三重のケンケン、カツオで血合いなめろう
血合いのうまさを堪能出来るところがいい

みそと魚などの身を香辛野菜とたたく料理を「みそたたき」、千葉県を始め徳島県などで「なめろう」という。
今回の血合いで作るものをメモでさかのぼって調べると、不思議なことにあまり「なめろう」を作らない、千葉県勝浦市で教わったことになっている。
ということで、今回は千葉県の言語「なめろう」とする。
ケンケンガツオは鮮度がいいので、血合いに臭味がない。
むしろ豊かなうま味がある。
みそ多めで、青唐辛子のピリっがあり、にんにくやしょうがの風味がある。
ときどき酢(福井県小浜市『とば屋酢』の壺之酢)をかけて、食べ始めると止まらない。
これじゃ、さんが焼きにする分が足りなくなるので、半分保存する。
酒は新潟県妙高市、「鮎正宗」である。
本醸造の飾り気のない味にso much 合う。
久しぶりにアメリカ人と話したので(もちろん通訳ありで)、ついつい英語が出る出る。
ちなみに刺身も作ったが、刺身をつまみながら、ときどき「なめろう」が成り立つのは味がまったく違うからだ。
このみそとたたくというのは、だれが考えたのだろう、ボクならノーベル賞をあげたいな。
ケンケンでとったカツオは鮮度抜群

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に三重県からケンケンカツオがきていた。体長53cm・2.9kgなので半身買いする。
ケンケンとは疑似餌を船で引っ張りながらカツオや小型のマグロ類を釣る漁法で、紀州、三重県東部と和歌山県南部での漁法でである。
語源・由来には、いろんな説があるが、疑似餌が海面から飛び出す様をケンケンということからだろう。
ボクの生まれた徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)では、川に平たい小石を投げて、水面をきっていく遊びをケンケンといい、片足で跳ぶのもケンケンといった。
きっと紀州にも漁法の他に、ケンケンという遊び、言葉があったはずである。
少々高いがケンケンガツオは鮮度抜群である。
鮮度がいいので、血合いで「なめろう」を作る。
血合いを骨のまま細かく切り、ねぎ、虎の尾(三重県尾鷲市の辛い青唐辛子)、しょうが、にんにく、わさび菜、新潟県妙高市、太田醸造のみそを加えて叩く。
酢をかけながら食べる。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。