8cm SH 前後になる。45本の強い放射肋(縦縞に見えるもの)があり、非常にふくらみが強い。
ザルガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)








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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目ザルガイ超科ザルガイ科ザルガイ亜科Acrosterigma属外国名
学名
Acrosterigma burchardi (Dunker, 1877)漢字・学名由来
漢字 笊貝 Standard Japanese name / Zarugai目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。
Dunker
Wilhelm Dunker(ヴィルヘルム・ドゥンケル 1809-1885)。ドイツの動物学者。ヒラサザエ、レイシガイ、オオマテガイなど国内で普通に見られる多くの貝類を記載した。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。潮間帯下部から水深20mの砂泥地。
房総半島〜九州。生態
ー基本情報
房総半島の浅場に生息している二枚貝。大型で古くからの食用貝であるが、とれる量が少なく地名度が低い。
三河湾などでは底引き網などに混ざって獲れる。ほぼ産地周辺で取引、販売されている。
非常に味のいい二枚貝で量さえまとまれば、アカガイやトリガイ同様に高級二枚貝になるはずである。
珍しさ度 珍しい貝ではなく、当然、収集の対象としては人気がない。流通しないので手に入れるには産地に行くしかないかも。水産基本情報
市場での評価/流通上ではまだ見ていない。
漁法/底引き網
産地/愛知県選び方
原則的に生きているもの。足などを活発に動かしているもの。味わい
旬は春。
貝殻が厚く硬い。軟体は大きく剥きやすい。
足は長く黄色みを帯びている。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ザルガイの料理・レシピ・食べ方/生食(湯引き)、煮る(塩ゆで)、焼く(つけ焼き)ソテー(アヒージョ)、汁(みそ汁)クリックで閉じます
ザルガイの湯引き 味はエゾイシカゲガイ(イシガキガイ)に似ているが、足はこちらの方が断然大きい。甘味が豊かで、食感もいい。二枚貝の中でもトップクラスの味である。
貝殻の中には鳥のクチバシ状の脚があり、その部分を刺身や湯引きにする。
剥き身にして足だけにする。これを開いて、軽く湯引きして氷水に落とす。水分をよく切る。大きいものは二等分にする。
小ザルガイの塩ゆで 三河湾の底曳き網では幼貝(小さな貝)もとれる。成貝(成長した貝)よりも酒蒸しなどには向いている。今回は塩ゆでにしただけだが、足の部分の食感がよく、わたに強いうま味がある。非常に味わい深く、箸が止まらなくなる。クリックで閉じます
貝殻をざくざくと洗い、水分を切り、塩水で貝が開くまでゆでる。ザルガイのつけ焼き 直に焼いて、仕上げに醤油を塗ったものなので、醤油の香りが先に立つ。この醤油と足の甘味が一緒になるとびっくりするほど味わい深くなる。食感も心地よい。クリックで閉じます
剥き身にして足を開く。これを一度湯引きしてもいいし、そのまま生で焼いてもいい。醤油・みりんを混ぜたものを塗りながら仕上げる。好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/カネタ水産(愛知県西尾市一色) 太田正義さん、鈴木項太さん(項明水産 愛知県阿久比町 ■https://komeisuisan.com/)
『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)