
長さ30センチ前後になる。リボン状で細長く根は細く、先も細く尖っている。
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物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
植物界紅藻植物門紅藻綱ウシケノリ目ウシケノリ科アマノリ属
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外国名 |
ー
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学名 |
Porphyra pseudolinearis Ueda,1932
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漢字・学名由来 |
漢字 十六島海苔
由来・語源 島根県出雲市島根半島にある十六島地区でとれたから。「十六島」を「うっぷるい」と発音するのはもともとの地名がアイヌ語でありからとも。諸説あり。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水生。北海道周辺、日本海、太平洋沿岸北中部。
潮間帯の岩上。 |
生態 |
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基本情報 |
冬から春にかけて岩石、磯などにつく天然ノリの一種。
今では厳寒期に危険をおかしてつむ人が少なくなり、岩海苔全般に高価なだが、その最高峰。
山陰から北に多く、この地域の「岩のり」の多くが本種である可能性大。
特に島根県出雲市十六島のものは名高く、標準和名もこの地名からきている。
島根県では雑煮の代表的な具であり、また海苔巻き、にぎりめしなどの利用している。
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水産基本情報 |
市場での評価 流通漁はわずか。非常に高価。
漁法 採取
産地 島根県ほか |
選び方 |
乾燥の度合いがよく、黒く退色していないもの。
冬期につむものだが初期の方が質がよいとされている。 |
味わい |
旬は初冬から厳冬期
黒みが強く、噛むと軟らかい。干し、あぶってお握りなどに加えると香り高く、しかも噛むほどに溶ける。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
板のり・かもじのりなどを使用
あぶってそのまま食べる、ご飯などをくるむ、巻く、汁に入れる あぶる あぶってほんの少ししょうゆを落として食べるのが、いちばんうまい食べ方でのりの香りが最大限に楽しめる。 のり握り(ばくだん) あぶった板のり(海苔)に醤油を塗り、ご飯を握ったもの。あぶりたてを握り熱いうちに食べるととても香りがいい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
のり握り(ばくだん) あぶった板のり(海苔)に醤油を塗り、ご飯を握ったもの。あぶりたてを握り熱いうちに食べるととても香りがいい。
しゃくね巻き、しゃくのえ巻き(赤ノ江巻き) 隠岐西ノ島赤ノ江地区で作られている。板状に乾かした岩ノリ(ウップルイノリ、オニアマノリなど)にしょうゆ味をつけた炊きたてご飯を巻くもの。温かいうちに食べると実にうまい。
巻きずし 山陰各地。祭事などで作る巻きずしに利用する。
岩のり 山形県飽海郡遊佐町吹浦の岩のりは本種である可能性大。  のり筆(海苔筆)
海苔筆に使われる『十六島海苔(うっぷるいのり)』は、平田の十六島で冬の寒い時に摘まれます。味も格別で江戸時代には、松江藩の松平不味公が江戸城へ登城された時に、十六島海苔で作った羽織を着て、大名達の控えの間でその羽織を切って大名達にごちそうし、お国自慢をしたという話も残されています。海苔筆は、地元ではお正月や2月の初午祭りに作られ、箸で持ち上げると海苔が筆の先のようになることが名前の由来となっているようです。
材料
十六島海苔(はぎのり)、べべ貝、水、こんにゃく、豆腐、ごぼう、里いも、ニンジン、酒小、醤油
1)貝を水煮して、殻を取り除く。
2)ごぼうはささがき、こんにゃく、にんじん、里いも、海苔は小さく刻む。豆腐はさいの目に切る。
3)1)の貝の汁の中にこんにゃく、ごぼう、里いも、にんじんを入れ、柔らかくなるまで煮る。
4)海苔と豆腐を入れ、味付けする。 お雑煮 島根県など各地でお雑煮に入れる。もともとは旧正月前のもっとも良質の海苔を使ったもので、香り、口溶けなど最上の味わいであった。また、のりと餅以外は入れないのが出雲地方ならではとも。 |
加工品・名産品 |
板海苔 つんだノリを刻んで板状にして干し上げたもの。島根県などでとれる岩ノリで初冬に採取されたものはウップルイノリである可能性が高い。 かもじのり つんだノリを長いまま板状に伸ばして干し上げたもの。お雑煮などに利用する。[ワタエー 島根県出雲市平田町] |
釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
■ 海苔筆に使われる『十六島海苔(うっぷるいのり)』は、平田の十六島で冬の寒い時に摘まれます。味も格別で江戸時代には、松江藩の松平不味公が江戸城へ登城された時に、十六島海苔で作った羽織を着て、大名達の控えの間でその羽織を切って大名達にごちそうし、お国自慢をしたという話も残されています。 |
参考文献・協力 |
写真協力他/菊地則雄さん(千葉県立中央博物館分館 海の博物館)、島根県水産技術センター
『標準原色図鑑 海藻』(千原光雄 保育社) |
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