キハダマグロ(Yellowfin tuna)

Scientific Name / Thunnus albacares (Bonnaterre, 1788)

代表的な呼び名キハダ

キハダマグロの形態写真

体長2m、200kgに達する。紡錘形でやや細長くやや黄色みがかる。頭はやや小さく、腰から尾にかけてが長い。背鰭と尻鰭は黄色く成長にともない著しく伸びる。
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体長2m、200kgに達する。紡錘形でやや細長くやや黄色みがかる。頭はやや小さく、腰から尾にかけてが長い。背鰭と尻鰭は黄色く成長にともない著しく伸びる。体長2m、200kgに達する。紡錘形でやや細長くやや黄色みがかる。頭はやや小さく、腰から尾にかけてが長い。背鰭と尻鰭は黄色く成長にともない著しく伸びる。写真は体長40cmの幼魚。体側後半の縞模様が中央部から斜め後方に流れる。
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★

    知っていたら通人級

    ★★★★

    重要

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ属
    外国名
    Yellowfin tuna
    学名
    Thunnus albacares (Bonnaterre, 1788)
    漢字・学名由来
    漢字 黄肌鮪、黄鰭鮪
    由来・語源
    黄色い“はた”すなわち「はた=ひれ」が黄色いの意味。
    鰭(ひれ)や体色が黄色いため。
    Bonnaterre
    Abbé Pierre Joseph Bonnaterre(ピエール・ジョセフ・ボナテール 1752-1804 フランス)。博物学者。
    地方名・市場名 地方名・市場名は長いため下部に移動しました。クリックでジャンプします。
    生息域
    海水魚。
    日本近海、日本海には希。世界中の温・熱帯域。
    生態
    産卵は赤道、熱帯域では周年。
    西部太平洋では4月〜7月。
    体長120〜140センチくらいまでは性比(雌と雄の割合)は同じで、それ以上になると雄が多くなる。
    太平洋産のキハダは1歳で50センチ前後、2歳で90センチ前後、3歳で120センチ前後、4歳で140センチ前後、5歳で155センチ前後になる。寿命7-10歳以上。
    肉食性で甲殻類、魚類、頭足類をエサとする。
    基本情報
    古くからの産地である高知、三重、九州などが近い関西でよく食べられていたもの。大阪では「本ハツ」。マグロをさす「ハツ」に本が冠せられている。これはクロマグロよりも漁場が近く、鮮度のいいものがふんだんに手に入ったためだという。
    最近では関西でも、もともとあまり食べない関東でもなじみが薄くなっている。
    むしろ安いマグロといった存在になってしまっている。
    マグロのオイル缶詰(ツナ缶)の原料のひとつ。
    水産基本情報
    市場での評価 関東ではあまり見かけない。関西、西日本に多い。値段はやや安め。生はやや高い。
    漁法 延縄、巻き網
    主な産地 静岡県、宮城県、高知県、宮崎県、鹿児島県
    概要 キハダマグロはマグロ類中もっとも量、資源の多いもの。国内で消費される30パーセント以上を占め、鮮魚、冷凍、加工品など重要なもの。
    港別
    和歌山県那智勝浦港、鹿児島県鹿児島港、沖縄県那覇港、宮城県塩竃港、静岡県沼津港
    冷凍 静岡県焼津港、神奈川県三崎港、鹿児島県山川港、宮城県石巻港
    産地 主に静岡県駿河湾以西に水揚げ港がある。他のマグロよりもスマートで鰭が黄色いので、目立つ存在である。
    選び方
    切り身は薄い赤のなかに脂分の白い濁りのあるもの。触って硬くなく、それでいて張りのあるもの。
    味わい
    旬は夏 ただし冷凍などがあり、はっきりとはしない。
    鱗は頭部近くにしかない。皮は薄く弱い。骨はあまり硬くない。
    全般に赤みが弱いが、身は脂が少ないものは特に赤みが弱い。腹には脂がのった部分があるが、量は少ない。
    頭部などからいいだしが出る。
    全般にあっさりして軽い味わい。嫌みがないが、旨みをさほど感じない。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    生食(刺身、たたき、カルパッチョ、なめろう、和えもの)、煮る(煮つけ、すき焼き、卵巣煮)、汁(みそ汁)、ソテー(ステーキ、ムニエル、コートレット)、揚げる(唐揚げ)
