ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
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[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場

すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~ すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。

イラスト図解 寿司ネタ1年生 イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。

更新情報など

最新コラムより

コラム 

2025年9月 高知県の食材12 黒潮町、あじの開き干し

あじ(マアジ)の開き干しの頭は開いた方がいいのか、そのままの方がいいのか?
どちらでもいいのだけど、頭を割らない開き干しを見ると西日本のものだろうと思ったりする、この地域性がとても重要だ。
高知県の開き干しは頭を落として開いたりもするが、この頭そのままが多いようだ。

しかもこの黒潮町の開き干しは絶品なのだ。
塩加減がまさにちょうどいいし、鮮度がいいもので作ったのか、ボクの苦手な酸化による苦みがない。

塩慣れしているので、うま味が増していて、ご飯に乗せて食うとやたらにいい。
甘味のあるご飯と相乗効果を産む。
ちなみに高知県の干ものに土佐市白木果樹園の「ぶっしゅかん(モチユ)」をたっぷり搾る。
干ものに酢みかんとはいい夫婦のようなものだ。
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コラム 

徳島・貞光町覚え書き1 貞光川「かんのう」について

吉野川の支流である貞光川(徳島県美馬郡つるぎ町)は今、明らかに不健康というか重い病気にかかった状況にある。
たぶんもう取り返しがつかないと思うが、今に残るものを少しずつ整理してきたい。
非常に健全であったときの貞光川を知っている人は今やほとんどいない。
ただ1960年代、小さい川であるが長い上流域があり、短い中流域があり、吉野川との合流近くは下流域に近い環境であった。

それが今やかなり奥(上流)の旧端山村あたりまで行かないと中流域の環境ではなくなっている。
山が荒れているので吉野川合流地点から貞光市街地の端、木綿麻橋(ゆうまばし)くらいまでの川原が荒廃してしまっている。
この市街地周辺の流域にもいたオオヨシノボリは、木綿麻橋の上流域に行かないと見られないのだと思う。
岸に植えられた竹の枝がたわむくらいいたホタルはまだいるのだろうか?
吉野川の大川に対して小川(こがわ)と呼ばれていた貞光川にいなかったニゴイが、わんさかいるのも不気味だ。

この原因は明らかである。
剣山周辺の森林の荒廃と自然環境を考えない護岸である。
人間は自分の住む区域(生活圏)を暴力的に広げ、針葉樹の無理な植林をし、森林管理を放棄している。
その結果、川の生き物の種類が減り、川原も川底も泥だらけになった。

現在の貞光川には歴史的遺産が残り、美しかったときの名残はわずかしかない。
過去に見つけたのは2つ。
そのひとつが「かんのう」、そして青石の構造物だ。
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コラム 

10度以下の夜の、今季初白子鍋

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に待ち望んでいた乳白色の物体が来ていた。
節約生活なので我が家でいちばん小さな鍋一つ分だけ買ってきた。
財布の中身を考えながら魚貝類を買う、なんて悲しいボクなんだろう。
脳みそが計算機になっていたので産地を聞き忘れた。
北海道産だろうな。

それにしてもマダラの白子は年々値が上がる。
マダラの世界がますます男尊女卑となりそうである。

さて、逢魔が時になり、久しぶりにぐれてやろう。
早めの酒としようではないか、と思ったがぐっと我慢、もう一仕事する。
窓を開けると冷え冷えした深夜に白子を処理する。
我が家最小の鍋にもどした昆布を敷き、昆布だしをそそぐ。
昆布だしの中で白子がときどきどくん、どくんと揺れる程度に温める。

クリーミーなどという言葉を使いたくないが、非常に柔らかく舌でつぶすととろりとして甘い。
甘いだけではなく非常にうま味が強い。
その味がちゃんと余韻を残して消える。
この余韻こそが白子のよさかも。

さて、出来上がったとき、飲むための酒を持ってこようとしたらなかった。
探しに探していたら、眼の前の本棚に菊正宗の樽酒があるではないか?
買った覚えがないし、箱入りなので誰かがくれたのかも。

今回の最小鍋には、ほんのわずか80グラム白子、次回はせめて100グラムかな。
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新潟の旅土産 新潟県で地納豆を土産にする

