春の小田原、ゴマサバ子の干ものはかたかたに
うま味が凝縮されて、かたかたで、噛みしめ食べて

今、都内でもっとも手に入りにくいのが小魚の干ものである。あるとすればウルメイワシとカタクチイワシくらい。
ボクの故郷、徳島県などでは海辺の町で様々な干ものが手に入ったもので、それが懐かしいのもあって、小魚の干ものを積極的に作っている。
過去のデータをみると、時期はずれるけれど、ゴマサバの子はなんども干ものにしている。
我が家の干ものは非常に塩分濃度が低く、硬く干しても塩気が少ないので、もの足りないという人がいる。
ただ硬く干してあるので水分量が少なく、その分うま味が凝縮している。
あぶったものを噛みしめながら食べると、後から後から味が波のように押し寄せてくる。
お茶と一緒に食べても止められず、ビールと一緒に食べても止められない。
今回はゴマサバの子のうまさを再度痛感した、そんな初夏のような5月の初旬だった。
このサイズのゴマサバは直接人の口に入らない

5月9日の神奈川県小田原魚市場は魚であふれていた。選別の簡単な魚もいれば時間のかかる魚もいる。
二宮定置の、選別の重荷となっている小魚は3種類。
ゴマサバ・ムツの子供達、カタクチイワシだ。
いちばん多かったのが小さなゴマサバで唐揚げにし、干ものにし煮干しにした。