オオズワイガニ

Scientific Name / Chionoecetes bairdi Rathbun,1924

オオズワイガニの形態写真

雄で甲長139mm、甲幅152mm。雌で甲長92.8mm、甲幅100mmほどになる。ロシア産の大型の裏面は黄色みが強く、国産の小型の雄は赤身が強いようだ。[ロシア産雄]
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雄で甲長139mm、甲幅152mm。雌で甲長92.8mm、甲幅100mmほどになる。ロシア産の大型の裏面は黄色みが強く、国産の小型の雄は赤身が強いようだ。[ロシア産雄]雄で甲長139mm、甲幅152mm。雌で甲長92.8mm、甲幅100mmほどになる。ロシア産の大型の裏面は黄色みが強く、国産の小型の雄は赤身が強いようだ。[噴火湾産雄]雄で甲長139mm、甲幅152mm。雌で甲長92.8mm、甲幅100mmほどになる。ロシア産の大型の裏面は黄色みが強く、国産の小型の雄は赤身が強いようだ。[雌]ロシア産の大型の裏面は黄色みが強く、国産の小型の雄は赤身が強いようだ。口上板の下縁はM字型。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目短尾下目ケセンガニ科ズワイガニ属

    外国名

    Snow crab
    言語英名 

    学名

    Chionoecetes bairdi Rathbun,1924

    漢字・学名由来

    漢字 大頭矮蟹 Oozuwaigani
    由来・語源 ズワイガニの仲間で大型になるため。
    ズワイガニはいくつか語源説があり
    ■ 頭(甲羅の部分)が足に対して小さいため。
    ■ 「ず」は頭(かしら)のことで、もっとも偉い、もしくは先頭という意味になり、「カニの頭」すなわち「カニの王様」のこと。
    Rathbun
    Mary Jane Rathbun(メアリー・ジェーン・ラスバン 1860年〜1943年)はアメリカ合衆国の甲殻類学者。国内周辺にいるズワイガニ類など多くを記載している。スミソニアン博物館などで研究。

    地方名・市場名

    バルダイ
    場所国内での冷凍流通の表示 

    生息域

    海水生。水深16〜500m(主に水深200-500m)の砂泥地。水深260-300mより浅場に雌が、より深場に雄が生息する。
    北海道噴火湾(内浦湾)、北見沖。ベーリング海、アリューシャン列島、アラスカ半島、ブリティッシュコロンビア沿岸。

    生態

    基本情報

    国内で消費されるズワイガニ類(代表的なものは日本海などでとれるズワイガニ)はズワイガニ、ベニズワイガニ、オオズワイガニの3種類。
    オオズワイガニは1983年頃から噴火湾から苫小牧にかけて漁獲され始めた。これが1986年には急増する。ただし好不漁の波があるようで安定的には入荷してこない。
    国内の北海道噴火湾から釧路沖、噴火湾などでの水揚げもあるが、ロシアなどからの輸入ものを見かける機会が多い。ズワイガニと比べると入荷量が少なく、見た目からズワイガニとまったく区別されないで取引されている。ズワイガニ同様に雌ガニも流通する。
    大型になり、とても味のいいカニである。とくどきズワイガニと比べて劣るなどという人がいるが、味では決してひけを取らないと思っている。
    珍魚度 流通は安定しない。探さないと手に入らない。

    水産基本情報

    市場での評価 ズワイガニとして流通している。入荷量はズワイよりも少ない。価格は輸入もの、北海道ものもほとんど同じ。日本海などのズワイガニと比べると安い。
    漁法
    産地 ロシア、北海道
    オオズワイガニとズワイガニの見分け方
    オオズワイガニ 口の上(口上板下縁はM字型)
    オオズワイガニとズワイガニの見分け方
    ズワイガニ 口の上(口上板下縁はまっすぐ水平)

    選び方

    原則的に生きているもの。持って重いもの。

    味わい

    旬は不明。メスとオス両方の入荷がある。冷凍もの、ボイルはほぼオス。
    殻はズワイガニよりも硬く、足が太いので身の歩留まりはいい。
    身はしまっており、甘みが強い。みその味もよい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オオズワイガニの料理法・食べ方/煮る(塩ゆで、かにちり)、汁(みそ汁)

    オオズワイガニの塩ゆで ロシア産の大型を塩ゆでしたもの。強めの塩水で約25分ほどゆでる。ゆで上がりを氷水で急速に冷やし、甲羅を上にして少し置く。殻と身離れやすい。適度に繊維質でほぐれ感が心地よい。甘味が強くカニらしい香りが楽しめる。非常に美味。


    オオズワイガニの雌塩ゆで 雌は一度しか手に入れていない。外子が出てしまっているもので、打ち粉はわずかだった。ズワイガニで同様の状態のものと変わらない。脚の身は少ないものの甲羅下の身は甘くおいしい。

    オオズワイガニのちり鍋 生もしくは生冷凍を使う。昆布だしに酒・塩で味つけする。この地で火を通しながら食べる。好みの火の通し加減で食べると非常に美味。カニらしいおいしいだしが出るので仕上げの雑炊も素晴らしい味。
    噴火湾の小振りの雄のみそ汁 小振りを適当に切る。これを水から煮て、みそを溶く。カニみその溶け出した汁の味は最高。意外にもご飯にも合う。煩わしいが、身も食べるべし。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    ゆでがに ゆでたもの。煮がにともいう。[福島商店 北海道根室市]
    冷凍生ずわいがに 生のオオズワイガニを解体して冷凍したもの。蒸したり、鍋ものにしたりする。[極洋 東京都港区]
    冷凍ズワイガニ 「バルダイ」とどこかに表記されている。ロシア産をばらして冷凍流通しているもの。ズワイガニと質的にもかわらない。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    ズワイガニ5種
    ズワイガニ Chionoecetes opilio (O.Fabricius,1788) 北極海のアラスカ沖、グリーンランド西岸、北米の大西洋、太平洋沿岸からベーリング海、南米のチリ沿岸。オホーツク海から日本海、太平洋側では犬吠埼以北。
    ベニズワイガニ Chionoecetes japonicus Rathbun,1932 日本海、太平洋、オホーツク海
    オオズワイガニ Chionoecetes bairdi Rathbun,1924 北海道噴火湾、北見沖。ベーリング海、アリューシャン列島、アラスカ半島、ブリティッシュコロンビア沿岸。
    トゲズワイガニ Chionoecetes angulatus Rathbun, 1924 カムチャツカ半島、ベーリング海~オレゴン州。
    ミゾズワイガニ Chionoecetes tanneri Rathbun, 1893 ベーリング海~カリフォルニア州

    参考文献・協力

    『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)
  • 主食材として「オオズワイガニ」を使用したレシピ一覧

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