サルエビ(英名/Cocktail shrimp, Southern rough shrimp)

Scientific Name / Trachysalambria curvirostris Stimpson,1860

サルエビの形態写真

体長10cm前後。頭が大きく額角が短く上方にそる。[雌]
サルエビの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
体長10cm前後。頭が大きく額角が短く上方にそる。[雌]
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★

    知っていたら達人級

    ★★★

    一般的(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目根鰓亜目クルマエビ科サルエビ属
    外国名
    英名/Cocktail shrimp, Southern rough shrimp
    学名
    Trachysalambria curvirostris Stimpson,1860
    漢字・学名由来
    漢字 猿海老、猿蝦
    由来・語源 体表面が細かい毛で覆われているため。
    Stimpson
    William Stimpson(ウイリアム・スティンプソン 1832-1872 アメリカ)。動物分類学・海洋生物学。スナガニ、ババガゼ、サルエビなど。「stimpsoni 」は献名されたもの。
    地方名・市場名 地方名・市場名は長いため下部に移動しました。クリックでジャンプします。
    生息域
    海水生。内湾。
    北海道西岸以南の日本海・東シナ海、三陸以南の太平洋沿岸、瀬戸内海。朝鮮半島、中国、東南アジア、エジプト、イスラエル。
    生態
    産卵期は春から初夏、秋(5月〜9月)。
    寿命は一年。
    雌の方が大きい。
    基本情報
    日本各地の内湾などに普通に見られる小エビ。国内でとれる小エビ類は減少傾向にあるが、サルエビだけは現在でも比較的健在。一般に単に塩ゆでにして食べたり、天ぷらにするものだが、古くは釣りエサなどとしても重要なものであった。
    また加工品としては干しエビ、えびせんなどになり、国産物としては今でも重要。
    水産基本情報
    市場での評価 小エビは近年高くなってきている。それでもサルエビは比較的安く、手頃。ただし関東の市場などではあまり見かけない。
    漁法 底曵網
    主な産地 瀬戸内海沿岸など
    選び方
    できれば生きているようなものを。頭の黒ずんでいないもの。頭と胴体の間の伸びていないもの。
    味わい
    殻は柔らかく額角のみ硬い。
    ゆでると赤くなり、旨味が強い。ミソにも強い旨味がある。エビの中では脂を感じる。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    サルエビの料理法/煮る(塩ゆで、煮つけ)、揚げる(天ぷら、フリッター、素揚げ)、焼く(塩焼き)、ご飯(炊き込みご飯、カレー)

    サルエビの塩ゆで 産地での基本的な料理法。漁獲したばかりのものを素早くゆでたものは最高にうまい。できれば生きた物を使いたいが、死んでも十二分にいい。これをマヨネーズで食べてもいいし、サラダ、チャーハンなどに使ってもいい。
    サルエビのかき揚げ 基本的にワタと額角と胴の部分の殻を取って軽く塩水で洗って使う。大振りのものは2-3尾で天ぷらにしてもいいが小さい物はかき揚げにするとゴージャスに見える。サルエビは脂があるなどというが甘味のなかにこくが感じられる。エビらしい香りも高くとてもうまい。
    サルエビのフリッター むき身にして、小麦粉、油(マヨネーズでも)、ビールの衣で揚げたもの。天ぷらのサクサク感ではなく、ふんわりと揚がる衣のなかにサルエビの風味が閉じ込められて、口中に入れると極めて印象的に広がる。実に甘味が強くてうますぎる。
    サルエビの素揚げ 額角を取り、軽く塩水で洗う。ていねいに水分をとり、最初は低温で、徐々に温度をあげて香ばしく揚げきる。足や頭部、尾などが実に香ばしく、身は甘味が濃縮されて印象的になる。ビールなどの肴にすると、ついつい箸の伸びてしまう。
    サルエビの煮つけ 背わたのみ取り、軽く塩水で洗って、水分をよく切る。これをしょうゆ・みりん・酒を合わせた地で絡めるように煮る。煮すぎると身が痩せて、佃煮になってしまう。火が通ったらすぐにエビを取りだし、冷めた地につけ込んだもの。しょうゆとエビは出合いのもの。うまさの相乗効果が生まれ、酒の肴にも、刻んでご飯と混ぜてもうまい。

