市場魚貝類図鑑について 本図鑑は生活の中で利用(食べられる)できる水生動物を総て掲載することを目差しています。これは、また利用されることなく捨てられる水産漁獲物をなくすことで自然保護に繋げることを目的としているということです。 残念ながら人間という生き物は他の生き物を消費することで生かされている。 これは動かしようのないことです。 そして当然、ぼうだいな生き物を殺し、口に入れるという毎日の行為に「せめても無駄な死」はないようにする。すなわち多彩な漁獲物を多彩に食べるという、新しい自然保護運動を勝手にやっていきたいのが、ぼうずコンニャクの思想です。 ここには時代に淘汰されて利用されなくなったもの、また利用される地域が限定されるもの、温暖化によって新たにお目見えした、また増えてきたものもある。これらを総てを実際に食べてみることで市場魚貝類図鑑は出来上がっているのです。 また私にも愛国心というものがあって、これもここでしっかり定義していきたいのだけれど、私にとって「国」とは美しい自然や、そこで生きる生物、また家族や友や見知らぬ総ての人間です。けっして「国家」なんて文字に置き換えることはありません。また愛国心で人殺しもしないのが、ぼうずコンニャクの思想です。 閑話休題。 さて漁獲してしまった多彩な生き物を無駄に消費しないためには、多くの知識と、また古くから延々と続く伝統を絶やさないことが大切だと思います。 例えば海藻を例に取ると、海苔(アマノリ)やワカメ、昆布などは今でもふんだんに利用、その需要は衰えていないようです。ところがそんななかで、今ではほとんど利用されない。また取る人が年々減少して消滅しようとするものがある。それなどなんとか食べる文化財として残せないか? これも課題です。 また小魚を利用する方法としての練り製品、宇和島などで作られる「じゃこてん」、儀助煮なども忘れてはならないし、佃煮、干物はもっと食べられていい。 この古くからの食文化に加えるに海外の食文化も取り入れていきたい。例えば、我が国の塩焼きに相当するフレンチのポワレ。バプール(蒸す)、シュエ(油を使ってゆっくり焼く)、アクアパッツァ(油を使ったイタリア風の煮魚)、ブイヤベース、これらは未利用の魚貝類を減らす有効な手段になります。 ここまでは魚貝類に限定して書いてきたが、また魚貝類を利用する上で重要なもの、それは野菜、穀物、肉など食材の総て。野菜を知らないで、また肉も穀物も、我が国の多様な乾物を知らないで魚貝類を語るのは愚か者のすることです。これら総て知識として身につけてこそ魚貝類のことがわかる。 そして年齢、また季節や街の移り変わり、生きると言うこと加齢するということ、すなわちおじいさんや、お婆さんになるということ、水産生物を利用するということの周辺の広がりのなんと巨大な世界なのでしょう。この大きさを知るためにも市場魚貝類図鑑を作っていくつもりです。また「食べる」といういちばん日常的なことで自然を守っていきたい。 ●この文章は日々改訂していきます。ただし考え方が変わることはありません。 ●本サイトの画像・文章などのコピー、無断流用を禁止します ●画像は原則的に有料にて貸し出します |
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