岩手県宮古産ヤナギダコで鮹飯

生のヤナギダコが来たので、桜の季節なので桜煮を作る


タコの桜煮を作るのは、そのまま食べておいしいからでもあるが、鮹飯が食べたいからでもある。
桜煮を作った日に、つまみに食べる桜煮だって滅法うまい。
柔らかく、しかも味わい深い味が酒に合う。
余談だけど、調理用語辞典などを見ると、「桜煮」は桜の花びらに煮つけたときの色が似ているから、としている。
でもどう見ても梅の花の方が近い。
なぜ桜煮なんだろう。

鮹飯は混ぜご飯なのであっというまに出来てしまう


でも、「桜煮」は翌日の方が楽しみ。
「鮹飯」にするからだ。
作り方などあってなきがごとく、小さく桜煮を刻んでチンしたご飯に混ぜ込むだけ。
コツと言えば煮汁を少し加えるのだけど、その加え加減かも。
とにもかくにも料理とも言えぬ料理である。
本当はここに紅しょうがが欲しかったけど、飛騨高山市の「赤かぶ漬け」を添える。

一汁一菜だけど、なぜかとても贅沢だ


これにワカメのみそ汁で一汁一菜。
だしは昆布に、鰹節にさば節を少し足したもの。ワカメは乾燥しものを振り込む。
みそは愛知県のイチビキの赤味噌である。

これだけの昼ご飯だけど、贅沢だなと思ってしまう。
問題はその贅沢な時間が短すぎることだ。
気がついたら茶碗の底が見えている、ことが多い。

ヤナギダコの生はめったに来ない


八王子綜合卸売センター、福泉に岩手県宮古から生のヤナギダコが来ていた。相変わらず体が柔らかくてとらえどころがない。
これを持ち帰ってざっと洗い、そのまま冷凍庫に放り込む。

ちょっとだけ手間がかかるが、要するに甘辛く煮るだけ


数日後、「桜煮」を作る。
自然解凍して足と足の間の膜を切る。
足の膜は吸盤部分は残し、反対側の方を切り取る。
これを酒・砂糖・醤油・たまり醤油・水を煮立てた中でこってり水分がなくなるまで煮る。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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