7cm SL 以上になる。貝殻は厚みがあり膨らみが強く、43本前後の放射肋がある。肋間は狭い。
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![7cm SL 以上になる。貝殻は厚みがあり膨らみが強く、43本前後の放射肋がある。肋間は狭い。[福島県相馬市原釜]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/1048/Thumb630/ezoisikagegai00.jpg)

![斑紋の出た個体の内側。[福島県相馬市原釜]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/1048/Thumb630/ezoisikagegai000.jpg)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目ザルガイ超ザルガイ科イシカゲガイ亜科イシカゲガイ属外国名
学名
Clinocardium californiense (Deshayes,1839)漢字・学名由来
漢字 蝦夷石影貝 Ezoishikagegai
由来・語源 岩川友太郎の命名。イシカゲガイに似て北に生息するという意味。
「石影貝」は江戸時代の『六百介品』。岩川友太郎
安政1〜昭和8年 1855-1933、青森県生まれ。モースに師事して近代的な分類学を学ぶ。多くの標準和名をつけるなど貝類の世界での業績が目立つ。『生物学語彙〈ゴキブリは本来、御器かぶり(ごきかぶり)と言ったが本書のルビの振り間違いから「ごきぶり」になる〉』、『日本産蛤類目録』など。
六百介品
江戸時代に作られた彩色図譜。600種ほどの貝類を漢名、和名で紹介したもの。著者不明。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深10メートル〜100メートルの砂泥地。
鹿島灘からオホーツク海。生態
ー基本情報
茨城県以北の太平洋沿岸の浅場に生息する二枚貝だ。食用貝としては伊津部の人に知られていたが、希に底曳き網などで混獲された天然ものが入荷していた程度だった。
東京市場築地・豊洲などをはじめ関東に比較的入荷を見るようになり、認知度が増したのは2007年頃、岩手県陸前高田市広田湾で養殖されたものが築地などで目につくようになってだ。
東日本大震災を乗り越えて、今や高級すしダネのひとつとしての地位を確立している。
トリガイと同様に味がいいのに、下処理はトリガイと比べると簡単。肉厚なのも魅力的だ。夏の高級二枚貝として重要なものとなっている。
珍魚度 東京豊洲市場や全国の上物を扱う仲卸・魚屋では手に入れることができるが夏限定である。地方などで手に入れるのは至難だと思われる。水産基本情報
市場での評価 入荷量は非常に少ない。岩手県では養殖されている。非常に高い。
漁法 養殖
産地 岩手県陸前高田広田湾選び方
原則的に生きているもの。足などを活発に動かしているもの。味わい
旬は夏。
貝殻はトリガイよりも厚く硬いが、比較的もろい。
足には厚みがあり、黄色みが強い。熱を通すとやや締まる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
エゾイシカゲガイの料理・レシピ・食べ方/生食(湯引き、生)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)クリックで閉じますエゾイシカゲガイの刺身
エゾイシカゲガイの刺身(ゆびき) 剥いて紐や消化器を取り去る。いちばん大きな足の部分を開いく。塩水を沸騰させて冷水の落として温度を下げておく。ここに落として1、2秒揺らせるくらいで、氷水に落とす。水分をよくきる。バカガイやウバガイ(ホッキガイ)と同様のやり方である。
一瞬湯に通すだけで食感が強くなり、甘味と貝の風味が強くなる。
エゾイシカゲガイの刺身(生) 剥き身にして外套膜や消化器を取り去る。開いて塩水などでさっと洗って水分をよくきる。大きさによっては適当に切る。貝らしい風味は湯通ししてものよりも強いが、甘味も食感も弱い。クリックで閉じますエゾイシカゲガイの刺身
エゾイシカゲガイのバター焼き 少々割高になるがバター焼きにしても味がいい。剥き身にして足以外の部分を集めて置く。先に野菜などをバターで炒め、最後にエゾイシカゲガイを加える。貝から出るエキスと野菜、バターが絡むようにするといい。クリックで閉じますエゾイシカゲガイのバター焼き
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)