生食(刺身、づけ、和え物、ユッケなど)、煮る(コンフィ、煮つけ)、汁(ねぎま、しょうゆ汁、潮汁、みそ汁など)

メバチの刺身

刺身 「まぐろの刺身」というとほとんどが本種のものと言ってよい。赤身、中トロ、ネギトロなど、いろんな部分を楽しみたい。秋の国産生がいちばんうまいが、安いものでも一定のうまさがある。

マグロ茶漬け

まぐ茶(マグロ茶漬け) マグロの刺身(切り身)はそのままでも、生じょうゆに漬けても、生じょうゆとみりんに漬け込んでもいい。ご飯にもみ海苔を乗せてマグロを並べて湯(お茶)をそそぐ。刺身そのままの場合はしょうゆをたらして、ふたをして少し蒸らす。漬けの場合はふたをして蒸らす。わさびなどを添えて食べると非常に美味。意外に漬けにしなくてもおいしい。

メバチの漬け

中トロづけ丼 中トロを刺身状に切り、しょうゆ、煮きりみりんに数分漬け込む。これをこのまま食べてもいいし、ご飯にのせて食べてもうまい。あまり漬け込み過ぎないのがコツ。赤身もとてもおいしい。

メバチのぬた

ぬた 東京下町などに行くと、よくお目にかかるものだ。江戸甘みそ(みそはなんでもいい)に少量の煮きりみりん、少量の砂糖、酢を合わせてすっておく。これをゆでたねぎ、マグロの赤身と和えたもの。

メバチの漬け

づけ マグロの冊に湯をかけて霜降りにする。これをしょうゆ、煮きりみりん、煮きり酒、好みによっては少量の砂糖を合わせた地につけ込んで半日以上置く。これを切りつけたもの。保存性も高くなるし、刺身とは別種の味が楽しめる。

メバチの山かけ

マグロの山かけ 「マグロの山芋かけ」のことだ。比較的廉価なマグロの切り落としなどに、すり下ろした山芋(大和芋)を添える。ウズラの卵や卵黄を添えるといい。安いマグロの物足りなさを山芋の味でカバーするといった風だが、実は味は2つが出合うことで倍以上のうまさになる。

メバチのオクラ和え

オクラ和え オクラ、モロヘイヤ、納豆、甘いたくわんなどメバチの安い刺身と合わせると、より味わい深くなる。安くておいしい冷凍ものなどに最適である。味つけはしょうゆとわさびでも、にんにくしょうゆでもいい。

メバチのユッケ

マグロのユッケ 中骨についたネギトロをユッケのタレで和えたもの。ユッケのタレはコチュジャン、ごま油、しょうゆ、すり下ろした梨、にんにくを合わせて作った。辛いのが好きなら赤唐辛子を加えてもいい。

メバチのコンフィ

コンフィ メバチマグロの筋の多い尾に近い部分を塩に漬け込むくらい強くして半日寝かせる。塩を洗い流し、粗挽きコショウをまぶしつけて少し置く。これをローリエ、ディルなどを沈めたオリーブオイル70度くらいで数時間ほど煮る。軟らかくて身は繊維に沿ってほぐれる。このまま食べてもいいし、またパンなどに挟んで食べてもいい。

メバチのあら煮

あら煮 血合いの部分や筋の多い部分をしょうゆ、みりん、酒であっさりと甘辛に煮たもの。血合い部分は適宜に切り、湯通しして氷水に落として血液などを取る。よく水分を切ってから煮るときれいに出来る。

メバチのみそ煮込み

筋のみそ煮込み 尾や頭部に近い部分の筋を集めて、みそ仕立てで煮たもの。筋は一度湯通し、氷水に落とし汚れなどを取り、よく水を切っておく。みその地はみそ、酒、砂糖、水で味を加減しておく。これで筋を煮込む。しょうがをたっぷりきかせておくと非常にうまい。

