もう珍魚じゃないのかも、シノビテングハギ

相模湾では普通かもシノビテングハギ


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウがシノビテングハギを新島沖で釣ってきた。
ボクのために釣ってきたに違いないので、断りもなく連れ帰ってきた。
記載されたのが2011年で、標準和名がついたのが2013年という真新しい魚だが、我がデータベースには2002年の画像が不明種として残っている。
あまりにも特徴がないというか、地味すぎるので、忍び(隠蔽種)であったのかも知れない。
ニザダイ科テングハギ属の魚が相模湾全域で増えているが、シノビテングハギは伊豆諸島では平凡な魚と思っていいのかも。

いまだに珍魚ではあると思っているが、非常に味のいい魚でもある。
ニザダイ科の魚ではあるが臭味がなく、身質がよく、血合いが美しい。
7月7日の個体など脂が乗っていて、同日のシマアジよりも箸が伸びがちだった。

本種に関しては、とても博物館に差し上げたくはない、そんな魚である。
酒はなしの凍頂烏龍茶であるが、お茶で食べてもうまい。

実に目立たない、実に地味、でも一皮剥けば


シノビテングハギは相模湾、三重県志摩、屋久島、トカラ列島、琉球列島で見つかっている。要するに生息域もはっきりしない新顔の魚である。
テングハギの仲間(スズキ目ニザダイ亜目ニザダイ科テングハギ属)の魚はみな味がいいが、本種は取り分け美味である。


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