ホンダワラ

Scientific Name / Sargassum fulvellum (Turner) C.Agardh

ホンダワラの形態写真

1mを超える。ヒモ状の茎があり、そこから陸上植物のように枝葉が出る。
ホンダワラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
1mを超える。ヒモ状の茎があり、そこから陸上植物のように枝葉が出る。1mを超える。ヒモ状の茎があり、そこから陸上植物のように枝葉が出る。。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    植物界褐藻植物門褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属

    外国名

    学名

    Sargassum fulvellum (Turner) C.Agardh

    漢字・学名由来

    漢字 馬尾藻、神馬藻(なのりそ) Hondawara
    由来・語源 神馬藻、陣馬藻は「神功皇后(じんぐうこうごう 記紀にある)が三韓征伐のために九州から渡航するとき馬秣(馬のエサ)が不足して困った。そのとき海人族の勧めでホンダワラをとり、馬を飼った」、というのが由来とされる。すなわち神功皇后の率いる神の馬の食べる藻=神馬藻と書くようになった。
    馬尾藻は形から。
    音に関しては不明。

    地方名・市場名

    ジンバ
    場所京都府京丹後市、兵庫県但馬地方香住、島根県隠岐西ノ島 参考中上光さん、聞取 
    ギンバソウ
    場所新潟県新潟市 参考20240229市場 
    ジンバソウ[神馬草]
    場所島根県隠岐 

    生息域

    太平洋沿岸、八丈島、九州。日本海新潟県以南、朝鮮。
    潮間帯下の岩礁に付着。初夏になると流れ藻となってただよう。

    生態

    基本情報

    太平洋、日本海の浅い岩礁域に普通に見られ、日本書紀にも登場する。
    古くから食用となっており、正月の蓬莱飾りに飾られるもののひとつ。また韓国などでも盛んに食べられている。
    国内ではいつの間にか、食用としては一般的ではなくなってしまい、今では兵庫県日本海但馬地方、島根県隠岐郡など限られた地域で食べられている。
    他の地域でも食べられているとは思うものの、調べているところだ。
    珍魚度 海岸線に行けば普通だが、同定が難しい。食品としては日本海側で探せば手に入る。

    水産基本情報

    市場での評価 生、乾燥品ともに入荷を確認していない。
    漁法 採取
    産地 島根県ほか

    選び方

    乾燥品なので緑色で退色、黒ずんでいないもの。

    味わい

    旬は冬から春。
    春のものは柔らかく、下ゆでするだけで食べられる。藻体は比較的しっかりしていて硬い。
    歯触りがよく、えぐみがなく食べやすい。

    下ゆでしてから料理する 基本的に買い求めたらすぐに下ゆでする。ゆで方は湯を沸かした中に入れると鮮やかな緑になる。全体に色変わりしたら、ザルなどに上げて放冷する。小分けにして冷凍保存するととても便利だ。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ホンダワラ(ジンバソウ)の料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、揚げる(天ぷら)
    じんばそうの煮物じんばの煮つけ(ホンダワラの煮つけ) 流水などでざっと洗い、下ゆでして放冷しておく。適当に切り、鍋に醤油・砂糖・砂糖・水を煮立たせた中に入れて煮る。味つけは控えめにするといい。ここでは油揚げを一緒に煮たが、天ぷら(薩摩揚げ)や肉類と煮てもおいしい。
    日本海山陰などでは日常的な総菜として親しまれている。万人向けの味わいで実に味わい深い。

    じんばのかゆじんばの粥(ホンダワラのかゆ) ご飯とは非常に相性がいい。ここではやや水分量の多い、粥(かゆ)に加えてみた。普通に粥をたく。8分通り火が通ったところに下ゆでして刻んだホンダワラ(じんば)を入れて1分くらい煮る。粥の中に海藻らしい風味と歯触りが足されて非常にうまい。
    じんばのみそ汁(ホンダワラのみそ汁) 必ずしも下ゆでしなくてもいいが、下ゆでして保存しておいたものを日々使うほうが便利だと思う。みそ汁の具と一緒にだしの中で煮て、みそを溶くだけ。豆腐や油揚げとの相性がいい。海藻らしい風味があり、なによりもしゃきしゃきした歯触りが楽しめる。
    じんばの湯豆腐(ホンダワラの湯豆腐) これも下ゆでした「じんば」を使ったもの。昆布だしで湯豆腐をするとき「じんば」を一緒に煮て食べる。煮加減によって食感が変わるところや海藻らしい風味が楽しめる。
    じんばの天ぷら(ホンダワラの天ぷら) 下ゆでしたものを適当に刻み、水分を布などに挟んでていねいに取る。これに小麦粉を絡ませて衣をつけて中温で表面を香ばしく揚げる。サクッとした中に海藻らしい風味とうま味が感じられとても美味。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    乾製品や総菜に加工されている。

    海山漬 島根県隠岐郡知夫村で作られているもの。知夫里島ではジンバソウ(ホンダワラ)が盛んに採取、食べられている。採取したジンバソウを乾燥させて保存。もどして醤油漬けにしたもの。(問い合わせ/知夫里島観光協会)
    乾燥ジンバソウ 島根県隠岐郡知夫村では寒い時季にジンバソウ(ホンダワラ)を採取し、乾燥して保存する。これを年間を通じて利用している。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    塩かけ神事●佐毘売山神社は石見銀山内にある神社。「江戸時代、例年旧暦正月十一日には奉行(代官)、役人、山師、坑夫が正装して神社に参籠して銀山大盛を祈願した。その際、馬路の鞆ヶ浦からは塩鯖、ホンダワラを持ち帰り、海藻を社殿の扉に掛けて祈願する塩かけ神事が行われた」[島根県大田市大森町/『郷土石見№97』(石見郷土研究懇話会)]

    参考文献・協力

    協力/島根県隠岐郡知夫村(知夫里島)『野大根の会』
    千葉県立中央博物館海の博物館 菊地則雄先生にレクチャーしていただきました
  • 主食材として「ホンダワラ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