シバエビ

Scientific Name / Metapenaeus joyneri (Miers.1880)

シバエビの形態写真

14cm前後になる。非常にヒゲが長い。市場などにくるものは10センチ以下が多い。新しいと薄い灰色で、小さなゴマ状の点が散らばる。古くなると白くなる。
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14cm前後になる。非常にヒゲが長い。市場などにくるものは10センチ以下が多い。新しいと薄い灰色で、小さなゴマ状の点が散らばる。古くなると白くなる。14cm前後になる。非常にヒゲが長い。市場などにくるものは10センチ以下が多い。新しいと薄い灰色で、小さなゴマ状の点が散らばる。古くなると白くなる。14cm前後になる。非常にヒゲが長い。市場などにくるものは10センチ以下が多い。新しいと薄い灰色で、小さなゴマ状の点が散らばる。古くなると白くなる。14cm前後になる。非常にヒゲが長い。市場などにくるものは10センチ以下が多い。新しいと薄い灰色で、小さなゴマ状の点が散らばる。古くなると白くなる。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★
      これは常識
    • 食べ物としての重要度

      ★★★★
      重要
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)ホンエビ上目十脚目根鰓亜目クルマエビ科ヨシエビ属

    外国名

    学名

    Metapenaeus joyneri (Miers.1880)

    漢字・学名由来

    漢字 芝蝦、芝海老、柴蝦 Shibaebi
    由来・語源 一般的には武州芝(現東京都港区芝の三田駅周辺)でたくさn取れたので「芝海老(芝蝦)」とされている。
    武州ノ芝ニテ多ク取 『本草綱目啓蒙』(小野蘭山 享和3年/1803 東洋文庫 平凡社)
    東京芝浦でとれた 〈東都芝浦(えど)に産るを、「しばえび」という〉『魚鑑』(武井周作天保辛卯 1831)。
    小さいエビではないか? 山口県で小型のタイ類を「しばだい」という。この場合の「しば」は小さいという意味。「おじいさんは山に柴刈りに」の「柴」も小枝のことだ。「しばえび」も小型のエビという意味である可能性が強いと考えている。もともとは、1種類のエビをさす言葉ではなく、干潟や汽水域でとれる「小さな(しば)えび」という意味だったもので、特に代表的なものということから「柴蝦」になった。

    地方名・市場名

    シラエビ
    場所愛知県豊浜 
    マエビ[真えび]
    場所佐賀県鹿島市、福岡県柳川市 

    生息域

    海水生。水深10メートル〜30メートルの砂泥地。
    東京湾以南。
    台湾、黄海内湾。

    生態

    ■ クルマエビの仲間は形態と、卵を腹肢に抱き保護しない、また幼生期の発生の模様から原始的なエビと見なされる。
    ■ 産卵期は6月下旬から9月。
    ■ 寿命は1年。

    基本情報

    クルマエビ科の小エビで、東京湾以南の比較的大きな内湾に生息する小型のエビ。古くは日本各地で水揚げされていたが、現在では三河湾、瀬戸内海、有明海などが産地。
    シバエビの名の由来が東京都内の芝にあるとされることからも、古くは江戸湾(東京湾)でも揚がっっていたことがわかる。ある意味、内湾の環境によって激減することが東京湾の現状からもわかる。戦後まで健在であった東京湾の打たせ網でまとまってとれ、比較的安かったので、東京ならではの伝統的な料理である江戸前天ぷら、握りずし、おぼろなど、様々に利用されてきている。
    今では水揚げ量が少なくなり、国産はやや高値となっている。
    珍魚度 もちろん珍しいエビではないが、寒い時季だけ流通量が増える。また近年、本種自体の水揚げ量が減っているので高価である。

    水産基本情報

    市場での評価 秋から冬にかけて入荷してくる。値段はやや高値で安定している。
    漁法 投網漁、底曳き網、あんこう網、刺網
    主な産地 佐賀県、福岡県、長崎県、愛知県、三重県

    選び方

    非常に小さな黒い斑文がくっきりしているもの。頭部が黒ずんでいるもの

    味わい

    旬は秋から春。
    小型種で、生の時は白っぽく、熱を通してもあまり赤くならない。
    殻は柔らかい。身はやや水っぽく、生より、熱を通したほうが味がいい。

    赤く色づかない クルマエビ科のエビは歴史的に見てもイセエビと並んでもっとも歴史的な食材である。エビが赤く染まるのでいいという考えがあるが、本種などヨシエビ属のエビは熱を通しても赤みが弱い。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    シバエビの料理・レシピ・食べ方/揚げる(天ぷら、唐揚げ)、煮る(塩ゆで、しょうゆ煮、アヒージョ)、蒸す(かぶら蒸し)、焼く(塩焼き)、飯(炊き込みご飯、ピラフ、チャーハン)

