カツオの角煮(うま煮) カツオの身をサイコロ状、もしくは適当に切り、甘辛く煮上げたもの。煮る前にしょうゆだれに漬け込む、もしくは湯引きすることもある。
かちゅー湯 沖縄県沖縄本島で風邪のときや、慌ただしい日に作られるもの。カツオ節に熱湯を注いで作るものだが、みそ、もしくはしょうゆで味つけする。コラムあり
【飯】
かつお飯(鰹飯) 静岡県。薄味に煮たカツオを、桜飯に炊きあげたご飯に混ぜ合わせる。
かつお飯(鰹飯) 静岡県焼津市。甘辛く煮たなまり節を炊きたてのご飯に混ぜる。
りゅうきゅう すりごま、しょうゆ、みりんなどで作った地に魚の切り身を漬け込んで、ご飯にのせて食べるもの。湯、もしくはお茶をかけてもいい。[大分県全域]
だいこば飯 〈私たちは、昔から、かつおが取れだすと、大根の種をまき、少し大きくなるころ、間引きく。これを塩でもみ、なまぶしを手でさばき混ぜ合わせ、どんぶりに。特に麦飯がうまい。丁度いい時期にカツオがとれてきました。代々、これは本物のカツオやソマのなまり節で作ると最高〉。林市兵衛さん(志摩市大王町)
【茶漬け】
かつおの茶漬 炊きたての暖かいご飯にカツオのつくり(造り=刺身)をのせ、醤油をかけ、その上から熱いお茶(新茶)をかける。
カツオ茶漬け 厚めに切った刺身を醤油、みりん、卵のたれに漬け込み、熱いご飯にのせ熱い番茶をそそぐ。
大根の塩辛煮 大根をだし汁で柔らかくなるまでたき。塩辛を加えて煮上げる。

かつおの塩たたき

かつおの塩たたき 新鮮なカツオを4割に、皮を引き(初ガツオと腹の部分は皮付きでよい)、強めの塩を振ってあぶるだけ。漁師さんが漁の後に手早く作れる酒の肴といったものだろう。「たたき」というと皮付きのままあぶり、ねぎや大葉などをのせて、酸味のあるたれをかけなじませて食べるのが有名だが、あれは明らかに陸上での料理。漁の後のまだ海の上などで素早く作るのには、「塩たたき」の方が優れてる。加うるに、人肌くらいの生暖かいカツオの味は、冷たい状態のものよりも遙かにうまい。[高知県高知市] 永野昌枝さん・廣さん

カツオの土佐造り

カツオの土佐造り(たたき) 高知県。下ろしたカツオの皮を藁などの炎であぶり、ねぎ、ニンニク、青じそなどをのせて、ポン酢(加減しょうゆ)をかけて手でたたいてなじませる。
焼き切り(やきぎり) 三枚に下ろして皮目をあぶり、刺身状に切り、手に塩をまぶして叩く。次ぎに柚(ゆう、ゆぅ)の果汁をてにつけてたたき、玉ねぎのスライスをのせる。高知県の「カツオのたたき」に似ているが、徳島ではにんにくよりも玉ねぎが必須。カツオ、スマ(ヒラソウダ)、ハス(イシダイ)、コウロ(イシガキダイ)、グレ(メジナ)など。[徳島県海部郡海陽町宍喰]
かつおの塩炊き 三重県。濃いめの塩水で炊く。身は食べ、汁は薄めて飲む。中落ちなどは煮つけにすることが多いが、この塩水で煮るというのもとても魅力的だ。煮汁がおいしいのもいい。『聞書き 三重の食事』(農文協)

カツオの茶ずまし

茶ずまし 徳島県には「茶ずまし」という料理が2通り存在するのかも知れない。これはしょうゆにつけたカツオの刺身をご飯の上にのせて番茶をかけたもの。新鮮なものを使うと生臭くなく、カツオのうま味が茶に溶け込んでとてもうまい。塩気が足りなかったらしょうゆを加える。刺身よりも生臭みがないので子供にも好かれていた料理だとのこと。[徳島県海部郡海陽町宍喰浦]

カツオの茶ずまし

茶ずまし(茶澄まし) 徳島県で作られているもので、カツオの即席すまし汁といったもの。汁椀にカツオの刺身5きれほど入れ、熱い煎茶をそそぎ、醤油で吸い物ほどに味つけする。『阿波ふるさとの味』(鈴木竹子 徳島郷土双書 徳島県教育会)
がわ(がわ料理) カツオを三枚に下ろして、腹骨、血合いをのぞく。こまかく刻んでおく。青じそ、ねぎ、ミョウガなどを刻んでおく。氷水にみそを溶き、ここにカツオ、香辛野菜を入れて、カランカランと氷の音をさせながら混ぜる。これを汁として、またご飯にかけて食べる。[静岡県御前崎周辺]
揚げびたし 適宜に切ったカツオの身に片栗粉などをつけて揚げ、しょうゆ、砂糖、酒、みりん、(酢を使うことも)などで作ったタレに浸したもの。タマネギ、ニンジンなどを使う。南蛮漬けのようなもの。[福島県いわき市などで聞き取る]

かつおのなまり

かつおのなまり カツオを下ろして塩ゆでにしたもの。そのままでも、煮ものなどに使ってもいい。静岡県伊東市

かつお飯簡単版

かつお飯 カツオ漁の基地がある焼津ではカツオを様々な料理法で食べている。そのなかに「カツオの炊き込みご飯」や「生のカツオをしょうゆに漬けてご飯に挟んで蒸らした料理」などがあり、どれも鰹飯(かつおめし)という。これを簡便化したもの。
カツオの切り身をしょうゆ、みりんなどに漬け込み、お茶碗に温かいご飯とともに入れてバターをのせ、電子レンジで加熱するもの。料理時間は漬け込み時間を入れても半時間ほどしかかからない。『秘伝 おふくろの味 静岡県海のさち山のさち』(静岡県生活改良普及員編 静岡新聞社)

かつお血合いなめろう

血合いなめろう 千葉県外房勝浦市の民宿で食べた。血合いの部分を細かく切り、みそ、ねぎ、玉ねぎなどと合わせて切れる包丁でたたいたもの。酸味があってうま味が強くていい酒の肴になる。[千葉県外房]
塩かつお(塩がつお) 東京都八王子市の鮮魚店では古くは伊豆などから「塩かつお」を仕入れて売っていた。要するにカツオを1尾丸ごと塩漬けにしたもので、保存性が高い。徐々に自家製するようになる。半身か切り身を強めの塩をして馴染ませる。焼くと塩を吹くくらい塩辛いものだったが徐々に塩を控えるようになった。