四万十町には点々と市街地のある町がある。
このあたりではまあまあ大きな町、土佐大正があって、窪川があるが、その窪川の近くとしかいいようのないところに、やけに古風な造りの和菓子屋がある。
かなり前のことだが、窪川から南に下ってここに来たことがある。
あんこものを探したら、羊羹専門店なのでがっかりした。
考えてみると前回は土佐昭和駅があって、土佐大正駅があるとは、なんじゃらほい、という理由でわざわざたどった道すがらだった。
結局、昭和も大正もなんだかわからなかったが、帰宅後に食べた羊羹はたいそううまかった。
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新川漁協に水揚げされる水産物は量的には多くないが、多彩である。
新川漁港の周辺には磯や護岸もある。
浅い砂地にいるのがアサリだ。
アサリは琉球列島以外の干潟や浅い内湾に普通に見られる。
国内でもっとも人気のある二枚貝である。
残念なことに年々国内での生息数が減っている。
新川漁港周辺にはどうやらそんなにたくさんはいないようだが、面白い色をしている。
写真は五十嵐浜のものだが、成長が悪いようで貝殻の長さが短い。
ちなみにアサリは横から見て円に近いほど生育が悪く、ラグビーボールのような楕円形の方が生育がいい。
念のために、砂地でアサリの生育が悪いと言うことは、そこの水質がいいということに他ならない。
たぶん真水が流れ込む新川に近いところにいるアサリは、貝殻が長いと想像する。
次回は新川寄りで生き物探しをしいたいものである。
協力/鈴木重雄さんさん、島谷将之さん・星野健一郎さん(拓洋丸)・中務謙吾さん(すべて新潟県新潟市西区五十嵐新川)
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小は見た目は悪いが、見た目のいい大よりも上とみた。
値段は2つとも変わらないが、小でとっただしの方がうまい。
煮干しは見て、1つ2つ食べてみて買うことにしているが、当日は時間がなかったのでそれが出来なかった。
ただ、金曜市の煮干しはぜんぶよかった。
日曜市にも店を出しているようなので、次回もこの店で買おう。
あじ煮干しは頭と内臓を取る。
2つ割りにする。
我が家はから煎りしないが、煎ってもいい。
これは好みの問題。
ボクは煎ると煎った香りが余計な気がするだけ、昔昔は煎っていた。
これを昆布と一緒に12時間以上浸しておく。
これをゆるゆると温め、昆布を取りだして沸点手前まで熱くする。
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ここ1週間、なぜか、ご飯と食べるイカがない。
スルメイカ豊漁なのに休漁を迫ったりという、すったもんだのせいかも知れぬ。
その日、あったのはアオリイカの当歳もので、秋イカと言われるものだ。
そんなに高く感じないのは、スルメイカが高いせいだ。
早々に帰宅して、すぐに水洗いして刺身にする。
早朝におまんじゅう1個なのでお腹と背中が張りついている。
刺身の出来上がりまで10分。
こんどは冷凍しておいたご飯をチンする。
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内野町には和菓子店と、洋菓子店もあり、パン屋もある。
駅そばにある『ブーランジェ ヨネヤマ』は、創業年はわからないが、とても懐かしいパンもあるし、初めて聞く名のパンもある。
懐かし、新し、のパン屋だし、まるで洋菓子店のような感じもある。
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なのになぜ、サンマをサンマということになったのか?
日本の近代的な動物学(生物学)は明治時代はじめ、東京市にあった東京大学で始まる。このとき動物学者は国内で共通して使うための動物の名前を大急ぎで決めなければならなかった。これを標準和名というが、実際に使われている呼び名を採取して採用した。
当然、東京大学は東京にあったので東京周辺で大急ぎで呼び名を集めた。
サンマは当時、明らかに西の魚だったが、東京を始め関東の呼び名サンマとなったのには、このような経緯があったためだ。
余談だが、標準和名のアカアマダイは東京では雑魚に近い扱いでくずしもの(練り製品)にするのが関の山だった。
比べると京都を始め近畿では「ぐじ」と呼び、盛んに、様々な料理法で食べる。
なのに「あまだい」となったのも東京大学で動物学が始まったせいだ。
後に述べるが、サンマ漁は紀伊半島南部の旧紀州藩の紀州、三重県・和歌山県の熊野灘で江戸時代に始まる。
これが熊野灘から紀伊半島の山岳地帯、伊勢地方、近畿へと送られた。
当然、呼び名と一緒に送られたので、紀州での呼び名を使う地域が広がる。
昭和17~19年までに発刊された、『日本魚名集覧』第一部、第二部、第三部(アチック・ミューゼアム、のちに日本常民文化研究所)などでも標準和名サンマの地方名は紀伊半島南部周辺に多い。
そこから供給を受けていた紀伊半島山間部、和歌山県西部、三重県東部・北部、滋賀県、奈良県、大阪府には鮮魚も送られていたと思うが、主に塩蔵品で、もっとも多かったのが丸のまま硬く干したものだろう。
この熊野灘から供給を受けていた地域ではサイラ(呼び名もカタカナ表記とする)、サイリ、サイレ、サイロ、サエラという呼び名が広く使われ、一部地域でサヨリと呼ぶ。
熊野灘から遠い三重県伊勢地方鈴鹿などではカドという。
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「祐庵焼き」かも知れないが、こんなもんどっちゃでもええ。
柚子を入れると、「柚庵焼き」と書くときもあるので、これでいいのかも。
江戸時代前期の琵琶湖西岸堅田の北村祐庵の名からとったとされている。
とすると琵琶湖発祥ということになる。
それがうなずけるのは、海水魚よりも淡水魚の方が合うところだ。
そんなことはともかくなぜか夏には作らない。
肌寒くなると作り、風がぬるくなると作らなくなるのが「幽安焼き」だ。
さて半日ほど漬け込んだものの水分を拭き取り、焦がさないようにじっくり焼き上げる。
血合いなのでどす黒い仕上がりになる。
見た目よりも香りが素晴らしいとしかいいようがない。
たぶん血合いからうまい液体が調味料と一緒に染み出て、それが焦げたことで放出される香りだろう。
これをおもむろに手で半割にして食べる。
最近、上品さよりも本能の人となり下がっているので仕方がない。
一切れ丸ごと土佐番茶の茶請けとして食べてしまう。
濃厚でしかも、野卑なうまさに、土佐番茶濃い目が合う。
もちろんご飯の友にしてみたが、これだっていい。
日本の発酵調味料は実にご飯泥棒だし、めじの血合いの強いうま味も飯に合う。
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ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



