2m SL 前後になる。口はやや大きく鋭い歯がある。紡錘形で背鰭から吻までは直線的。側線は1本で、側線部分をのぞくと無鱗。第1背鰭と第2背鰭は接近し、第1背鰭は低く先端で急激に高くならない。[鹿児島県]
イソマグロの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科ハガツオ族イソマグロ属外国名
学名
Gymnosarda unicolor (Rüppell, 1838)漢字・学名由来
漢字/磯鮪 Isomaguro
由来・語源/サバ科ではあるが、マグロ属ではないのでマグロではない。標準和名は伊豆諸島や小笠原での呼び名で、比較的浅い磯周りに多いマグロの意味。
古くはハガツオとともにサワラ科とされていた。頭部の形、筋肉の色合いなどもサワラ、ハガツオに近いことからもマグロ類との縁は薄い。Rüppell
Wilhelm Peter Eduard Simon Rüppell (エドゥアルド・リュッペル 1794-1884)。ドイツ。博物学者。地方名・市場名
生息域
海水魚。沿岸の表層性。サンゴ礁や岩礁域などで数匹で回遊。
希/佐渡
長崎県野母崎、相模湾[神奈川県真鶴町福浦]から屋久島の太平洋沿岸、琉球列島、小笠原諸島。
インド-西太平洋の熱帯・亜熱帯域。生態
ー基本情報
浅場にいる大型のサバ科の魚である。2m以上になりマグロに似た体型で、マグロとつくがマグロとは縁もゆかりもない。
インド・太平洋域に広い生息域を持つが、国内で漁獲をみるのは伊豆諸島、小笠原、鹿児島県諸島部、沖縄県などだ。
本州などでは馴染みのない魚だが、沖縄県などではキハダマグロと同様、刺身で食べる。
筋肉はあまり赤くなく、サワラやハガツオに似た色合いである。当然、マグロ類のような酸味はほとんどない。
とても味がいい魚で産地などでは人気が高い。水産基本情報
市場での評価/関東の市場にはめったに入荷を見ない。
漁法/釣り
産地/鹿児島県、沖縄県。選び方
鰓の赤いもの。身に張りのあるもの。味わい
旬は寒い時季ではないかと思う。
鱗は一部だけにある。皮はやや強く熱に弱い。骨はあまり硬くはない。
サワラに近い赤みの弱い色合いで、タンパク質よりも筋繊維や水分が多いようで熱を通しても硬く締まらない。熱を通したときの水分の保有率も高い。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
イソマグロの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、あぶり、ポケ、カルパッチョ、なめろう、づけ)、焼く(塩焼き、みそ漬け)、煮る(煮つけ)、揚げる(フライ、唐揚げ)、ソテー(ムニエル、さんが焼き)、汁(みそ汁、潮汁)イソマグロの刺身(造) やはり大型がおいしい。三枚に下ろして血合い部分と腹骨を取る。腹の部分の方が脂があり、背の部分はあっさりした味わいである。キハダマグロのような味だが、酸味は少なく、まったりした味わいである。非常においしいと思う。クリックで閉じます
イソマグロの砂ずり刺身 腹鰭の後ろから肛門にかけての細長い部分には脂が多い。この 部分だけを刺身にしたもの。脂が多く口溶け感を感じるとともに甘味が感じられる。食感が強く、噛むたびにうま味が染み出してくる。クリックで閉じますイソマグロのたたき(焼霜造) 腹身の部分は皮が薄い。この皮目をあぶって氷水に落として水分をよく切る。皮が落ち着いたら刺身状に切る。皮周辺が香り高く非常に味わい深い。この部分だけで満足度が高く、酸味の薄い身に甘味を感じる。クリックで閉じますイソマグロのカルパッチョ 背の部分を使って作る。皿にニンニクをなすりつける。すりおろしたニンニクの場合はオリーブオイルと混ぜて伸ばす。塩コショウした上にできるだけ薄く切った身を並べて行き、並べ終わったら上から軽く馴染ませるようにたたく。