆで節で車麩を煮る

小田原では見事なマルソウダがたくさん揚がっている


6月7日早朝、神奈川県小田原市、小田原魚市場、江の安、日渉丸、ワタルさんのところに丸々とよう肥えたマルソウダがたくさん水揚げされていた。
ワタルサンの前をうろうろしてたら、「なんだ?」というので、目を「ウズワ(マルソウダ)」の上に泳がせたら、「欲しいなら欲しいとちゃんと言いなさい」と言われたので破顔、早速もらってきた。ありがとう、ワタルさん。
余談だが関東でマルソウダは安すぎる。もっと鮮魚で利用して欲しいものだ。

ゆで節、煮ぶし、生節などいろんな名前がある


もらった目的は塩ゆでにしたいためだ。
高知県で「ゆで節」、「煮節」などという。
ボクの作り方は高知県中土佐町久礼のスーパー(魚屋さん)で教わったやり方である。
作り方は非常に単純。
今回は片身の血合い・腹骨周り・中骨、と片身を煮立った塩水の中で約8分くらいゆでる。完全に火を通すのがコツだ。
久礼の人ゆで上がったら一生懸命団扇で扇いで粗熱を取っていたという。
ボクは扇風機で楽にやる。
これを袋などに入れて冷蔵庫で完全に冷やし込む。
これで塩ゆでの完成である。
カツオ節の工場などで作るなまり節とは別物で、もっと遙かに惣菜的なものだ。
以上は以前書いた。

うまいだしが出るのでしみ込み安いものと煮る


「ゆで節」はそのまま食べてもいいが、ボクは煮物を作るのが好きだ。
今回は新潟の旅で買ったお徳用の車麩(少し欠けたりしているもの)、ナスをたいた。
本当は丸ナスが欲しかったけれど、普通のナスで我慢する。
車麩はぬるま湯に漬けて戻す。
ナス、車麩、「ゆで節」は食べやすい大きさに切る。
鍋に薄めのソウダ節だしを煮立たせて、みりんと酒を入れてナス以外の材料を煮始める。
ほどよく煮えてきたら醤油を加えて、またことことと煮る。
煮上がりにナスを加えて煮て、味見し、場合によっては調味料を加減する。
火をとめて鍋止めする。

日々の飯の主菜として活用できる平凡すぎる料理


このようなもっとも基本的な家庭料理が好きでならない。
大鉢に盛って、小皿に取りながらときどきに食べる。
我が家のたきものはあくまでも控えめな味つけで、どんなにたくさん作っても食べ飽きぬ味を目指して作る。
東日本では「ゆで節」が手に入らない。
ボクの故郷、徳島県でも作っている魚屋さんが極端に減少している。
こういった「なくなっては困る物」は自分で作る時代が来たのかも、と思っている。


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