いちき串木野市のカツオ

どこに行くつもりだったのか

鹿児島県産カツオ

八王子綜合卸売協同組合 マル幸に鹿児島県いちき串木野市産のカツオがきていた。鮮度のよさからして釣り物に違いない。
カツオには、対馬暖流にのって東シナ海から日本海に入る群れと、黒潮にのり太平洋を北上する群れがいる。
どちらの暖流にのって北上するのだろう、と考えていたら、身質の方も知りたくなって1本買った。カツオが不漁と聞くが刺身で食べる限りでは、そんなに不足しているとは思えない。このあたりが多獲性魚類の難しいところだ。
さて、いちき串木野市に水揚げされたカツオのとれたところは、水温20度のラインをみると種子島、屋久島あたり、もしくはそれよりも西の海域だろうか?
ボクの想像でしかないが、この2㎏上のカツオは日本海を目指していたのだろう。一昔前の日本海の水温と、今現在の水温は違っているはず。今や、日本海に入ったからといって迷子になったわけではない。日本海の水温がカツオに適しているから、入り込み、太平洋側とは違うエサをとる。
この個体も運が悪くなければ日本海でビッグなサイズになったかも知れない。

皮下に白い脂の層が


さて、1本買いには手頃なサイズである。ちなみに2月、3月と鹿児島では5㎏上の大型がとれる。この個体は明らかにそれとは違う群れだろう。
三枚に下ろした感じから、すなおに腹身はあぶり、背は刺身にする。
切りつけながら、予想外の脂ののりにビックリする。まだ3月になったばかりなのに、皮下に白い層まで作っている。
好奇心から買ったカツオだが、まごうことなき上物である。しかも3月初めなので安い。
できれば薩摩の芋焼酎を合わせたかったが、有名どころの麦焼酎にじゃばらを絞り込んだ水割り。酒に柑橘類を振り込んだので、カツオにはにんにく、しょうがのみ。


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