    サルエビの塩焼き 背わたをとり表面の汚れなどを落とす。水分をよくきり振り塩をして短時間で焼き上げる。表面に振った塩は味つけではなく、食べるとき適度な塩気を加味するもの。殻も身も食べれれるが、同時に口に含んだときのおいしさは格別。焼き上がったら間髪入れずに食べるべし。

    サルエビの炊き込みご飯 エビでご飯料理はカレーなどにしてもいい。背わたをとって水分をよくきって、丸ごとご飯と炊き込む。味つけはしょうゆと酒。塩・酒など味つけは好みで。炊き上がったらエビを取りだし、身を刻んで炊き上がったご飯に混ぜ込む。ご飯を口に入れたときのエビの香りがなんとも言えずにいい。
    好んで食べる地域・名物料理
    古くは東京湾周辺。現在も静岡県、愛知県、大阪湾周辺、瀬戸内海、九州各地など。
    ガラエビ素麺(カチエビ素麺) 岡山県日生、大分県でサルエビをゆでて干し上げたもの。このまま軽く煎って食べてもいいのだが、香ばしくしかもうま味豊かなだしがとれる。水に素干しを数時間以上漬け込んで、火をつけて湧かさないよう注意してうま味を引き出す。素麺など小麦粉を使った麺に非常に合う。
    加工品・名産品
    海老せんべい 三河湾一色などではむき身そのままを海老せんべいに焼く。使うのはエビと片栗粉などのみ。もっともうまいのがサルエビだという。
    干しえび
    がらえび 岡山県日生など。コブトエビ(サルエビ)をゆでて干し上げたもの。素麺などのだしにする。
    かちえび 大分県宇佐市。底引き網でとった小エビをゆでて干したもの。ほかの小エビは殻を捕るが、サルエビはそのまま。
    サルエビの干しエビ 岡山県で「がらえび」、大分県で「かちえび」はゆでて干し上げたもの。このまま軽く煎って香ばしくして食べてもいいし、そうめんなどのだしに使ってもいい。
    佃煮 サルエビは東京湾でも盛んにとれていたはず。今では原材料は他県からだが、これを昔ながらのしょうゆ辛く煮上げたもの。東京を代表する名品。
    えびせん むき身にして片栗粉などをまぶしただけで焼き上げたもの。エビそのままの何も足さない味を楽しめる。そのままでもうまいが、軽くオーブントースターで数秒焼くとエビの香ばしさが楽しめる。[青山老舗 愛知県西尾市]
    釣り情報
    マダイ釣りなどのエサとして重要。
    歴史・ことわざ・雑学など
    参考文献・協力
    大阪府環境農林水産総合センター「大阪湾の魚」、『青山老舗』愛知県一色町、『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)、『あいちの水産物 ハンドブック100』(愛知県農林水産課)
    地方名・市場名 [?]
    マジャコ[真じゃこ]
    場所大阪府大阪市 
    コブト(コブトエビ)
    場所岡山県 
    ガラエビ
    場所岡山県岡山市 
    ビゼン
    場所徳島県(a) 
    フト
    場所徳島県(b) 
    アカエビ
    場所大分県中津市 
    アカシャエビ
    場所愛知県名古屋市・西尾市 
    アカヤマエビ
    場所熊本県天草 
    カエリ
    場所徳島県徳島市漁業協同組合 
    カワツエビ
    場所兵庫県明石市明石浦漁協 
    ザコ
    サイズ / 時期小型を 場所大分県中津市 
    ザルエビ
    備考スーパー、市場でも。 場所愛知県豊橋市 
    ジャコ
    サイズ / 時期小さいもの 場所大阪市 
    ジャコエビ
    サイズ / 時期小型 場所兵庫県尼崎市 
    シロエビ
    場所広島県倉橋島 
    トビアラ
    場所大阪市 
    ヌキエビ
    場所徳島県 
    ブト(ブトエビ)
    サイズ / 時期大型 場所山口県宇部市、大分県中津市 
    アカエビ アタマエビ ゴガンゴ
    参考文献より。 
  • 主食材として「サルエビ」を使用したレシピ一覧

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