小田原魚市場、オアカムロの刺身と丼と柑橘じめ
今やめったに手に入らないオアカムロ

小田原魚市場をひとまわりして、初めて気がつくこともある。
そうだ、秋はオアカムロだ、というのもそのひとつだ。
見渡した限りでは、ボクにちょうどいいクチもの(いろんな魚がばらばらに入っているもの)や2、3尾の箱がない。
せっかく旬を迎えているのに、全体を見渡しても2箱しかない。
最近、オアカムロは引く手あまたの人気、なので決して安くはない。
そこに小田原のすし屋、『海攻』さんが来て、オアカムロ談義になる。
諦めて、別の魚に決めたとき、『海攻』さんが1尾だけ恵んでくれた。
ありがたや、である。
渋滞もなく帰り着いたのが、10時過ぎ。
魚の処理は仮眠後にして、オアカムロだけ下ろして刺身を数切れだけ。
ムロアジ属なので豊かなうま味がある。
上品で淡麗というのとは真逆の野性味溢れるうまさだ。
口の中で暴れると言ってもいい。
しかも脂が皮下に層を作っていて、口溶け感から甘さを感じる。
仮眠前に杯1ぱいだけの新潟市西区内野町「鶴の友 別撰」をなめる。
最近、これくらいでも鎮静効果がのぞめる。
土佐のちょっと甘口の醤油がオアカムロに合う

湯を沸かして体を温めて、睡眠3時間で復活。
魚をすべて撮影して下ろし終わったのが4時半である。
片身半分をちょんちょんと切り、しょうがと醤油をからめてご飯に乗せる。
酢みかんの会でいただいた高知県宿毛産の直七を、ご飯に絞り込んでいる。
魚の刺身をご飯に合わせるときには甘い醤油がいいのだけれど、いわゆる刺身醤油はあまり好きではない。
高知県宿毛市、「フンドウカネカ醤油 こいくち」の甘さがオアカムロに合う。
塩と酢みかんでさっぱりさらりとオアカムロ

夜、「鶴の友 別撰」を盃で2、3杯やるときにもオアカムロ、だ。
刺身に切り、塩で和える。
そこに、これまた、「酢みかんの会」でいただいた、高知市鏡上田さんの実生のゆずの皮をすり下ろし、にんにくを添える。
食べる直前にゆずを搾って、つまむ。
朝、逢魔が時、夜とオアカムロ、オアカムロの日だった。