ゴマサバの刺身 神奈川県小田原魚市場 二宮定置水揚げのものを刺身にしたもの。ブランドサバは優れてはいるが、漁港での水揚げ時に吟味してていねいに処理したものは、すべて刺身になる。写真のものなど、高額なブランドサバ以上の味である。三枚に下ろして骨を抜き、皮を剥いて刺身状に切るだけだけど、包丁を入れる度に筋肉が反応する。しかも実にうま味が強い。味がダレない。名状しがたい味わいである。
ゴマサバの塩じめ 神奈川県小田原魚市場 二宮定置水揚げのものをすぐに三枚に下ろして、振り塩をして6時間寝かせたもの。表面に浮き出た水分をていねいに拭き取り、皮を剥き刺身に切った。6時間置くことで塩で締まり、しかもうま味が増した。味に奥行きが出た。柑橘類が合う。
ゴマサバのしめさば(〆さば) 水洗いして三枚に下ろして血合い骨を抜き、塩をして酢でしめたもの。ゴマサバの旬を見極めるのは難しく、季節季節に触ってみるしかないかも知れない。脂ののったゴマサバで作ると実にうまい。
ゴマサバのセビチェ 小さな個体でもいいし、刺身にできない端の部分を使ってもいい。できるだけ鮮度のいいものを三枚に下ろし腹骨をすき血合い骨を抜く。細かく切り、塩とライム(レモンなど柑橘類ならなんでも)、辛い唐辛子でしめる。玉ねぎやにんじん、ピーマンなどの野菜を使ってもいい。スピリッツにとても合う。
ゴマサバの焼き切り 「たたき」ともいう。三枚に下ろして血合い骨を抜き、皮目をあぶり切る。薬味にねぎ、大葉、みょうが、などの香辛野菜を使ってポン酢、もしくは柑橘を合わせたしょうゆをかける。好みでにんにくを添えてもうまい。
ゴマサバの塩焼き 旬の脂ののったものは塩焼きにして非常に美味だ。適宜に切り、振り塩をして1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げる。振り塩をしないで素焼きにしてしょうがじょうゆで食べてもうまい。
ゴマサバのみそ焼き(魚田) 小さなものは脂も少なく、うま味にも欠ける。このようなものは干ものか魚田がいい。三枚に下ろして血合い骨と腹骨を取る。素焼きにして7分通り火が通ったら合わせみそ(玉味噌でも。みそ・みりん・酒・少量の砂糖を合わせて練り上げたもの)を塗って焼き上げる。
ゴマサバの開き干し 脂はイマイチだけど身に張りがあるものを見つけて、開いて干ものにしてみた。ここでは開いて振り塩をしてビニール袋などにいれて1晩寝かす。表面の水分を拭き取り、一夜干しにしたもの。うま味が凝縮して非常にうまい。
ゴマサバのみそ煮 サバ類はみそとの相性が抜群にいい。適宜に切ったゴマサバを一度湯通し、冷水に取り、汚れやアクを洗い流す。これを酒、みりん、水のなかで煮ていく。7分通り煮上がったらみそをとき、煮上げる。これを半日ほど鍋止め。鍋止めは冷めるまででもいい。強く煮上げていないので軟らかく、酒の肴にもご飯のおかずにも向いている。
ゴマサバの煮つけ 脂がのったものは熱を通しても硬く締まらない。焼いても煮てもいい。ここでは大振りのものを二枚に下ろして適当に切り、しょうゆ・酒で煮上げた。臭い消しには八角を使ったが、しょうがでも焼きねぎなどもいい。身離れがよくご飯にとても合う。

ゴマサバのリエット

ゴマサバののリエット フランス料理の「リエット(Rillettes)」は肉や魚などを油でソテーしてつき砕きパテ状にしたものだ。魚の場合、このようにするとぱさつくので乳製品である牛乳や生クリームを使う。サバの身を下ゆでして小骨などを除き、玉ねぎのコンカッセとともに、たっぷりのオリーブオイルにニンニクの風味をつけたものでソテーしながらつぶす。ここに牛乳とバターを加えながら練り上げていく。これを保存してパンなどにつけて食べる。
ゆでる(ゴマサバのポシェ) 単にゆでるというのもよい。ゆで汁にハーブ類、ローリエ、白ワインなどを加えるとフレンチのポシェである。これを煮汁を煮つめてソースにして食べる。和風なら柑橘酢と醤油で食べる。マヨネーズなどを加えるなど用途が広い。サラダにしてもいい。ゆでたものを干すと簡単になまり節ができる。これを煮ものなどに使っても美味しい。
ゴマサバのフライ 三枚に下ろして薄皮を剥き取り、血合い骨を抜いて塩コショウして30分以上置く。小麦粉をまぶして溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて揚げる。写真は生パン粉を使ったが、細かい乾燥パン粉を使ってかりっと揚げてもうまい。
ゴマサバの唐揚げ 水洗いして適宜に切り、カレー粉、コショウ、塩をして片栗粉をまぶして揚げたもの。カレーやスパイス類を使ってもうま味豊かで、香ばしい。単に唐揚げにしてもいいし、竜田揚げにしてもおいしい。
ゴマサバの南蛮漬け 酢は市販の三杯酢やポン酢でもいい。ここでは酢・煮きりみりん・しょうゆ・少量の出しを合わせた。香りのある野菜、玉ねぎやにんじん、ピーマンを切っておく。ゴマサバは小さなものを三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。水分をよくきり、片栗粉をまぶしてかりっと香ばしく揚げる。揚げたてを漬け酢と野菜を合わせたものと一緒に和える。二三日食べられ、しかもとてもうまい。
焼き鯖の炊き込みご飯 小型のものを水洗いして、水分をよく拭き取る。振り塩をしても、そのままでもいいが、こんがりと焼き上げる。これをほぐして、炊飯したもの。ここでは薄口しょうゆと塩、酒、しょうがで味つけ。春だったのでコシアブラをゆでたものを、炊き上がりに混ぜ込んだ。夏ならみょうがや、ニガウリなどもいい。