上からも塩コショウして好みの野菜などを散らし、オリーブオイルをかける。クリックで閉じますイソマグロのポケ ポキとも。ハワイの料理だが、太平洋の島々で広く作られている。細かく切り、好みの野菜、ネギと合わせてごま油と醤油で味つけする。和でもない韓国風でもない不思議な味だが、実に味わい深い。ご飯にも合う。クリックで閉じますイソマグロのづけ あまった刺身などは漬けにするといい。刺身状に切り、醤油・みりん・ショウガの地につけ込む。ゴマを入れたり、ショウガでは無くわさびにしてもいい。辛い唐辛子なども合う。1時間から一日漬け込んで食べる。そのまま食べてもいいし、ご飯に乗せてもいい。お茶漬けにしてもおいしい。クリックで閉じますイソマグロのなめろう 中骨に残った身や刺身にしたときに余った部分を集めて置く。細かく切り、みそ・ねぎ・ショウガの搾り汁と一緒によく切れる包丁でたたく。魚のうま味と薬味、みその味が一緒になり、あっさりとした中にうま味豊かだ。酒の肴としては最上級である。クリックで閉じますイソマグロの塩焼き 頭部の構造はマグロとはまったく違っている。骨が薄くて硬いマグロとは違い、それほど硬くなく溶くの方の周りなど柔らかいくらいだ。要するにマグロ類よりも兜焼きにしておいしいということだ。兜を梨子割りにして振り塩をする1時間以上寝かせて焼き上げる。非常においしい。クリックで閉じますイソマグロの幽庵焼き 幽庵(祐庵)地に漬け込み焼くので幽庵焼きである。切り身にして軽く振り塩をする。表面に水分がでてきたらていねいに拭き取る。これを酒・みりん・醤油を同割りした地につけ込む。今回はすだちで風味づけしたが、山椒、ユズなどお好みで。硬く締まらず、非常においしい。クリックで閉じますイソマグロの西京漬け(みそ漬け) 白みそ(西京みそ)に漬け込んだもの。三枚に下ろして切り身にする。切り身に振り塩をして少し置き、表面に出て来た水分を拭き取る。これを白のあらみそ(すっていないもの)、みりんを合わせた中に漬け込む。1日以上つけて焼き上げる。みその香ばしさと、ほどよく締まった身で非常に美味。クリックで閉じますイソマグロの煮つけ かまと腹身の一部を煮つけに。かまなどは湯通しして氷水に落として表面のぬめりや残った鱗などを流す。水分をよくきり酒・醤油・水を煮立たせた中で煮上げる。みりん、砂糖で甘味をつけてもいい。とても身離れがよく、身自体に甘味がありとてもおいしい。煮汁なども味がいいので、終いには骨湯を。クリックで閉じますイソマグロのフライ 背の部分を使ってフライを作る。背の部分は適当に切り、塩コショウする。小麦粉をまぶし、衣(卵・小麦粉・水)をからめてパン粉をつけて高温で短時間揚げる。揚げたては中心部が生の状態が好ましい。揚げても硬く身が締まらず、エキス分が豊かで実にうまい。ご飯に合う。クリックで閉じますイソマグロの唐揚げ かまの部分を唐揚げにした。かまの部分を適当に切り、水分をよくきる。片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにする。マグロ類よりも骨が柔らかいので、揚げると骨まで食べられ、身は鶏肉のように締まりとても味わい深い。クリックで閉じますイソマグロのムニエル 切り身に塩コショウして小麦粉をまぶして多めの油で香ばしくソテーする。仕上げにバター(マーガリン)で風味づけする。どちらかというとサワラに近い身質なのでソテーしても硬く締まらず豊潤。非常に味わい深い。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/タカスイ(http://www.takasui.co.jp/) 伊東正英さん(鹿児島県南さつま市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)