日本橋蛎殻町遠忠食品の生のり佃煮で汁と飯

のりの佃煮は汁にすると、その味の真価がわかる


「のりの佃煮」はどう食べるべきか?
ボクはおいしいのが手に入ると汁にする。
汁にすると、その真価がわかる。
生のり(早摘みのスサビノリ)の佃煮に熱湯をそそぐと藻体が開く(海の中で生えている状態)。
ひとつひとつが植物の葉であることがわかると思う。
この藻体で光合成をして成長しているのである。
のりの香りというが、熱湯をそそいだときに漂うものの、海藻類は味も含めた風味を楽しむものなのだ。
今回の生のりを使ったものは塩分濃度が低いので、自分好みに醤油を足して飲む。
ちなみに茶匙1杯を湯飲みに溶くと、湯飲みを覆い尽くすくらい藻体の花が咲く。
さて、非常に風味豊かでおいしいものだが、もうひとついいところがある。
この1杯が体を軽くし、体のコンディションを整えてくれるのである。

のりの佃煮があるとご飯がいくらあっても足りない


さて、普通にご飯に乗せてうまいのは当たり前である。
温かいご飯に乗せると香りが立ち、のりのうま味だけで、茶碗のご飯がマジックのように消える。
ご飯食べすぎが恐いな、とぞ思う。

江戸前佃煮の老舗、日本橋蛎殻町、遠忠食品


基本的に同級生、身内はほめない主義だけど、おいしいので、ちょっとだけ、宮島一晃さん(遠忠食品)のことをばとりあげる。

のりの佃煮というと、板のりなどに使われている、一般的な黒い「のり」であるスサビノリと思いがちであるが、実はほとんどが「あおさ」、ヒトエグサが原料だ。
スサビノリは紅藻類で業界的には「黒のり」という。
ヒトエグサは緑藻類で「青のり」という。
スサビノリ「黒のり」は風味は控えめだがうま味が非常に豊かなのだ。
ヒトエグサ「青のり」は風味は強いがうま味は少ない。

近年、スサビノリは高騰していてめったに手に入らない。
だからスサビノリの「のりの佃煮」はとても貴重だ。
スサビノリの佃煮は、ご飯に乗せることによって、また湯に溶いて飲むと、いやが上にも味の実力がわかる。
一度、「黒のり」スサビノリの佃煮の味をお試しあれ。
遠忠食品
https://enchu-food.com/


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