
長さ20センチ前後になる。笹の葉状、もしくは卵状。
スサビノリの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★★★★ 非常に重要 |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
植物界紅藻植物門紅藻綱ウシケノリ目ウシケノリ科アマノリ属
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外国名 |
Nori
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学名 |
Pyropia yezoensis (Ueda) M.S. Hwang & H.-G. Choi in Sutherland et al. 2011
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漢字・学名由来 |
漢字 荒び海苔
由来・語源 不明
ノリの由来・語源 海苔も糊も同類の言葉。ぬるりと粘っこいもので「ぬる」が「のり」になった。 |
地方名・市場名 [?] |
シバノリ 場所北海道下北郡佐井村 備考イシゲに付着していた 参考木下邦子さん ミズノリ 場所青森県下北郡佐井村 備考採取するとき水中にあった。 参考木下邦子さん クロノリ[黒海苔] 場所三重県鈴鹿市白子 備考アオノリ(青海苔 ヒトエグサ)に対しての呼び名。 |
生息域 |
海水生。潮間帯上の岩上、海藻につく、杭の上など。
北海道西部、南岸、太平洋岸、瀬戸内海、九州。 |
生態 |
冬から春に繁殖する。
夏には分枝した糸状体となって貝殻に穴を掘り、その中で生活する。 |
基本情報 |
国内で生産されるノリは35万トンを超え、板海苔にして80〜100億枚になる。
これに韓国、中国などからの輸入するものが10億枚を超える。
海苔1枚のサイズは縦21センチ×横19センチ。
そのほとんど総てが改良されたスサビノリ。
そしてごくわずかにアサクサノリの養殖が行われている。
この二種が一般的なノリ。
これに比較的ローカルな存在としての岩ノリがある。
岩ノリとは要するに海辺の岩礁地帯に生えているアマノリ類という意味合いで、マルバアマノリ、オニアマノリ、ウップルイノリなどが代表的なもの。
板状に、もしくはバラのまま乾燥させて少ないながら流通している。
国内、朝鮮半島などで生産されているほとんど総てのノリが本種。
本来は内湾性のアサクサノリに対して外洋に面した地域で生育するもの。
千葉県袖ヶ浦市奈良輪の地名に由来する、ナラワスサビノリという品種がほとんどとなっている。
ほとんどが板状に加工され、流通している。
江戸時代初期には非常に高価なもので、戦後養殖が盛んとなるとともに一般的なものに。
焼きノリ、味つけノリ、また生は佃煮などになっている。 |
水産基本情報 |
市場での評価 海苔(板海苔)のほとんど総てが本種。大領に流通して比較的価格が安定している
養殖
主な産地 佐賀県、福岡県、兵庫県。熊本県、宮城県、愛知県
生産量は90億枚を超えている。 |
選び方 |
板海苔は黒いものが値段が高いが、色合いで味はわからない。
生ノリは黒いもの。茶色く退色したものは古い。 |
味わい |
旬は冬
晩秋から摘み取りが始まるが、この時期から冬までが柔らかい。
甘みがあり、ノリ独特の風味がある。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
あぶる 板海苔は軽くあぶる。家庭ではオーブントースターなどで十秒ほど焼くといい。これで海苔巻き、ご飯などを包んで食べる。またそのまま食べても美味。
汁 ラーメンなどに入っているが汁の中でうま味が出てなかなかうまい。
和えもの 煮ものやゆでた菜などに和える。磯の香り、うま味が加わって実にうまい。
料理法【生ノリ】
汁(みそ汁、雑煮)、佃煮、天ぷら
汁 とんとんと適宜に切り、みそ汁に入れて実に味わい深い。ほんのり磯の香りも楽しめる。
佃煮 水、砂糖を使わず、みりん、酒、しょうゆなど調味料だけで汁気がなくなるまで煮る。これが保存もきいて実にうまい。
天ぷら 水分をよく切って揚げるとさくっとした食感に磯の香り、ノリのうま味が感じられて美味しい。  すし店、一般家庭で使われているほとんど総ての板海苔がスサビノリから作られる。  初冬から春になると築地など関東の市場にも生ノリが入荷してくる。ただただ黒い物体にしか見えない。特に初冬のものを「新のり」という。 佃煮
水、砂糖を使わず、みりん、酒、しょうゆなど調味料だけで汁気がなくなるまで煮る。これが保存もきいて実にうまい。  スサビノリの天ぷら
天ぷら
水分をよく切って揚げるとさくっとした食感に磯の香り、ノリのうま味が感じられて美味しい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
日本全国、韓国
鉄砲巻き(鉄砲) 東京湾の海苔漁をされている方達の伝統料理、お弁当。全形の板海苔にご飯とおかかを巻き込んだもの。名の由来はのり巻きに具(加薬)をくるむことから、「加薬=火薬」で鉄砲とついたとのこと。また「鉄砲」というのは関東では筒状のものに何かを差し入れたものの、例えば「鉄砲漬け」などの総称でもあるよう。
花卷 かけそばにもみ海苔を乗せたもの。関東の老舗そば店で普通に見られる。
忠七めし 埼玉県小川町にある料亭『二葉』の名物料理。ご飯に海苔、ねぎ、刻んだたくわんなどをのせてだしをかけて食べるもの。[埼玉県比企郡小川町] |
加工品・名産品 |
板海苔 ノリを紙のようにすいて干したもの。[佐賀県、岡山県、兵庫県、千葉県]
さばきのり 徳島県徳島市。黒のり(養殖スサビノリ)を板状にしないで乾したもの。
刻み海苔 板海苔の細い帯状に切ったもの。ちらしずしなどに使う。
品川巻 細長いしょうゆ味のあられに海苔を巻いたもの。古く品川は海苔の産地であったことにちなむ。1970年頃以前にはアサクサノリ、以降はスサビノリが原料だと考える。[あきおか 東京都品川区北品川] |
釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
■ スサビノリは1950年代以降、アサクサノリに代わって養殖ノリの主流になってきた。そして今やほぼ総てがスサビノリ。
■ 現在養殖ノリの主流となっているナラワスサビノリ(奈良輪スサビノリ Porphyra yezoensis Ueda from.narawaensis Miura)は千葉県袖ヶ浦市奈良輪の養殖業者によって1965年に見つけられたのでこの名がある。
■ 海苔1枚の大きさは横19センチ、縦21センチ。10枚で1帖という。
■ 大阪など関西では海苔巻きの海苔は生のまま使う。『すし富(東大阪市)』など |
参考文献・協力 |
『標準原色図鑑 海藻』(千原光雄 保育社)、『歳時記語源辞典』(橋本文三郎 文芸社) |
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