千葉県久留里でカツオ八犬伝

地元系スーパーが消えて行く中、とても貴重だ


千葉県君津市久留里は実に景色(全体に)のいい町だと思っている。1980年前後、都内から千葉県鴨川市に抜ける道にあって、山また山の中にぽつんと城下町のあるといった感じがよかった。未舗装の区間もあったこの道でほっとできる空間でもあったと思う。面白いもので同じように市川市・千葉市など(下総)から勝浦市(上総)に抜ける途中にある大多喜に似ている。
久留里がいい景色なのに魅力がない原因は国道410号線が町を南北に走っていることで、この町の観光地としての発展を阻害していたと考えている。
曲亭馬琴(滝澤馬琴)の『南総里見八犬伝』は江戸時代以来のベストセラーであり、その主軸になる里見氏と深い繋がりのある久留里と考えると、今からでも遅くないので八犬伝の何かを作ってみてはいかがだろう。
さて、この町にボクの好きなスーパーがある。近年、年々地スーパーが消えて行く。久留里から小櫃にかけては大型スーパーがなかった。そこにあったのが吉田屋で、ボクはここで数々の発見をしている。ボクの発見伝多しのスーパーである。
今回は土を思わせるものではなく、千葉県ならではのもの、勝浦のカツオが売られていた。
カツオ船の帰港地の条件は、風呂、遊郭、宿、酒だそうで、勝浦市にはその総がある。千葉県のカツオ船といえば勝浦である。
久留里は勝浦から車でひとっ走りなので、売り場のカツオがぴっかぴっかに輝いていた。

便利な冊をいい加減に切り、ついてきたしょうがで済ませる


今回の千葉旅の目的は千葉県立中央博物館で系統分類や、困ったときの駒井さんに会うことや、遺伝子の話を聞くことだった。あまりにも面白かった祭の後に待っていたのが、いつもながらに激渋滞の首都高だった。
疲れて帰宅し、ダウンして、夜になって、吉田屋で買ったカツオの冊を乱雑、以上に雑に切る。
しょうがもついてきたヤツ、だ。

おいしいカツオにちょっといいビールがいいのだ


合わせたのは九十九里の米のビール。
このちょっといいビールにカツオの酸味、戻りガツオのような脂ののりがとてもいい。
スーパーの冊買いほど楽なことはな。遠出の後にこれ以上のものはなし、だ。
やっと復活したボクは勝浦・とれたて・カツオ、の文字を頭に浮かべながら4分の1尾買って来るべきだったかも、と後悔した。


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