春の小田原、ゴマサバ子の唐揚げはNo.1の味
唐揚げ王座決定戦などがあったら優勝間違いなし

ムツの子、カタクチイワシ、そしてゴマサバの子を食べ比べる前に、順位を想像してみた。
1位・ムツの子、2位・カタクチイワシ、3位・ゴマサバの子だと考えた。
ムツ子などさくさくしておいしそうだし、カタクチイワシには味があるだろう? ゴマサバの子に何があるんだろう? が想像できなかった。
まさか唐揚げ選手権でダントツ1位がゴマサバの子だとは思わなかった。
かじりついたときはちょっとだけサクサクした食感で、平凡だったけど、後から味の大波が来たのである。
なんだろう? この味のピークは。
口に入れてサクサクした後に来る味。
内臓は取ってあるので、体幹部分の中心に、その味があるように思える。
ゴマサバは「さば節」の原材料であり、だしを取ると、味の通奏低音的な役割になるが、「めじか節(マルソウダ)」のような個性がない。
それなのに唐揚げにしてとんがったうま味があるのである。
何年魚を食べていても発見がある、のは当たり前だけど、今回の場合は大きくてウレシイ誤算である。
ダンベに放り込まれるには惜しい味だ

5月9日の神奈川県小田原魚市場は魚であふれていた。選別の簡単な魚もいれば時間のかかる魚もいる。
二宮定置の、選別の重荷となっている小魚は3種類。
ゴマサバ・ムツの子供達、カタクチイワシだ。
カタクチイワシは大小あって、計量のために持ち帰った。
もちろん唐揚げと丸干しを作る。
唐揚げはすぐに鰓と内臓を取り去り、紙に包んで保存した。
ちなみに小魚の内臓取りは非常に簡単、鰓ごと引っ張り取るだけである。
揚げる30分くらい前に片栗粉をまぶして置く。
これを最初はじっくり、二度目は中温で揚げる。
唐揚げは油が劣化するのでやらない人が多いが、まるごと1尾の魚がサクサク食べられる料理なのでおすすめである。
二宮定置のみなさんに感謝。