小田原魚市場、今時季のチダイがすごい
旬のチダイの刺身は皿の上で泣く
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たぶん神奈川県真鶴町岩、岩定置に揚がったものらしき、口物(くちもの。いろんな魚が混ざったもの)の中に同定してみたいエソ(エソ科マエソ属)があった。
エソ欲しさに『さんの水産』さんに競ってもらったら、中にチダイが混ざっていた。
まさかこれが隠れた大スターだとは思わなかった。
体長22cm・311g なので「春日子」とまでは言えないが、成魚というには小さすぎる。
小田原では今、このサイズがまとまって揚がっている。
チダイはこれからが旬なのでおいしいはず、と思って下ろし始めたら切った包丁に脂がまとわりついてくる。
大急ぎで皮を引いて、刺身に切ると、表面がうるうると泣き出してきた。
ていねいな盛り付けにしたいと思っても、指が当たると切りつけた身が溶けるので、ざっと大葉(青じそ)に乗せた。
チダイの刺身は本来、上品な味なのに野蛮な味になっている。
有無を言わせないうまさ、とでもいうべきか、猛烈にうまい。
年寄りなのでこの脂には辟易するのだけど、後味はいい。
それほど重い味ではないのは脂の質なのだろう。
チダイらしい味はあまり感じられないが、ム、ム、これは特上の刺身かも。
せっかく用意していた酒をおいてけぼりにして、瞑想にふける。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



