体長雄で15cm前後、雌で19cmほどになる。細毛に覆われる。目立った斑文はなくシバエビよりも細かい黒い点が無数に散らばる。灰色、もしくは少し赤みがかる。死んで時間が経つと白くなる。額角上縁には6-9本(通常7本、8本)の歯がある。[18cmの大型個体]
ヨシエビの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目根鰓亜目クルマエビ科ヨシエビ属外国名
学名
Metapenaeus ensis (De Haan,1844)漢字・学名由来
漢字 葦蝦
由来・語源 不明地方名・市場名
生息域
海水生。東京湾、富山湾以南の内湾。韓国、台湾、中国、東南アジア、インド、オーストラリア。
浅い泥底。生態
産卵は内湾で6月中旬から9月上旬。
卵は産卵すると抱卵することなく放たれる。
ノープリウス、ゾエア、ミシスなど幼生期を経て生体になる。基本情報
本州中部以南で揚がる中型エビの代表的なもの。クルマエビに次ぐ高級エビ。
北陸から西日本に多く、関西以西ではすしネタや天ぷらなどによく利用されている。
もともと高級なものであったのが、近年の減少でそれに拍車がかかっている。水産基本情報
市場での評価 全体的な流通漁は非常に少ない。見かける機会は東日本に少なく、西日本に多い。クルマエビに次ぐ値段で高級。
漁法 刺し網
産地 三河湾以西の各地選び方
透明感があるもの。触って張りのあるもの。頭部などが黒くなったり、真っ白くなったものは古い。味わい
旬は秋
晩春から秋いっぱいまで水揚げが多い。クルマエビ科ではやや小型で、フライ材料というよりは天ぷら種。
殻は柔らかい。ゆでてもあまり赤くならない。身は締まっていて、甘みが強い。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
揚げる(天ぷら、フライ、唐揚げ)、煮る(塩ゆで、煮つけ)、生食(刺身、湯引き)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)天ぷら クルマエビと同様天ぷらにして非常に美味。大阪ではクルマエビよりも好んで使う天ぷら屋があるほど。揚げてあまり硬く締まらず、ぷりっとして甘味が強い。食べた後にエビの風味が立つのもいい。クリックで閉じますヨシエビの天ぷら
フライ 比較的大形になり、大きさが揃うのでフライ材料としてもすぐれている。短時間煮かりっと揚げて、中心部分が生と火が通った状態との中間点にあるようにする。パン粉の香ばしさと、身の甘さ、適度な食感が素晴らしい。クリックで閉じますヨシエビのフライ
唐揚げ 夏から秋にとれる小振りのものに片栗粉をまぶして、比較的低い温度からじっくりと揚げる。殻は実に香ばしく、身に強い甘味がある。ついつい手が伸びてしまうのだけが難点である。クリックで閉じますヨシエビの唐揚げ
塩ゆで 小振りのものを塩ゆでにした簡単料理。ゆでながらときどき火の通り加減をみるといい。火を通しすぎるとパサついてしまう。エビの風味が強く、甘味豊かだ。もっとも本種の味を端的に楽しめる料理法かも知れない。クリックで閉じますヨシエビの塩ゆで
煮つけ 小振りのエビを軽く水洗いしておく。深みのある鍋などに酒、みりん、砂糖を合わせてさっと煮立たせ、エビを加えて適度に火を通したもの。鍋にエビをとどめる時間が長いほど味が濃くなる。クリックで閉じますヨシエビの煮つけ
ゆびき造り 比較的大振りの生きているものの殻を剥き、背開きにして湯のなかで振り洗いして、氷水にとって水分をよく切ったもの。完全な生よりも甘味がまし、生のエビの舌触りも楽しめる。クリックで閉じますヨシエビの刺身
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
同定者/駒井智幸(千葉県立中央博物館)
『天麩羅物語』(露木米太郎 時事日報社)、『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)