    キハダマグロの刺身キハダマグロの刺身 マグロ類のなかでは酸味が少なく、甘味がほどよく脂が良質なのだろう後味がいい。いいものは主に関西以西にあるというのは、関東に住んでいると残念でならない。上質のキハダは本マグロよりもうまい、と思う。
    キハダマグロのカルパッチョキハダマグロのカルパッチョ 脂の少ない冊を買ったら、カルパッチョなどにするといい。出来るだけ薄く切り、にんにくをなすりつけた皿に塩コショウし、並べていく。とんとんと馴染ませて香り辛みのある野菜などを加え、オリーブオイルをかけてもう一度とんとんとスプーンなどでたたき馴染ませる。
    キハダマグロのたたきキハダマグロのたたき 冊に振り塩をして少し置く。これをあぶって冷凍庫などで急速に冷やし、刺身状に切る。あぶって酒、みりん、しょうゆを合わせた地につけ込んでもいい。にんにく、ねぎなどを合わせても、ポン酢をかけるなどしても楽しい。
    キハダマグロの納豆和えキハダマグロの納豆和え キハダマグロは適宜に切る。納豆をかき回してねばりをだし、辛子、しょうが、にんにくなど好みのもの、しょうゆを加えて再度かき回す。これをキハダマグロと和える。キムチやキムチの素で和えたものを大阪で食べたが、これも一興だ。
    キハダマグロの血合いのみそたたきキハダマグロの血合いのみそたたき(血合いなめろう) 関西などではキハダの血合いなども手に入る。これをみそ、ねぎ、みょうがなどの香辛野菜とたたく。血合いは酸味があり、微かだが臭味もある。これをみそと香りのある野菜で封じ込める。うま味が豊かで実にいい酒の肴となる。
    キハダマグロの魚すきキハダマグロの魚すき(いり焼き) 比較的脂ののった腹の周りなどが手には入ったら刺身もいいが、すき焼き地で煮ながら食べてもおいしい。地は、酒、砂糖、しょうゆを合わせて水で好みの濃度に薄めたもの。煮加減、合わせる野菜などはお好みで。
    キハダマグロのゆず煮キハダマグロのゆず煮 単にしょうゆ味で煮てもいいが、季節の柑橘類と煮てもおいしい。キハダマグロは酒、砂糖、しょうゆ味で煮て7分通り煮上がったら輪切りのゆずを加えて、もう一度さっと煮る。三杯酢で煮ても別種のおいしさがある。
    キハダマグロのの真子の煮つけキハダマグロのの真子の煮つけ キハダマグロの真子は輪切りにする。これを酒、砂糖、しょうゆ味の地に落とし込んでいく。熱が通ると花が咲いたようになる。こってりと甘辛く煮るとご飯にとても合う。
    キハダマグロのあらのみそ汁キハダマグロのあらのみそ汁 中落ちや頭部などを適宜に切る。だしが濁らないように一度熱湯にくぐらせて冷水に取る。粘液や血液、残っている鱗などを流し、水分をよくきる。これを水(昆布だし)で煮だしてみそを溶く。驚くほどうま味豊かなみそ汁になる。非常に美味。
    キハダマグロのムニエルキハダマグロのムニエル キハダマグロの切り身に塩コショウする。小麦粉をまぶしてじっくりとソテーする。仕上げにバターを加え、レモン汁をたらしてソースにする。
    キハダマグロのコートレットキハダマグロのコートレット キハダマグロの切り身に塩コショウする少し寝かせて、小麦粉をまぶし、卵黄・小麦粉・油を合わせたものにくぐらせて、バターでじっくりとソテーする。バターでソテーすることで豊潤に仕上がり、キハダマグロの甘味も際立ってくる。
    好んで食べる地域・名物料理
    関西、西日本。
    マグロの刺身 沖縄県では魚店のことを「刺身店」という。客が注文すると魚も買えるし、刺身もその場で切ってくれる。単にマグロというとキハダマグロであることが多い。
    ひゅうが ゴマをすり、卵黄を合わせて、しょうゆ、みりん、砂糖などで味つけ。ねぎなどを加えたものにマグロの赤身を漬け込む。これをご飯にのせて食べる。[大分県津久見市保戸]
    ごんぐり煮ごんぐり煮 宮崎県日南市ではマグロ類の胃袋を「ごんぐり」と呼ぶ。これをサツマイモの切り身を入れたゆでゆがき冷水に落としてあら熱を取る。これを酒、日南市のしょうゆ(普通のしょうゆを使う場合には砂糖少々)、水で煮る。玉ねぎと煮るのが日南風でとてもご飯との相性がいい。胃袋は和歌山県や神奈川県などマグロの産地では普通に見かけるものだが、呼び名がいいと思う。
    ごんぐりの唐揚げごんぐりの唐揚げ 宮崎県日南市の方に教わった料理。「ごんぐり」は輪切りにしてサツマイモの切り身を入れたゆでゆがき冷水に落としてあら熱を取る。水分をよく切り、片栗粉(唐揚げ粉)をまぶしてかりっと揚げる。表面はかりっと香ばしく噛むと、じわりとうま味が染み出してくる。
    加工品・名産品
    節類、干もの、総菜など加工品は多彩だ。