    シバエビの天ぷら(シバエビのちょぼ揚げ) 脚を残して殻をむき、みそを取り去る。尾羽根の先を切り(切らないと上げたとき油が跳ねることがある)、筋肉をつぶしてまっすぐする。小麦粉をまぶして、2、3尾ずつ指でつまんで衣をつけて高温で短時間で揚げる。高温で揚げることによってエビらしい風味が強くなり、甘味があってとてもおいしい。

    シバエビのかき揚げ 剥き身にしてペーパータオルなどの上に乗せて水分をきっておく。一緒に揚げる野菜(三つ葉や玉ねぎなど)を刻んで置く。野菜と剥き身を合わせて小麦粉をまぶし、衣と合わせる。これを適量ずつスプーンなどですくって揚げていく。
    シバエビの唐揚げ 小振りのものは頭部とヒゲだけとってペーパータオルで水分をよくきり、片栗粉をまぶして少しおく。これを中温で揚げる。シバエビは殻が軟らかいので丸ごと食べられてとても美味。
    シバエビのアヒージョ ニンニク風味のオイルで短時間煮るように火を通す。シバエビはざっと水洗いしてヒゲを取り水分をよく切る。これをニンニクを入れたオリーブオイルで煮る。トマトや唐辛子などはお好みで。
    シバエビの塩ゆで(煮エビ) ざっと水洗いして汚れを流す。水分をよくきり、強めの塩水で短時間ゆでる。これが産地などでの基本的な料理法。後は手づかみで食べるだけ。エビらしい風味が楽しめる。
    シバエビの甘辛煮(シバエビの煮つけ) シバエビはざっと水洗い。ヒゲは時間があれば取る。これを酒・砂糖・しょうゆ・少量の水を煮立てたなかで短時間かき混ぜながら煮上げる。手で剥きながら食べる。
    シバエビと小松菜の吉野煮 ざっと水洗いして塩ゆでする。煮汁は保存しておく。エビの皮を剥いておく。だしとシバエビのゆで汁、酒を合わせて火をつける。アクをすくいながら味見して甘めが好きならみりんを加え、しょうゆで加減する。ここで小松菜など野菜を煮て、仕上げに剥き身を入れて、片栗粉でゆるくとじる。

    シバエビのかぶら蒸し かぶら(天王寺かぶら、聖護院かぶらなど)は鬼下ろしなどで粗く下ろす。卵白と合わせて置く。エビは塩ゆでし、殻を剥く。深めの器にシバエビを入れて、かぶらを乗せて、蒸す。蒸し上がった上から、あん(カツオ節出し・酒・塩・うすくちしょうゆを片栗粉でゆるくとじたもの)をかける。

    シバエビの塩焼き 水でざっと洗い水分をよくきる。数尾、串に刺して振り塩をする。これを炭火で表面の殻がかりっとするくらいに焼き上げる。額角以外は丸ごと食べられる。焼くことでエビの甘みが増してとてもうまい。
    シバエビの炊き込みご飯 エビらしい風味と甘味などを生かすには最適の料理だ。エビの頭部と尾羽根を切る。醤油あらいして少し寝かせる。これを炊き込み。エビの風味のついたご飯はどことなく香ばしさを感じて美味だ。
    シバエビのピラフ 米は洗いザルに上げておく。米はカルナローリなどを使ってもいい。水洗いして殻ごとエビを塩ゆでする。エビは殻を剥いておき、半量は刻む。エビのゆで汁と水、ハーブブイヨン(なくてもいい)、オリーブオイル少量で炊飯の用意をしてローリエの葉を乗せてたく。炊き上がったら刻んだエビを加えて蒸らす。盛り付けして剥き身を飾る。
    シバエビのチャーハン 生の状態で使うからうまいのだと考えている。殻を剥き、汚れなどをさっと洗う。水分をよく切っておく。普通のチャーハンの作り方、卵を熱したフライパンに入れ、ご飯を加え、炒める。ここにネギとエビを加え、塩コショウして仕上げる。シバエビの香り、風味がご飯、卵とあいまってやたらにウマシ。

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    好んで食べる地域・名物料理

    江戸前天ぷら 江戸前天ぷらの基本的な種。2、3尾を合わせて揚げるのを「ちょぼ揚げ」という。

    加工品・名産品

    ゆでエビ、干したもの、佃煮などになる。
    かちえび(勝ちえび) 上野水産(大分県宇佐市長洲)。アカエビ属、ヨシエビ属などの小エビ類をゆでて干し上げたもの。
    芝海老の佃煮 東京都。高級な佃煮の材料となる。古くは珍しいものではなく、庶民的なおかずだったものが、今や超高級なものとなっている。昔ながらの甘味のないしょうゆ辛いものがうまい。[鮒佐 東京都台東区]

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    ■ 天ぷら種としては重要なもの。
    ■ すしネタのそぼろ、おぼろの原料になった。
    ■ すしネタの玉子焼きにすり身を使うことがある。

    参考文献・協力

    『原色日本大型甲殻類図鑑』(三宅貞祥 保育社)、『甲殻類』(朝倉彰編著 東海大学出版局)、『日本語源大辞典』(小学館)
  • 主食材として「シバエビ」を使用したレシピ一覧

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