ザルガイ佃煮で茶々漬
貝の佃煮で茶漬けくらい、めし泥棒なものはない

子供の頃、桑名の殿さん ……♪ 茶々漬♪ をおぼえて、茶がけ(徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)で茶漬けは茶がけ)を食べるときよく唄ったものだ。
そのときはこんこで茶漬けだったけど、大人になって自分が稼いだ金で、桑名の「しぐれはまぐり」を買い、茶漬けにのめり込んだことがある。
次いで、東京都浅草橋の『鮒佐』のアサリの佃煮。
でも2025年の今、佃煮屋で貝の佃煮を買うのは無理だ。
1食分で定食が食べられてしまう。
だからある程度の量の貝があると、佃煮を作る。
トリガイをはじめザルガイ科の二枚貝はすべておいしいけど、ザルガイは取り分け味がいい。
煮上がった佃煮はバットなどに移して冷ます。
出来上がった佃煮は平凡な作り方なので平凡においしい。
ザルガイは煮てみて初めて気づいたことだけど、硬くなりにくく、内臓がやけにおいしい。
たっぷり酒が飲めた日だったら1尾分で正一合はいける味である。
一気にかき込むと、一気になくなるので要注意

でも、今回の目的は茶々漬、茶茶茶々漬なので、ご飯をチンして適当に切ったザルガイの佃煮を乗せて、熱々の番茶をかけて食べる。
番茶をそーっと優しくかけて、箸でちょんちょんと佃煮をお茶に馴染ませながら食べるのがボク好み。
こちらも間違いなく1尾で1碗はいけると思う。
おいしいもの揃いのザルガイ科でももっともうましザルガイ

愛知県知多郡阿久比町『項明水産』、鈴木項太さんにいろいろ送って頂いた。
中にまとまった量の愛知県西尾市一色産のザルガイが入っていた。
多様な生き物を送って頂いたので、すべて処理できなかった。
そのまま冷凍して剥き身にしたものを、佃煮にした。