体長30センチを超える。体側に褐色の横縞がある。
-
魚貝の物知り度
★★
これは常識食べ物としての重要度
★★★★
重要味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目根鰓亜目クルマエビ科クルマエビ属外国名
Kuruma-prawn, Banmboo shrimp学名
Marsupenaeus japonicus Bate.1888漢字・学名由来
漢字 車海老、車蝦 Kurumaebi
由来・語源
丸まった姿と黒い横縞が車輪を思わせるから。
和漢三才図会に〈煮ると正紅色に変わり、形は曲り車輪のようになる。それでこういう名がついている〉地方名・市場名 ?
マダラエビ ホンエビ[本蝦・本海老] アエビ
備考模様から別名。
クルマエビ[車蝦・車海老] サイズ / 時期大型
サイマキ[さい巻・細巻・鞘巻・巻] サイズ / 時期小振りのもの
備考【成長によって名前が変わる】大型のものをクルマエビ(車蝦、車海老)、小振りのものを「さい巻、細巻、鞘巻、巻」。「巻」とは模様が刀の鞘を紐(ひも)で巻いたように見えることから。生息域
海水生。北海道南部から韓国、台湾、中国、オーストラリア北部、フィジー、東南アジア、地中海東部。
内湾、内海。生態
寿命は1年。
生殖(交尾)は一生のうち一度だけ。
産卵期は8月から10月。
卵は一度脚で抱えない。そのまま放卵する。
孵化したものがノウプリアス期、ゾエア期、ミシス期(ともにプランクトン)生活を送り、稚エビとなる。
水深15メートルから25メートルの内湾の砂泥地に棲息。
昼間は砂に潜り、夜に活動する。夜行性。基本情報
日本各地の内湾に生息。エビの中のエビ的な存在。江戸前の天ぷらやすしに欠かせないのもクルマエビだ。
それが内湾の開発による干潟の減少、汚染によって激減。現在では天然ものは非常に貴重なものとなり、現在ではほとんどが養殖ものがとってかわってしまっている。
養殖は沖縄県、九州で盛ん。天然ものは市場では希なものとなっている。水産基本情報
選び方
帯状の斑文はくっきりしていて、白っぽくないもの。味わい
旬は晩秋から冬。 夏から秋にかけてたくさん水揚げがある。
大きさで味は変わらない。むしろ小振りを好み傾向もある。
殻は軟らかく、身はしまっていて熱を通しても強く締まらない。また熱を通したときの赤の発色がいい。
栄養
良質のタンパク質が多く、脂肪が少ない低カロリー食材です。エビの色素であり、加熱すると赤くなるアスタキサンチンには抗酸化作用があり、エビの殻にはコレステロール、血圧を下げるなどの効果がある。ナイアシン、βカロテンも多く肌を健全に保ち、目の疲れを取ります。寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
クルマエビの料理法・調理法・食べ方/揚げる(天ぷら、フライ)、ゆでる、焼く、生食(刺身)クリックで閉じます
クルマエビのフライ
クルマエビの天ぷら もっとも基本的な料理法が天ぷら。揚げて赤く発色し、ほどよく締まり、実に甘味が強い。天下一品の味だ。また「江戸前」を冠する料理法のひとつ。短時間でさくっと揚げるのは難しいものの、最上級の味わいだ。クリックで閉じます
煮えび(ゆでクルマエビ) もっともクルマエビのおいしさを端的に楽しめる。塩水で一尾づつ丹念にゆで上げ、まだ熱いうちに殻をむいて食べるのがいちばん。ぐんと甘味が増し、ほどよい硬さ。みそがとてもうまい。クリックで閉じますクルマエビの塩焼き 生きているクルマエビを炭火焼きにしたもの。焼いた香りが強く、甘味が豊か。あまり硬く締まらずほどよく口の中でほどける。クリックで閉じますクルマエビのみそ漬けクリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
小型をマダイ釣りの餌として使う。歴史・ことわざ・雑学など
エビ養殖 クルマエビに始まる。明治23年頃、愛知・熊本で畜養が始まる。昭和8年、藤永元作が熊本県千束島でクルマエビの孵化に成功。種苗生産技術は昭和39年に確立される。参考文献・協力
『原色日本大型甲殻類図鑑』(三宅貞祥 保育社)、『海の甲殻類』(峰水亮 文一総合出版)、『新版 水産動物学』(谷田専治 恒星社厚生閣)、『広辞苑』(新村出偏 岩波書店)、『魚河岸の魚』(高久久 日刊食料新聞社)、『河岸の魚』(町山清 国際商業出版)、『海老』(酒向昇 法政大学出版局)