2021-12-04 掲載
郷土料理 三重県熊野地方、魚のじふ
三重県熊野地方で作られている魚のすき焼き

三重県熊野地方で作られている魚のすき焼きで、魚はなんでもいいという。味も魚以外の具も家々で違っている。
今回は尾鷲市での聞取をもとにする。
比較的使われる頻度の高い魚は、マサバ、ゴマサバ、サンマ、マンボウ、ブダイ、マダイ、ブリ、サワラなど。
「じふ」という音が不思議だ。「じ」と言えば、金沢の「じぶ煮」、兵庫県但馬地方の「じゃう」がある。要するに「じぶじぶ」ではなく「じふじふ」煮て食べるという意味かも知れない。
このような地域性の高い言語はなんとしてでも残して置きたい。尾鷲で「魚すき」ならぬ、「魚じふ」を食べたい。
写真は「さばのじふ」。材料はマサバ、白菜などの野菜、汁は酒・砂糖・醤油・水。焼き豆腐、糸こんにゃくなどがあるとより美味。
同様のものが大阪では「魚すき」、島根では「へかやき」、「煮食い」という。魚貝類のすき焼きは地域での呼び名を大切にして頂きたい。
協力/岩田昭人さん(三重県尾鷲市)