釣れてうれしい小ゴマサバで祐庵焼き

エサを食って食って


さて相模湾ではイナダとかイサキ釣りとか、初心者でも楽しめる釣り物が多い時季である。ボクと魚の話などしたこともない、たぶんボクの本業を知らないに違いないという人の息子さんから、初釣果をいただいた。「魚の食べ方を教えて欲しい」って聞かれて、なんだボクの商売を知っていてくれたんだとわかってビックリ。
といってもそんなにたくさん釣れたわけでもないようなので、いちばんたくさんクーラーに入っていた、ゴマちゃんを2尾だけもらい、大量に釣れているゴマサバ、イナダ、アジ(マアジ)、小イサキの保存方法とかいろいろアドバイスしてきた。
ちなみに釣り初心者は釣れたら釣れたままなので、釣り当日でもゴマサバは生で食べるのは難しい。大名下ろしを教えて、イナダの煮つけ、マアジのなめろう、イサキの刺身を作り、幽庵焼きの仕込みを一緒にやって来た。

祐庵焼きは1・1・1


我が家でも祐庵焼きを作る。幽庵焼きとも、柚庵焼きともいうが、正解はない気がする。発祥は琵琶湖の堅田で、もともとは淡水魚のフナなどの調理方だ。元禄期を生きた北村祐庵(幽庵)が考えた料理だとされるが、松花堂昭乗の松花堂弁当と同じくらい曖昧な言語だと思う。
ちなみ当時、醤油やみりんは非常に高かったし、柑橘類との関わりをかんがみると江戸時代後期文化文政期以後に生まれた料理だと思っている。

漬け込んだものは冷凍保存できる


さて、たった2尾の熱海沖だという小ゴマサバの身には張りがある。
大名おろしにして水分をよくきる。ここで基本的には振り塩をするのだけど、脂がないのでこの工程ははぶく。
醤油・みりん・酒を同量合わせて、青柚子を加えた漬け地につけ込む。

祐庵焼きは簡単に作れてしかもうまい


1日寝かせて、じっくり焦がさないように焼き上げる。
脂のない小ゴマサバなので期待しないで食べたら、予想を大いに外れてやたらにうまい。
なんとなく同じ物を同じ日に幸せな家族が楽しんでいると思うと、たった独りのボクまで楽しくなる。
北海道で買った「北の勝」を飲み過ぎて、しばしダウンする。


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