納豆は上京して初めて見たなんていうボクがいうのもなんだけど、地納豆が好きだ。
大手もいいけど、地納豆が消えたら嫌だと思っている。

ボクは昔々から、地域と地域性と地域力を調べている。
東日本では食の地域力という点で、納豆は欠かすことが出来ない。
新潟県は取り分け納豆製造業者が多かったようだ。
それが激減したといっても、スーパーには必ず地納豆があるのがいい。
県庁所在地新潟市の中心地域に3つも業者があるなんて新潟以外にはない。
新潟納豆 高橋商店 新潟県新潟市
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2025年10月、新潟市内野町で夜飯を買って帰る

10月4日、越後新川、五十嵐浜で午前と午後、遊びに遊んだ。
この年で子供と夢中で遊んで、その果てに疲れすぎて、楽しすぎてぼろぼろになる、なんてやってていいのかどうかわからないが、とにかく疲れた。

それでも400キロ以上の距離を自宅に帰らなければならない。
ボクの場合、できるだけ旅先でものを買う。
高速道路上では食べない、飲料水を買わない、が基本なので、旅先で食べ物を持ち帰る。
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太田さんにもらったゴマサバの切り身でみそ煮

山梨県上野原市でトラック行商をしている太田商店の太田さんが、舵丸水産で大量にゴマサバの切り身を仕入れていた。
「太田さん、何枚かおくれ」
と言うと、いつも爽やかな太田さんは、
「いいよ」
というので2枚もらってきた。

帰宅後すぐみそ煮にしてご飯の友にする。
ゴマサバはあまり脂があるわけでもないが、うま味は豊かだ。
8時半に煮始めて、約1時間で出来上がる。

鍋止めをしているのを皿に一枚取り、昼ご飯のおかずとする。
サバのみそ煮は強い味なので、一枚で茶碗一ぱいには多すぎるくらいだ。
確かに脂ののったマサバには敵わないが、昼ご飯に一切れあるとこんなにいいおかずはないと思う。
ちなみにこの日の昼ご飯は、ゴマサバのみそ煮、若布と豆腐のみそ汁(あじ煮干しだし)、炉端漬け(東京都調布市の漬物)、金時草のサラダで、昼20分ほどのおいしい時間が過ごせた。
太田さん、ありがとうさん。
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2025年9月 高知県の食材12  安芸市入河内の柳茶

緑茶の番茶(遅摘みで枝なども入っている)や、早い摘みでも葉の大きさを揃えず枝などが入っているものを「柳茶」というのだ、ということを知らなかった。
文字の専門家に聞いたら、それは一般的な言語だというので、恥じ入る思いがした。

ボクが普段飲んでいるお茶もこの柳茶である。
我が家で飲んでいるお茶はこのタイプが年5㎏くらい、上煎茶は1㎏弱、ほうじ茶も1㎏弱だ。
凍頂ウーロン茶に、紅茶も飲むが、非常に少ない。
この柳茶は淹れる最適温度の幅が広く、いい加減でもいい。
上煎茶ほど刺激が強くないので、上煎茶やコーヒーを朝から飲むと障害が出るボクにはこれ以上のものはない。
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山口県産汐っこの刺身に飽いて、酢洗いにする

11月6日に買った汐っこ(カンパチの若魚)は昨日9日に総てなくなる。
4日間にわたって刺身で食べられたというのは山口県下関市、『下関勇次水産』の扱い方がよかったからだ。

カンパチという魚は優秀でいつ食べても刺身はおいしいと思う。
問題があるとしたら嫌みがなく、非常によくできた味過ぎる、という点だ。
ただただおいしい刺身はすぐに飽きが来るのである。
料理屋などで刺身盛り合わせには持って来いだが、主役にはなれないのは、平均点が高いだけで、欠点がないせいだ。
だから最終日は酢洗いにした。

箸で一切れ取ると粕酢(赤酢)の香りがほんの少しだけする。
これを醤油とわさびで食べるのだけど、醤油はちょんとつける程度でいい。
酢にからめたのはほんの1、2秒なので酸っぱくはないが粕酢にはうま味がある。
非常に優秀な嫌みのない汐っこの味に、凹凸感がプラスされる。
一切れ一切れのインパクトが強くて、やけに箸が伸びる。

酢洗いはご飯よりも酒に合うので、「鶴の友 特撰」をこれが最後の正1合。
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