100mm SL 前後になる。貝殻表面は殻皮に覆われ、貝殻には赤褐色の三角形の模様がある(あまりはっきりしない個体もある)。後半が短く、後端が切断型。丸みがありとても膨らみが強い。前端に放射肋が強く明瞭。
アリソトリガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目ザルガイ超科ザルガイ科イシカゲガイ亜科ウバトリガイ属外国名
学名
Yagudinella notabilis (G.B.Sowerby III, 1915)漢字・学名由来
漢字/荒磯鳥貝 Arisotorigai
由来・語源/瓜田友衛の命名だと思われる。ウバトリガイと同種との説があるが形態的には異なる部分が多い。
ウバトリガイ属のナガウバトリガイ/Spisula polynyma Stimpson, 1860、ウバトリガイ/Serripes groenlandicus (Bruguière, 1789)とは非常に似ている。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。陸棚上。
北海道、日本海北部、東北沖。生態
ー基本情報
本種はウバトリガイと非常に似ていて判断に苦しんだ。ただし殻高があり殻縁域の放射肋が目立つ、殻表の三角の斑紋が明らかであることなどからアリソトリガイとした。
北海道釧路から築地魚市場株式会社に試験的に送られて来たもの。ザルガイ科はおしなべて味がいいが、本種はなかでも傑出していると思う。
食感が強く甘味と貝類らしいうま味が豊か。外套膜や貝柱などもしっかりしていて大きく、単独で使えるなど非常に歩留まりがいい。
珍しさ度 流通していない二枚貝である。北海道などに行って探す必要がある。水産基本情報
市場での評価/流通は始まったばかりだと思う。値段など一定の評価はない。
漁法/
産地/北海道釧路選び方
原則として生きているもの。味わい
旬は不明。
貝殻は厚みがあって硬い。足は非常の大きく、ひも(外套膜)や柱(閉殻筋)も大きい。
ザルガイ科でトリガイと同様にして美味だが、より弾力がある。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アリソトリガイの料理法・レシピ・食べ方/煮る(湯引き、塩ゆで)、ソテー(バター焼き、アヒージョ)、汁(みそ汁)クリックで閉じます
アリソトリガイの湯引き(刺身) 足の部分の色が落ちないようにできる限り触らないで剥き身にする。足の部分だけにして開く。これを2〜5秒塩ゆでにして、すぐさま氷水に落とす。布巾などの上に置いて水分が引くのを待つ。表面だけに火を通すと言った加減。非常に食感が強いものの、さほど無理なく噛み切ることができる。甘味・貝らしい風味・うま味が豊かで非常においしい。
アリソトリガイのひも湯引き トリガイとの違いはひも(外套膜)・水管・貝柱が大きくしっかりしていることだ。皮膜などをとり、水分をていねいにきる。これを数秒塩ゆでにして氷水に落とす。水分をよくきる。足の部分よりも柔らかく味にこくがある。クリックで閉じますアリソトリガイの塩ゆで 剥き身にして足の部分だけにする。これを強めの塩水で完全に火を通す。やや硬く締まるものの、甘味が強く、貝らしい風味も豊か。このまま食べてもいいが、酢の物やサラダなどに使うと便利だと思う。クリックで閉じますアリソトリガイのアヒージョ ひもと貝柱、水管を使う。塩水で洗い、鰓や汚れをていねいに落とす。水分を切り、火にかけられる器かパンにオリーブオイル、大量のにんにく、辛味のある唐辛子と一緒に入れてソテーする。軟体部分もうまいが、貝のうま味が出た油がこれまた非常に美味。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/原さん(株式会社ハライチ)、舛本さん(築地魚市場株式会社)
『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局 20170130)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『学研生物図鑑 貝Ⅰ・Ⅱ』(監修/波部忠重 奥谷喬司 学習研究社 1983)