
体長1メートル前後。やや細長く、第二背鰭、尻鰭後方が長い。胸鰭が第二背鰭真下に届く。側面腹側には顕著な楕円形の白い斑紋がある。
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ属
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外国名 |
Longtail tuna, Longtailed tuna, Spot-side tuna
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学名 |
Thunnus tonggol (Bleeker, 1851)
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漢字・学名由来 |
漢字 腰長
由来・語源 第二背鰭、尻鰭の後方がほっそりしてやや長いため。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。外洋表層性。
富山県から九州西岸の日本海、相模湾以南の黒潮域太平洋沿岸、琉球列島、少ないが東シナ海沿岸。朝鮮半島南岸、済州島、インド-西太平洋。 |
生態 |
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基本情報 |
マグロ類のなかでももっとも入荷量の少ない種。ほとんど知られていないマグロだ。市場関係者もコシナガをはっきりと認識していないと思われる。ただしマグロ専門店はしっかり区分して、ときに販売している。小型で入荷量も少ないので、値段は安い。
たぶんスーパーなどにも置かれることはあると思うが、単にメジマグロ(マグロの若魚)としてあるのでは、と考えられる。 |
水産基本情報 |
市場での評価 市場では「ばけ」。入荷量が少なく、1メートル弱にしかならないので、マグロ類としては安い。
漁法 定置網、延縄
主な産地 長崎県、山口県、島根県など |
選び方 |
太ってはりのあるもの。目が澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のもの。 |
味わい |
旬は秋から冬。
赤身魚のひとつ。
頭部近くにしか鱗がない。皮は薄く弱い。骨はあまり硬くない。
赤身ではあるが赤みは弱い。血合いはあまり大きくはない。熱を通しても硬く締まらない。
赤身とは マグロ族の魚(マグロ属/クロマグロ、タイセイヨウクロマグロ、タイセイヨウマグロ[Thunnus atlanticus (Lesson, 1831) ] : Blackfin tuna/一般的ではない)、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、コシナガ、ビンナガマグロ ソウダ属/マルソウダ、ヒラソウダ スマ属/スマ カツオ属/カツオ) および、カジキ類のシロカジキ、マカジキ、バショウカジキのこと。これにあえて加えるならカマスサワラかも。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
料理法
生食(焼霜造り、刺身)、煮つけ、汁、唐揚げ、焼く(塩焼き)
生食 マグロ類のなかでは赤みが弱い。血合いも弱く酸味があまり感じられない。軟らかくうま味もあり、脂の甘さもあって美味である。また腹の部分の皮は薄いのであぶってたたき風にしてもうまい。
煮つけ あらや胸鰭のまわりの煮つけは実に美味しい。血合いを佃煮風煮に作っても美味しい。
汁 頭部、中骨などの汁は濃厚なうま味が感じられて、こたえられない味。滋味豊かでもある。
唐揚げ みりん、しょうゆなどに漬け込んでの竜田揚げはとてもうまい。
焼く 腹もなどの塩焼きは美味。  コシナガマグロの焼霜造り
生食 腹の身の皮目をあぶった焼霜造り。  コシナガマグロの煮つけ
煮つけ かまの部分の煮つけ。煮汁がしみやすく、あまり硬くなりすぎない。  コシナガマグロのみそ汁
みそ汁 中骨を昆布と一緒に水から煮出して、みそを溶いただけだが実に濃厚な味でうまい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
山口県、島根県 |
加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
ばけ と呼ばれる魚のひとつ。「ばけ」とは有名な魚に似ているが別種のものをいう。本種は他のマグロ類に対して。他にはイトヨリに対してソコイトヨリが「ばけ」。メイタガレイに対してナガレメイタが「ばけ」。 |
参考文献・協力 |
協力/松下鮮魚店(島根県浜田市)
『萩沖の魚たち』(中澤さかな、堀成夫 萩ものがたり)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会) |
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