メバチの目玉煮

目玉煮 目とその奥の筋肉などをしょうゆ、みりん、酒、砂糖で煮たもの。目の周辺は脂が強く、煮ると溶ける。このトロトロ感は好き嫌いが出そう。

メバチのなぎま汁

ねぎま鍋 江戸時代からある汁(鍋)である。しょうゆ、みりんなどで味つけした汁で脂のある部分と一本ねぎ(白ねぎ)を煮ながら食べる。汁として椀に入れて供してもうまい。マグロから出て来ただしでねぎを煮るのだけど甘辛の野卑な味つけが向いている。気取った味つけは下の下だ。

メバチのポシェ

ポシェ 市販のハーブブイヨンと少量の白ワイン、月桂樹の葉(ローリエ)、アニスシード、コショウ、などを合わせた地で沸騰させない程度に熱を通したもの。身を取り出し、煮汁を味見、塩を適宜足し、一度こす。これを少し煮つめてソースにする。香りのある野菜などと盛り合わせてソースをかけ回して出来上がり。ライムなど柑橘類などを搾りながら食べる。

メバチのあらと焼き豆腐の煮込み汁

あらと焼き豆腐の煮込み汁 骨のついた部分や中落ちの身、尾近くの筋だらけの部分を、しょうゆ、みりんで味つけした汁で煮たもの。主役はマグロだが、一緒に煮た豆腐が最高にうまい。簡単に安くできる割りに味が上級である。

メバチのみそ汁

みそ汁 江戸時代などもマグロが揚がったら、まずはみそ汁にしたのだと思う。骨付きの部分や脂のあるところを湯通し、氷水に落として血液や汚れを落とす。こうするときれいな汁になる。これを水(昆布だし)で煮だしてみそを溶く。白ねぎでもわけぎやニラ、白菜でも加えるといい。

メバチの和風ハンバーグ

和風ハンバーグ 尾の部分や中落ちについた身、また脂があるが筋の多い部分を集めて、細かくたたく。ねぎ(玉ねぎのみじん切りを炒めたものでも)、塩コショウ、溶いた小麦粉を加えてねる。これをハンバーグ状にしてソテーする。ハンバーグを取り出して、フライパンにみりん、しょうゆ、少量の砂糖、しょうがの搾り汁を加えてタレにする。

メバチのほおのステーキ

ほおのステーク ほお肉が手には入ったら、生でも食べられるが、ソテーするとおいしい。塩コショウして小麦粉をまぶしてソテー。ごま油でソテーすると韓国風になる。火が通ったら、取り出して置く。火を消してフライパンに酒、みりん、しょうゆ、砂糖などを入れてまた火をつける。これを少し煮つめてにんにく、しょうがなどのおろしたものを加えて、またマグロのほおを戻して絡める。

メバチの竜田揚げ

竜田揚げ 安い切り身やブツをしょうゆ、みりん、酒の地につけ込み。漬け地にはにんにくやしょうがをきかせておくといい。片栗粉をまぶして焦げないようにじくりと揚げる。筋の多い部分や生食できない加熱用のマグロを使ってもいい。またカレー風味やコショウを利かせてもおいしい。

メバチののしょうゆ飯

マグロのしょうゆ飯 静岡県や和歌山などで教わった「しょうゆ飯(炊き込みご飯)」を自宅で簡単にできるようにアレンジしたもの。切り落としの身は一度湯通しして、冷水に取る。こうすると炊飯しているときにアクが出ない。水分をよく取り、生じょうゆと少量の酒のなかに漬けておく。普通に水加減した米にマグロの身をつけ汁ごと入れて炊飯する。

メバチのホルモン煮込み

ホルモン煮込み マグロのホルモンとも言えそうな肝、胃袋、血合いなどをみそ仕立てで煮込んだもの。ホルモンは適宜に切り、軽く湯引きして氷水に落として付着している筋肉や汚れを取る。これをみそ、酒、砂糖、水の地でじっくりと軟らかくなるまで煮る。

メバチの胃袋の湯引き

胃袋の湯引き マグロの産地などに行くと売っているのが内臓だ。なかでも胃がもっとも使いやすい。いちばん簡単な料理は塩ゆでである。あまりゆですぎると固くなるので要注意。輪切りにして酢みそなどで食べると、シコシコとした食感が好ましく美味。