殻高10cmを超える。卵形で膨らみが強い。放射肋(縦縞)が非常に強く40本前後ある。
ナガザルの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)




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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目ザルガイ超科ザルガイ科ザルガイ亜科Vasticardium属外国名
学名
Vasticardium enode (Sowerby,1840)漢字・学名由来
漢字 長笊貝 Standard Japanese name / Nagazarugai
由来・語源 岩川友太郎の命名。ザルガイよりも殻高が高い(長い)という意味合い。
模式標本/セイロン岩川友太郎
安政1〜昭和8年 1855-1933、青森県生まれ。モースに師事して近代的な分類学を学ぶ。多くの標準和名をつけるなど貝類の世界での業績が目立つ。『生物学語彙〈ゴキブリは本来、御器かぶり(ごきかぶり)と言ったが本書のルビの振り間違いから「ごきぶり」になる〉』、『日本産蛤類目録』など。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。潮間帯下〜水深50mの岩などのある場所の砂礫地。
房総半島以南。東南アジア、北オーストラリア。生態
ー基本情報
房総半島以南の温かい海域の岩などの多い砂礫底にいる。ザルガイよりも浅場に多いのかも知れないと思っている。
大型の二枚貝であるが、とれる量が極めて少ないので流通に乗ったことはないと思われる。
非常に味のいい二枚貝なので残念である。
珍しさ度 収集の対象としては珍しいものではないが、食用としてはめったにとれない上に流通しないので、幻の貝といってもいいだろう。水産基本情報
市場での評価 活けは見ていない。冷凍輸入されたものはやや高値。
漁法 採取
産地 徳島県選び方
原則的に生きているもの。冷凍ものは焼けや表面が乾いていないもの。味わい
旬は不明。
貝殻は厚みがあって硬い。
軟体は白く大きい。熱を通しても硬くならない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ナガザルの料理・レシピ・食べ方/生食(湯引き、刺身)、揚げる(天ぷら)、ソテー(アヒージョ)クリックで閉じます
ナガザルの湯引き 基本的に生で食べるのは足の部分だ。トリガイやエゾイシカゲガイと同様、とても豊かな甘味があり食感が心地よい。二枚貝の中でもトップクラスの味である。
剥き身にする。足だけにして、足を開く。中にある内臓部分をしごき出す。これを塩を加えた湯の中に通す。氷水に落として水分を切る。トリガイほどではないが、足の色素はとれやすいので要注意。
もっとも貝らしい生臭みのない二枚貝だろう。一瞬熱を加えることで、身の表面が締まり、食感も少しだけ高くなる。
ナガザルの刺身 完全な生と湯引きの違いがわかりにくい。写真は剥き身にして足を開いて塩水で洗う。水分をよく切っただけのもの。二枚貝によっては生臭いものもあるが、本種にまったく臭味がない。湯引きほど食感は分かりやすくないが、表面がまったく生も悪くない。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/伊東正英さん(鹿児島県南さつま市笠沙) 前田浩史さん(徳島県徳島市)
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)