3月20日 カツオ漬けめし
カツオのマグロ族は飯に合う

曜日の感覚もなければ、祝祭日もわからない。市場歩きをしていたら「明日は来ちゃダメだぞ」という人がひとり、ふたり。
市場のカレンダーを見たら明日は休市で祝日ではないか。間違い! 明日は祝日で休市だ。
それなら今日は買いに走ろうか、と思ったら魚がない。昨年来、日本列島近海は深刻な不漁におちいっている。温暖化のせいかどうかはわからないが、深刻以上に危険である。
ボクもボクなりに深刻な顔をして歩いていたら、知り合いの居酒屋のオヤジが「ちょっとだけよ」と投げてくれたのがカツオの切身である。頂き物なので産地不明。ちょっとだけなのは、「朝飯に食いなよ」と言うことだ。
作り方はシンプル

持ち帰ったらすぐに適当に切る。醤油に上等の白味醂を加えてわさびをすり下ろす。ここに漬け込んであれこれ、これあれ別のことをやり倒す。
マル幸クマゴロウからいただいた魚の撮影準備をし、巻き貝をつけ込んでいる塩素水を変える。期限がある仕事の仕事先に、「ちょっとだけよ」ではなく「ちょっと待ってね」とメッセージを送る。
冷凍庫からご飯を取り出し、チン。
昨日の兵庫県豊岡市産ヤマトシジミのみそ汁を温める。
あとは戻したご飯にカツオの漬けをのせて食らうだけ。
この旧マグロ族くらい飯に会う魚はおまへん。ウマスギ以上にウマスギである。
茶碗から消え去る飯に、お代わりはなしよっ、と独りごちながら涙する。いとかなし。