    マグロ節しび節(まぐろ節、めじ節) 幼魚(関東ではメジマグロ)を節に加工したもの。関東では「めじ節」「まぐろ節」、関西では「しび節」という。削り節にしたときの色合いが淡く、だしも淡い上品な味わいになる。吸物などに使うと非常においしいものができる。またお浸しなどに乗せてもいい。
    ツナ缶ツナ缶(シーチキンなど) ツナ缶の材料のひとつ。ビンナガを使ったものを「ホワイトミート(White meat)」、本種やカツオを使ったものを「ライトミート(Light meat)」と表示する。クセがなくマヨネーズなどとの相性がいいのでサンドイッチやサラダなどに多用される。
    キハダマグロのみりん干しキハダマグロのみりん干し キハダマグロをやや薄切りにして砂糖、しょうゆなどで味つけして干し上げたもの。キハダマグロの揚がる、和歌山県、高知県、宮崎県などでよく見られる。[谷口商店 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町]
    まぐろ浅炊きまぐろ浅炊き あっさり煮つけたものをレトルトパックにしたもの。非常に優しい味つけで、ご飯のおかずに持って来いだ。[焼津中央水産 静岡県焼津市]
    まぐろステーキまぐろステーキ 挽肉状にしてまとめ、味つけしたもの。ソテーして食べる。
    まぐろチャーシューまぐろチャーシュー 味つけした真四角のマグロを焼いたもの。魚臭さがなくて、万人向きの味。[焼津中央水産 静岡県焼津市]
    釣り情報
    神奈川県相模湾ではカツオをねらう生き餌釣り、疑似餌釣りなどに混ざる。
    またコマセを使ったカッタクリ釣りでも混ざってくる。
    歴史・ことわざ・雑学など
    肉が稍白く、脂肪が少ない為めに、米國ではシイ・チクン(海の鶏の意)と言って賞味する。 『魚と人生』(田中茂穂 楽浪書院 1934)
    参考文献・協力
    教えてくれた方/酒井亮介さん
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)、『魚と人生』(田中茂穂 楽浪書院 1934)
    地方名・市場名 [?]
    スビーガーシュビ チンバニー
    場所沖縄 
    ハツ
    場所愛媛県伊方町 
    ビン
    場所高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協 
    ビンタ
    場所高知県高岡郡中土佐町 
    ビンヨコ
    サイズ / 時期幼魚 場所徳島県海部郡海陽町宍喰 
    ごんぐり
    部位胃袋 備考他のマグロ類の胃袋とともに。 場所宮崎県日南市 
    キワダ キワダマグロ
    備考別名。 
    アカシビ イトシビ ウキンシビ オオイトシビ カツオ キハダ キワダマグロ キンビレ グズナガ ゲスナガ コイト シビ ヂューナガシビ バシ バシビ ハンバツ ヒレナガ ビンキリ ビンナガ ホンシビ ホンハツ マグロ マシビ ヨコワ
    参考文献より。 
    キメジ
    サイズ / 時期小型、若魚 
  • 主食材として「キハダマグロ」を使用したレシピ一覧

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