焼き漬け 新潟県。サバを焼いてしょうゆ味のタレに漬け込む。
さばへしこのおにぎり あぶったさばの「へしこ」をご飯に混ぜ込んでお握りにしたもの。[福井県三方上中郡若狭町]
ひっぱりうどん 山形県内陸部。ゆで鍋から直にうどんを「ひっぱり」、納豆、サバ缶を合わせたものをからめて食べる。薬味やネギ、唐辛子。鰹節、卵なども加える。
炊きこみ 「秋にさばやはまちがたくさんとれたときに作る」。「さば」は三枚に下ろして小骨を取り、生じょうゆ(今回はしょうがの搾り汁を入れた)に20分(1時間くらい漬けた方が生臭みはとれる)くらい漬け込む。ご飯が炊けたら蒸らしの途中で漬け込んだ「さば」を入れて混ぜ、ふたをしないでまた蒸らす。切身が炊きたてのご飯のなかで蒸らされる香りがとてもよく、さっぱりしていていくらでも腹に収まる。ねぎやみょうがなど薬味を添えるとより味わい深い。[『聞き書 徳島の食事』 阿南市]

さば飯

さば飯 三重県宮川村(現大台町)。「やき」と呼ばれる紀伊長島の蒸して焼いたサバの醤油味の炊き込みご飯。大根の千切りとともに炊く。『三重県の食生活と食文化』(大川吉崇 調理栄養教育公社 2008)
さばのぬかみそ炊き(じんだ煮) 福岡県北九州市小倉周辺。マサバの切り身を糠味噌(ぬかみそ)、しょうゆ、砂糖、みりんで煮たもの。マイワシでも作る。

焼き鯖煮つけ

焼き鯖煮つけ 焼き鯖と葉タマネギを甘辛く煮たもの。調味料の甘味としょうゆのうま味、サバの持ち味に玉ねぎの甘味が加わりまことに美味。[鳥取県東部]

焼きさば素麺

焼きさば素麺 漁港(福井県敦賀・若狭地方)付近に上がったマサバを浜で焼き、これを山間部に運んできていた(売りに来ていた)これを煮つけにして、その煮汁にゆでた素麺を絡めたもの。煮た焼きサバとともに食す。[滋賀県湖北地方長浜、余呉、高島市朽木]

焼きさば煮つけ

焼きさば煮つけ 塩をしないで焼いた丸のままのサバを適宜に切り、甘辛く煮たもの。岩手県山間部など。「焼きさば」は青森県産。

すぶて

すぶて 〈「すぶて」だが、中略 分かりやすく言えば「締め鯖」、「締め鰺」の類に似ている。鰺や鯖を幅5ミリか7ミリに薄く切って、酢に漬ける。これを半日か一日そのままにしておくと出来上がり。しょうがの刻んだものを同時に入れておく。中略 この言葉が、ごく狭い範囲の名古屋のものであることが判明。「すぶて」は「酢をぶつ(打つ)」ところから来ていると思われる〉『なごや飲食夜話』(安田文吉 中日新聞社 2011)

ごまさば

福岡市の「茶漬」・「ごまさば」 近年「ごまさば」と喧伝されているが、福岡県北部で見る限り、「茶漬」と呼ばれることの方が多い。ごまとしょうゆ、砂糖、みりんなどで漬けだれを作り、新鮮なサバの切り身を漬け込んだもの。これをそのままご飯のおかずにしてもいいし、お茶漬けにしてもいい。福岡県各地でマアジなど新鮮な魚を使った「茶漬け」という料理があり、これはそのサバ版といったものだろう。[福岡県福岡市・北九州市・苅田町・築上町]
さばこの煮つけ 宍喰では定置網で揚がる小鯖を煮つけにする。頭部を落として水洗いする。鍋で湯を沸かし、しょうゆで味つけする。ややしょうゆがちな味つけにして、小サバとしょうがを入れて煮る。甘味のない煮つけだが、ほんのり舌に甘く感じるのはうま味が豊かなためだと思う。[徳島県海部郡海陽町宍喰]

さばの船場汁

さばの船場汁 大阪の商業地、船場(特に道修町)で作られたものとされる。無塩もの(鮮魚)も使ったようだが、身を焼いて食べた後の塩さばの粗(あら)と大根で作った汁。塩さばの塩分と旨みで大根を煮て作る簡素な食べ物ながら、現在作っても非常に美味。[大阪府大阪市]

さばの船場煮

さばの船場煮 船場汁と同じ材料。塩さば、もしくはサバの切り身と大根を汁気少なく煮たもの。[大阪府大阪市]

焼きさば飯

焼きさば飯(さば焼き飯) 浜で焼いたサバが山間部に送られてくる。これをご飯に炊き込んだもの。「焼きさば」をほぐして、にんじん、ごぼうを加え、砂糖、しょうゆで味つけして炊く。南丹市美山でも同様のものを購入している。丹波平野、丹波山間地などで広く作られていたものかも知れない。『聞き書 京都の食事』

さばごはん

さばごはん 焼いた塩サバをしょうゆ味で炊き込んだもの。炊きあがったら刻んだわけぎを混ぜ込む。[奈良県吉野町 『聞き書 奈良の食事』(農文協)]

鯖の色つけ

さばのいろつけ(鯖の色つけ) 夏に作る料理で家庭だけではなく魚屋さんなどでも作って売っていたものだという。2切れか3切れの鯖の切り身を串に刺し、素焼きにする。これにしょうゆと砂糖を合わ水溶き片栗粉でとろみをつけたタレを塗りつけたもの。非常に単純な料理ではあるが、とても味わい深い。また余談になるが『飲食事典』(山本荻舟 平凡社 1958)に「いろつけ」はないが「いろつけやき(色附焼)」というのが出てくる。しょうゆにみりんもしくは酒を加えて魚肉、マツタケ、ナガイモなどにつけて薄味のつけ焼きにするものとある。注/ゴマサバも同様に「サバ」として同料理に使われていたと思われる。[富山県南砺市城端]

なすとサバ缶の炒めもの

サバ缶詰料理
なすとサバ缶の炒めもの ナスとさばの缶詰を油でいためてしょうゆ、酒で味つけしたもの。[ベニバーズいしづか 山形県酒田市地見興野]

サバ水煮缶と白菜煮

サバ缶詰料理
サバ水煮缶と白菜煮 サバの水煮缶と白菜、大根などと醤油で煮る。[滋賀県長浜市木之本、下余呉]

地獄うどん

サバ缶詰料理
地獄うどん 岐阜県徳山村。大鍋に水を張り、沸騰してきたら煮干しと唐辛子を入れて、うどんをゆでる。このうどんを、サバ缶とネギ、ゆで汁、醤油で食べる。

竹の子汁

サバ缶詰料理
竹の子汁(筍汁) 晩春から初夏にかけてとれる「根曲がり竹(チシマザサ)」の竹の子とサバの水煮缶詰を使ったみそ汁。だしで竹の子、野菜(玉ねぎ、じゃがいも、にんじんなど)を煮てみそを溶く、サバの缶詰を加えて少し煮て出来上がり。サバの脂のうま味と爽やかな竹の子の甘味、食感で最上級の味になる。