顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科サバ属
★★★ 知っていたら通人級
学名 | Scomber australasicus Cuvier |
外国名 | 英名/Southern mackerel, Spotted mackerel,Japnese club-mackerel |
同科同属 | 他のサバ科の魚へはここから! |
漢字・由来 | 漢字/胡麻鯖 由来/「ゴマサバ」は和歌山県での呼び名。全身をごま(胡麻)を散らしたような模様がある。 |
地方名・市場名 |
文様から「コモンサバ(小紋鯖)」、「ホシサバ(星鯖)」、「ホシグロ(星黒)」。 |
形態 | 体長50センチ前後になる。紡錘形で細長い。断面は円に近い。体側中央から下にかけて胡麻状(丸い)の文様が散らばる。 |
生息域 | 海水魚、北海道南部以南。西南、東部太平洋。 沿岸の表層を群れている。 |
生態 | マサバよりも沖合にいて、より暖かい海水温を好む。 遊泳する水深もマサバよりも浅い。 産卵期は12月より翌月6月まで。3、4月に最盛期を迎える。 ゴマサバはマサバよりも成長は早いが寿命は短い。 寿命は6年ほど。 |
基本情報 | 鮮魚としても加工品原料としても重要なもの。 特にそばの「かけつゆ」などに使われる、さば節は本種が原料。 カツオ節にはない旨みがあって、人気がある。 鮮魚では安いサバとしてスーパーなどによく並んでいる。 また「清水さば」、「屋久さば」などのブランドゴマサバがある。 |
水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★★ 重要種 市場での評価 /鮮魚として、また活け締め(首折れサバ)として入荷してくる。近年入荷の増えてきている魚。値段は安い。晩夏、秋から冬、春までが旬だとされる。ただし夏にも味は落ちない。値段は鮮魚は安く、首折れなど締めたものは高い。 漁法/巻き網、釣り 産地/三重県、宮城県など |
雑学 | |
選び方 | 身に丸みがあり、触って硬く、それでいて表面にぬめり感のあるもの。鰓が鮮紅色で、見た目がきれいであること。目が澄んでいるもの。 |
味わい・栄養 | 一年中出回っているが旬は冬。 この寒い時期がいちばんうまいと思う。 12月後半から1月中には小振りのものでも脂がのっている。 また盛夏から市場ではいいものが見つかり、年間を通してあまり味が落ちない。 ただしマサバよりも全般に脂は少ない。 |
切り身図鑑 | |
調理法 | 刺身(セビッチェ、酢じめ、柑橘じめ)、たたき(焼き切り)、唐揚げ(竜田揚げ)、フライ、煮つけ(みそ煮、しょう油仕立て)、塩焼き、ゆで干し(なまり) |
食べ方 | 脂ののった時期で活け締めで鮮度がよければ刺身、酢じめにして美味。 高知県土佐清水市の名産「清水さば」。総て釣りでとったもので、しっかし締めている。身に強い弾力があり、しかも脂がのっている。濃厚な旨みもあって美味極まりない。 脂がないときは皮目を焼いてたたきにする。 三枚に卸して皮めを焼いてポン酢などをかけて薬味とともに手でたたく。 これがうまい。 ゴマサバがもつ血液の臭いを消して皮めの旨味を十全に引き出す。 スーパーでもしばしば見かけるゴマサバのフィレなどをおかずにするなら、竜田揚げなどは最適だ。 フライにしても普段の食事のニーズにかなう。 ゴマサバの定番料理のひとつが竜田揚げ。醤油やみりん、酒などを合わせたタレに漬け込んで片栗粉をつけてあげたもの。ご飯におかずにも最適なもの。ゴマサバのフィレはスーパーなどにもお馴染みである上に、安いのでこのような家庭料理に大いに活用したい。 塩焼きに開いても美味。 煮つけなども非常にうまい。 ゴマサバのみそ煮。これは持ち帰りのお弁当に入っていたもの。クセがなく濃厚な旨みがある。身にほどよく繊維があり、身離れがいいので、ご飯のおかずに最適。 ゆでて、軽く干したら簡単になまり節になる。 これをほぐしてマヨネーズに和える。 酢の物にしても美味。 これを煮物などに利用すると、これもうまい。 ■すしネタとしては寿司図鑑へ! |
好んで食べる地域 | 清水さば/高知県土佐清水沖合での釣りものをいう。一尾一尾しめてあって見事なもの。秋から春にかけてとれる。 屋久さば/鹿児島県屋久島周辺でとれるもの。 |
加工品・名産品 | サバ節/千葉県外房、静岡県沼津市、静岡県焼津市、鹿児島県屋久島などで作られる。そば汁などに使われるもの。 |
釣り | アジのサビキ釣り、コマセシャクリなどの代表的なターゲット。 冬期にはマアジのコマセ釣りなどにもくる。 |
参考文献 | 協力/マエカワテイスト株式会社 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) |