
雄で甲長139mm、甲幅152mm。雌で甲長92.8mm、甲幅100mmほどになる。ロシア産の大型の裏面は黄色みが強く、国産の小型の雄は赤身が強いようだ。[ロシア産雄]
オオズワイガニの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★★★ 究極の美味 |
分類 |
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目短尾下目ケセンガニ科ズワイガニ属
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外国名 |
英名/Snow crab
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学名 |
Chionoecetes bairdi Rathbun,1924
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漢字・学名由来 |
漢字 大頭矮蟹
由来・語源 ズワイガニの仲間で大型になるため。
ズワイガニはいくつか語源説があり
■ 頭(甲羅の部分)が足に対して小さいため。
■ 「ず」は頭(かしら)のことで、もっとも偉い、もしくは先頭という意味になり、「カニの頭」すなわち「カニの王様」のこと。 Rathbun Mary Jane Rathbun(メアリー・ジェーン・ラスバン 1860年〜1943年)はアメリカ合衆国の甲殻類学者。国内周辺にいるズワイガニ類など多くを記載している。スミソニアン博物館などで研究。
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地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水生。水深16〜500m(主に水深200-500m)の砂泥地。水深260-300mより浅場に雌が、より深場に雄が生息する。
北海道噴火湾、北見沖。ベーリング海、アリューシャン列島、アラスカ半島、ブリティッシュコロンビア沿岸。 |
生態 |
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基本情報 |
国内で消費されるズワイガニ類(代表的なものは日本海などでとれるズワイガニ)はズワイガニ、ベニズワイガニ、オオズワイガニの3種類。
オオズワイガニは北海道噴火湾から釧路沖での水揚げもあるが、ロシアなどからの輸入ものを見かける機会が多い。ズワイガニと比べると入荷量が少なく、見た目からズワイガニとまったく区別されないで取引されている。ズワイガニ同様に雌ガニも流通する。
大型になり、しかもズワイガニと味わいからして変わらないために、輸入のズワイガニに比べると高値となっている。冷凍流通するものは味的にも質的にもズワイガニに負けないと思うので、代用品としないでもいいと思う。 |
水産基本情報 |
市場での評価 ズワイガニとして流通している。入荷量はズワイよりも少ない。価格は輸入もの、北海道ものもほとんど同じ。日本海などのズワイガニと比べると安い。
漁法
産地 ロシア、北海道  オオズワイガニとズワイガニの見分け方
オオズワイガニ 口の上(口上板下縁はM字型)  オオズワイガニとズワイガニの見分け方
ズワイガニ 口の上(口上板下縁はまっすぐ水平) |
選び方 |
原則的に生きているもの。持って重いもの。 |
味わい |
旬は不明。メスとオス両方の入荷がある。冷凍もの、ボイルはほぼオス。
殻はズワイガニよりも硬く、足が太いので身の歩留まりはいい。
身はしまっており、甘みが強い。みその味もよい。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
オオズワイガニの料理法・食べ方/煮る(塩ゆで、かにちり)、汁(みそ汁) オオズワイガニの塩ゆで ロシア産の大型を塩ゆでしたもの。強めの塩水で約25分ほどゆでる。ゆで上がりを氷水で急速に冷やし、甲羅を上にして少し置く。殻と身離れやすい。適度に繊維質でほぐれ感が心地よい。甘味が強くカニらしい香りが楽しめる。非常に美味。
オオズワイガニの雌塩ゆで 雌は一度しか手に入れていない。外子が出てしまっているもので、打ち粉はわずかだった。ズワイガニで同様の状態のものと変わらない。脚の身は少ないものの甲羅下の身は甘くおいしい。
オオズワイガニのちり鍋 生もしくは生冷凍を使う。昆布だしに酒・塩で味つけする。この地で火を通しながら食べる。好みの火の通し加減で食べると非常に美味。カニらしいおいしいだしが出るので仕上げの雑炊も素晴らしい味。 噴火湾の小振りの雄のみそ汁 小振りを適当に切る。これを水から煮て、みそを溶く。カニみその溶け出した汁の味は最高。意外にもご飯にも合う。煩わしいが、身も食べるべし。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
ゆでがに ゆでたもの。煮がにともいう。[福島商店 北海道根室市]
冷凍生ずわいがに 生のオオズワイガニを解体して冷凍したもの。蒸したり、鍋ものにしたりする。[極洋 東京都港区] 冷凍ズワイガニ 「バルダイ」とどこかに表記されている。ロシア産をばらして冷凍流通しているもの。ズワイガニと質的にもかわらない。 |
釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
ズワイガニ5種
ズワイガニ Chionoecetes opilio (O.Fabricius,1788) 北極海のアラスカ沖、グリーンランド西岸、北米の大西洋、太平洋沿岸からベーリング海、南米のチリ沿岸。オホーツク海から日本海、太平洋側では犬吠埼以北。
ベニズワイガニ Chionoecetes japonicus Rathbun,1932 日本海、太平洋、オホーツク海
オオズワイガニ Chionoecetes bairdi Rathbun,1924 北海道噴火湾、北見沖。ベーリング海、アリューシャン列島、アラスカ半島、ブリティッシュコロンビア沿岸。
トゲズワイガニ Chionoecetes angulatus Rathbun, 1924 カムチャツカ半島、ベーリング海~オレゴン州。
ミゾズワイガニ Chionoecetes tanneri Rathbun, 1893 ベーリング海~カリフォルニア州 |
参考文献・協力 |
『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社) |
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