ハチクと生利節は相思相愛

ハチクが出たら、関東では竹の子終わり


八王子綜合卸売センター、『八百角』にハチク(淡竹/はちく)が出ていた。たぶん長野県とか群馬県のものだと思う。比較的寒冷な土地に育つもので、東京都多摩地方や千葉県ではマダケが一般的でハチクはほとんどない。
長野県、新潟県や山形県では今、市場や直売所はハチクだらけだと想像する。
ハチクを見つけたら練り製品とか生利節(生節)が欲しくなる。市場中を探したが生利節がない。
市場帰りに近所のスーパーにはなく、打ち合わせで出掛けた駅前の、スーパーをのぞくと今切れているところだと言われた。
諦めていたところが、電気屋さんの隣のスーパーで発見する。竹輪以上に基本的な食材だと思っているのに、こんなにあっちこっち探さなくてはならぬとは、ヤな世の中になったものヨ。

これこそが昔ながらの普通の味


作り方は簡単である。
ハチクは半割にして、孟宗竹と同様糠水で1時間以上ゆでる。
そのまま冷まして流水で洗い、適当に切る。
生利節は適当な大きさに割っておく。
鍋に二番だし(今回は日高昆布、ソウダ節とカツオ節の二番だし)、もしくはカツオ節出しの素を煮立たせ、酒・みりん・醤油(控えめ)の煮汁を作る。
材料のハチク、生利節を加えて煮る。
煮えてきたら味見して場合によっては調味料を加える。
昔から延々と作られてきた料理はいたってたやすく、作りやすい。
だしで煮ただけのハチクだって、柔らかくて実にウマスギ。実にうれしくなる。そこに生利節が加わると途端にゴージャスにもなる。
豊かな味といってもいいだろう。
出来ましたるものはまさしく惣菜なので、これにて飯を食う。
正月からあっと言う間に淡竹時とは、不安を通り越して居直るしかない。


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